劇場公開日 1962年11月18日

「小気味いい会話劇と、娘を送る父の哀愁」秋刀魚の味(1962) 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0小気味いい会話劇と、娘を送る父の哀愁

2024年3月15日
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小気味いい会話劇と、哀愁漂う娘を送り出す父親。
台詞で表現されてるわけではないが、孤独と悲しみが伝わるのは何故だろう。
人の感情を表現するのが素晴らしい映画だ。

当時の価値観と現代はかなり違うのではあり、娘が父の世話をするために婚期を逃すというのも珍しいとは思うが、父と娘の関係性でいえば今も変わらない気もする。

名作だから面白いというのではなく、自分は見ていて全部面白かった。1秒たりともつまらない部分がない。日常描写だけしかなくかなり淡々としているんだけど、テンポよく小気味良い会話劇であっという間に終わった感じ。また他の小津安二郎の映画が見たくなるほど、作品が好きになった。

岩下志麻さんの若い頃の作品だけど、すごく美人ですね。この人の魅力でもこの映画の価値を上げてる気がする。

父親役の笠智衆もいいよねぇ。
配役みんないい。味わい深すぎる。今だからこそ見ていて新鮮な気持ちになる。

ちなみに、タイトルの秋刀魚の味。本編に全く秋刀魚出てこんやん。一体どういう意味なのか。。。

劇中に食事シーンやお酒飲むシーンが多いけど、見てたら食べたくなったり飲みたくなってくる。。。

夢見る電気羊