事件のレビュー・感想・評価
全10件を表示
長過ぎるのが問題。大竹しのぶの可愛らしさが再認識できる。
有名な俳優ばかり(故人も多い)が出てくる映画だが、大竹しのぶの可愛らしさ、演技力の高さが目立つ作品になっている。佐分利信も芦田伸介も丹波哲郎もどんな役をやってもキャラが強すぎて彼らにしか見えないし、永島敏行と松坂慶子は(今だにそうだが)所謂大根役者。何度も(リメイクなども含め)観ているのでストーリーが頭に入っているので余計にそういう見方になったのかもしれないが、改めて本当にこの頃の大竹しのぶは可愛らしかったと思った、そして演技力がずば抜けている。しかし昔の映画は長い。この長さは苦痛。
事件は人が起こす
Amazon Prime Video(プラス松竹)で鑑賞。
原作(創元推理文庫版)は既読です。
リアリティーたっぷりの法廷シーンで暴かれていく、「ありふれた事件」の裏に秘められた愛憎劇が激しく切ない。
豪華キャストの演技合戦も見どころであり、当時の若手俳優たちが物語を牽引しベテランが脇を固める手堅さが良い。
判決としての真実と各々の胸に秘めた真実はそのまま人の心の複雑さを表しているようで、ミステリーの面白さと松竹映画らしい人間の機微に迫るドラマが見応えたっぷりでした。
一言一言「濃いわあ!」
殺害・死体遺棄を認めた19歳の、裁判。
最初はほぼ裁判室のみでのやり取り。
検察の証人が、のらりくらりしていたり。
そこに弁護側が、切り込んでいく。
皆が素直に真実を述べるわけではないところが、人間臭い。
裁判の話を軸に、それぞれの回想シーンが肉付けされて。
認めたんだよね、でも誰かを庇っている?。
もしかしてこの人が、本当の犯人?。
そんな裁判物の中に、当時の厚木や世相を織り込んで。
自分もその頃に新聞記事を読んだような、のめり込み感あり。
あっといまの2時間半。
45年前で、みなさん若いのなんの。そこも見応えあり。音楽も良かった(芥川也寸志氏)。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「裁判所はあらゆることを知りたいのです」
かなりの時間が法廷シーンに割かれており、弁護人と検察官の応酬は見応...
かなりの時間が法廷シーンに割かれており、弁護人と検察官の応酬は見応えがあった。
被告人の永島敏行の演技は稚拙だったが、それ以外は満足。
今回はヤクザの渡瀬恒彦に感謝だな。
渡瀬の証言がなければ間違いなく殺人罪になっていただろう。
被害者の介抱もせず、死んだと思い込んで死体遺棄したのは人間としておかしい。
それにしても最後の渡瀬と大竹しのぶのやり取りは何だったのか。
あれほど忌み嫌っていた渡瀬と笑顔で会話をする大竹。
嫌っていたのは演技で、ひょっとしたらお腹の子ども本当の父親は渡瀬なのか?と思ったりもした。
映画が終わってみると印象の半分以上大竹しのぶは物凄い!ということで占められてしまっているのです 本作を観ずに大竹しのぶは語れません
ずっしりとした見応え!
重量級です
日本でも見事な法廷劇が成立する事を証明しています
監督 野村芳太郎
音楽 芥川也寸志
撮影 川又昂
主演は誰だかよくわからない群像劇というべきですが、丹波哲郎が主要な登場人物を演じます
ここまでは「砂の器」とおなじです
違うところは
脚本が新藤兼人であるということ
本作の特徴である本格的な法廷劇と
再現シーンの複雑な構成を的確に整理して、その上感情が表出するシーンを忘れてはいないのです
音楽にはエレクトーン界の鬼才の松田 晶 が作曲・演奏で追加されています
彼がGX 1で奏でる「愛のテーマ」は
格調の高いもので、シンセサイザーの安っぽい音ではなく、感情の表出を劇的に演出してくれます
このヤマハのキーボードはドリームマシンと当時言われた伝説の機種
ユーザーには、キース・エマーソンやスティーヴィー・ワンダー、ハンス・ジマーなどがいます
法廷劇は弁護士役の丹波哲郎と検事役の芦田伸介、裁判長役の佐分利信の大物3人で展開されます
そのどっしりとした土台の上に事件の再現シーンが展開されます
被告役を永島敏行、殺害される女性を松坂慶子で何度も繰り返されます
なぜそれが起きたのか?
