資金源強奪のレビュー・感想・評価
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これはたまげた。いやぶったまげた。こんなに面白い日本映画があったな...
これはたまげた。いやぶったまげた。こんなに面白い日本映画があったなんて。こんな面白い映画のタイトルさえ知らなかったなんて。 普通ならクライマックスにもってくるような事件がいきなり起きちゃって、その後の展開が面白さといったら。人間関係が複雑に絡み合いストーリーがギュッと凝縮されていて短いけれども見ごたえ満点。凝縮されてるぶん集中してしまって観るのが疲れるのでもっと長い映画だと思った。そんだけ面白いということだ。 そしてこの脚本をこういうテイストの映画に仕上げた。こういう俳優をこういうふうに使って!見事としか言いようがない。深作欣二、こんなところにも傑作があったか!しかもこれがオリジナル脚本だって?素晴らしいとしか言いようがない。まったくもって感服した。 脚本家に興味を持って調べてみたら「まむしの兄弟3億円恐喝」と同じ脚本家だった。そういえば少し似てると思いながら観ていたよ。なるほど。これからこの脚本家の作品を少しあたってみよう。まだ他にもいいのがあるはずだ。
クズ野郎どもの強奪!
Huluで鑑賞。
深作欣二監督作品の中でいちばん好きかもしれん!
組のために殺人を犯したのに、ムショから出て来たてみたら歓迎されるどころか逆に厄介者扱い…。「仁義なき戦い」シリーズなどでよく見られるパターンで、ここからの巻き返しをどのように図るのかが物語の肝だなぁ、と…。
本作では意趣返しとして組の賭場を襲撃し、その資金を強奪することを計画。ムショ仲間3人で手を組み、入念に準備してまんまと成功するも、些細な綻びから、犯人探しを依頼された不良刑事も加わった醜い大金争奪戦へとなだれ込み…。
とにかく秀逸なクライム・アクションでした。
登場人物が揃いも揃ってクズばかりなのも最高。中でも川谷拓三がずば抜けて素晴らしかった! さすが出世作なだけのことはあるなと思わせる、抜群の演技に魅了されました。
演出もコミカルでテンポ良くストーリーが進んで行き、クズたちの騙し合いや欲望剥き出しの戦いは、生々しくも滑稽さを孕みながら泥沼化。最後に誰が大金を手にするのか、ハラハラしながら終始手に汗握りっぱなしでした。
[余談]
私の地元・尼崎でロケが行われていて嬉しい限り!
モンパルナスは移転してしまい今はありませんが、当時の阪神尼崎駅の様子を知ることが出来、今も変わらないところ、変わってしまったところを探すのが楽しい限りでした。
またトラックに轢かれてしまったか・・・
笑いもあり、緊張感が途切れることなく、突っ走る強盗アクション。カタギになる!などと言いつつ、結局は古巣である暴力団が開いた賭場荒らしを計画する北大路欣也演ずる清元武司。相棒には川谷拓三のテツとおっさんこと室田日出男だ。自家製催涙弾やアクアラング、モーターボートを駆使して、まんまと賭場の金3億5千万円を奪ってしまう。 情婦(太地喜和子)や兄貴分との確執もあり、暴力団が犯人を捜すために停職中の刑事・能代文明(梅宮辰夫)を雇うのだ。文明は残された証拠からあっという間にテツを割り出し、ぐーたら刑事ではないことを見せつけてくれるし、その後のテツの処遇も見事な展開。さらに、わざとじゃないかと思うほど仲間割れを誘発しながら、誰が最後に残るねん!と、ハラハラ。 松方弘樹も特別出演しているが、彼はスケベなおっさん役。山城新伍のギャグも冴えているし、当時のヤクザ映画スターの演技力は見ものだ。 深作欣二監督が仁義なき戦いシリーズの合間に量産した作品の一つではあるが、大部屋出身の川谷拓三の出世作とも言える。冒頭と最後に刑法の条文のテロップも流されるが、それに反発する意味でタイトルクレジットには「ふかさくきんじ」と平仮名にしてあるのも面白い。まぁ、突っ込みどころも多い中、最後の刑法の条文に時効について書かれているけど、海外に逃亡したら時効は中断されますから・・・
三匹のおっさん
センター北大路欣也の身体の美しさに冒頭やられ、そのまま何が目的かイマイチわからないが走り続ける主人公の動きが描かれます。テンポはいいのだけど金のためなのか組織の復讐のためなのか女のためかプライドのためか、よく分からないがとにかく表情を変えずに走りまくります。北大路欣也ってこういうずっと同じ表情しててもサマになるからいいよね……。時々ゴルゴ松本に見えた。
先の読めなさ&スピーディーさが快感
1975年深作欣二監督作品。 面白い!! 毎度の東映メンツでヤクザが出てくるのでいつもの感じかな?と思っていると金をめぐっての二転三転するスリリングな展開に! 92分という短さの中で、先の読めなさ&スピーディーさが快感!その上に主要キャラの立ち方が素晴らしいっていう! 北大路欣也のギラついた感じは深作映画のそれだが、今作はクレバーかつしぶとい。そして梅宮辰夫の存在感よ。 娯楽映画のエッセンスをギュッと濃縮したようなノリにノッてる監督の手腕を堪能できました。激オススメ。
すんごく面白い
深作監督『暴走パニック 大激突』では、初っ端1カット目、銀行の建物。2カット目ではもう銀行強盗してて、あまりのテンポの良さにビックリしたが。
本作は、1カット目から銀行強盗。まどろっこしい説明なし。ものすごくテンポが良い。それでいて分かりやすい。最近の邦画は二部作流行りだが、この頃の深作監督だったら全部85分で撮れるなと思う。
二転三転どころか、最後の最後まで転がるストーリー。脚本・高田宏治。仁義の笠原和夫路線とは一寸違う、コンゲーム的な面白さに溢れている。
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主演の北大路欣也。仁義なき〜の時は何だかマジメ過ぎて好きになれなかったが、本作では、軽さとドスの効かせ方が絶妙。川谷、室田とのトリオも最高。
停職中の刑事役、梅宮辰夫も途中ゴルゴ13になったりして余裕の演技。松方、山城の1シーンも楽しい。
テーマ音楽も軽妙でウキウキする。(犯罪ものなのにウキウキしてて良いのか)。
太地喜和子のみ文芸調で本作の軽さから浮いているが、それもまた物悲しくて良い。
全体的に軽妙なんだけれども、どこか腹のすわった図太さ、反骨心もあって、惚れ惚れする。
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チンピラたちの強奪劇。世に沢山あるわけだが。
センチメンタルな『アスファルト・ジャングル』(名作だ)。そのセンチメントを壊した『現金に体を張れ』。本作は『現金に体を張れ』をさらに壊して進化させた軽妙さがあるなあと思う。
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追記1:この時代の人たちって、帽子をフワっと乗せとくみたいにかぶる。その余裕がすんごく素敵。
追記2:今ちょうど「映画の奈落」という本(脚本家高田宏治さん等に取材したノンフィクション)を読んでいて、こちらももの凄く面白い。
深作欣二の傑作クライムアクション
被害届の出せない暴力団の賭博収益金を略奪する話。 とにかくテンポがよく目を離せない。東映プログラムピクチャー時代の作品なので尺を取れないって理由があるかもしれないが、無駄のない編集と付随するストーリーはラストまで緊張感溢れる。 本当に面白い。若き北大路欣也のギラギラ感が素晴らしい。
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