「無常ということ」秋刀魚の味(1962) ビリケンさんの映画レビュー(感想・評価)
無常ということ
世界に誇る巨匠小津安二郎の遺作。
結婚をめぐり、父が娘を家族と思う作品。寂しさと1人ぼっちという哀愁と切なさ。常はなく明るい一家団欒も時とともになくなっていく様。
カット割、音楽共に美しい。これぞ日本の映画だとしみじみと思った。平成生まれの僕からしたらやはり価値観として相容れないシーンも多々あった。例えば、演壇など男だけで進んでいくところや恩師への態度である。
戦争が終わり一つの時代が終わり、威張ったやつらは皆いなくなった。それは、この時代の価値観共にである。大量消費時代に突入し、核家族化し、古きものは新しきものにとって変わられる。
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