故意の殺人であったのか?
事故というべきものであったのか?
その動機や背景についてを、被害者の妹役の大竹しのぶ、被害者のヒモ役の渡瀬恒彦を軸に展開されます
さらに多くの証人役に芸達者な有名役者ばかりを取り揃えて、立体的な厚みを作り出しています
とにかく、大竹しのぶと渡瀬恒彦の二人の熱演が見ものです
特に大竹しのぶの凄さは強烈です
この年の日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を獲得したのは当然です
無数の映画やテレビドラマに出演されていますが、本作の演技はとりわけ圧倒的です
映画が終わってみると印象の半分以上大竹しのぶは物凄い!ということで占められてしまっているのです
本作を観ずに大竹しのぶは語れません
小賢しいトリック絡みなどではなく三角関係痴情のもつれを発端とするヒューマン法廷劇
1978年昭和53年製作の時代をしみじみ感じさせる映画。
テーマは法廷で徐々に露わにされる事件の真相ではあるけれど、別に込み入ったトリックがあるわけではなく、被告人とそれに関係する二人姉妹の心理の真実性にスポットをあてたものという印象。
構成や演出としては当時のてらいなき王道的なものを感じさせ、斬新さはなくても中味凝縮という感じで、地味であっても集中を途切れさせない〝磁力”のようなものは間違いなくあった。
それに加えて、当時の空気感をおぼろげながら記憶する人間にとっては、「そうだよなぁ、家の貧しさはこんな感じだったよな・・・」とノスタルジーに浸りきる時間でもあった。
※相模川???かどうかわからないが、沈下橋があったことに驚き!
視聴中から充実感がじわじわ高まっていくいい映画でしたよ。
この頃の松坂慶子は本当に下手。NHKのTV版のいしだあゆみは凄く上...
この頃の松坂慶子は本当に下手。NHKのTV版のいしだあゆみは凄く上手かったのに。大竹しのぶの役の方は、映画版の方が、表面は良い子のようでいながら結局自分の欲しいものを最後に手にいれてしまう女のしたたかさのようなものはよく出ていたと思う。
主演女優賞・助演女優賞
この映画で両方とっちゃった大竹しのぶ。
動きのない映画なので、うっかり ダラっとしながら観ちゃった...
でも、俳優さんの巧さに、ところどころ眼が覚める。
これ、大竹しのぶさん以外の人がこの役やったら、果たして同じ結末に感じただろうか!?
大竹しのぶさんは、テレビ版の「事件」でも同じ役をやられたそうなので、そっちも観たいなぁ..
その上で、違う人のバージョンも観てみたい。
原作を読んでいないのでどのぐらいが脚本や演出のなせる技だったのかわからないけど、
まるで、実際の事件を映画化したかのような、事情と背景と感情と偶然、思惑の積み重ね。
地味だけど面白かったです。
昔の役者はすごい。
原作を先日再読したので、映画も観直してみた。
公開時と、DVDが開封されていたので、DVDを買ってから1回観ているようなので3回目の観賞。
原作を読んだすぐなので、その比較を中心に見ていったが、弘(永島敏行)とハツ子(松坂慶子)の関係は、原作でははっきりさせていなくて、僕はなんにもないと単純に思ったのだが、映画はそこもはっきりと示していた。関係があるのとないのとでは、まったく違うものになってしまう。
物語的にははっきりさせなくてもよかったのでは。
脚本の新藤兼人も野村芳太郎監督も、動きの少ない裁判シーンが多いので、その点での苦労がしのばれる。
だが、やはりその裁判シーンは見応えがあった。特に芦田伸介である。検察の起訴状朗読を全文やってのけ、その後の冒頭陳述もきっちり朗読していた。退屈しないような演出は施されていたとはいえ、彼の力量に負うところも大きい。丹波哲郎や佐分利信ももちろんよかった。この3人をキャスティングできたのが大きかった。
いまの日本映画界の俳優は、本作が公開された1978年当時と比べると、層が薄くなっている気がする。
映画はデジタルになり、CGでなんでも映像化できるけれど、役者の芝居はやはり人間のもの。僕は大きいスクリーンで役者の芝居を観ていきたい。
全10件を表示