「【”何も聞かず、何も言わず。”昭和の香りが色濃く漂う骨董屋の中年男性に関係する人たちの姿を描いたヒューマンドラマ。】」時代屋の女房 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”何も聞かず、何も言わず。”昭和の香りが色濃く漂う骨董屋の中年男性に関係する人たちの姿を描いたヒューマンドラマ。】
ー 村松友視氏の同名原作が同じトーンであるので、名匠森崎東監督の手による実写化の今作も同様のトーンになるのは必然であろう。
そんな中で、ふらりと安さん(渡瀬恒彦)と呼ばれる独身男が営む、骨董屋「時代屋」にやって来て、直ぐにいなくなり又戻って来るマユミを演じた故、夏目雅子さんの太陽の様な明るさと、美しさは群を抜いている。
又、彼女はアフロを被ったミサトという東北の女性も演じているが、これがどう見ても二人とも当然同じ美しき顔なので、それに気づかない安さんや周囲の人達が気付かないふりをしているのは、設定上仕方がないのだろう。
何が言いたいかと言うと、小説とこの実写化映画の一番の違いは、夏目雅子さんの突出した美しさであるという事である。
今更言っても仕方がない事であるが、夏目雅子さんの夭逝は正に美人薄命とは彼女の事を言うのではないか、と小学生の頃、夏目雅子さんが三蔵法師を演じた「西遊記」を再放送で観たチビッ子には、衝撃であったのである。
太陽のように美しい人を邦画映画界は失ってしまったのであるが、故に夏目雅子さんの美しさは永遠の若さと共に人々の心に残るのだろうと思ってしまった、いぶし銀の様な作品である。ー
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