錆びたナイフのレビュー・感想・評価
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石原裕次郎、北原三枝の黄金コンビの痛快なサスペンス映画
日活創立100周年記念の広島市映像文化ライブラリーでの上映会。石原裕次郎、北原三枝の黄金コンビ。
石原裕次郎は前科者であるが、正義感が強く決して荒くれ者ではない。自分の過去を隠そうとするが、ある投書を元に昔のヤクザや警察と関わるようになる。
自分が昔、自殺した恋人のために人を殺したが、それは別の人物が後ろで策略したものであることが発覚。復讐に燃え、遂に突き止める。
石原裕次郎はクールで堂々としているが、心の中ではもう二度と過去には戻りたくないとう大きな傷との葛藤を抱えている。昭和33年という戦後10数年の時代を考えると、やっと生活が安定し経済的に発展が始まったものの、そこに巣食う政治家やヤクザな世界があり、暴力事件やお金がらみ、しいては殺人事件もあった。この映画でも、冒頭にそういう時代背景が出てくるが、警察はいつまでも犯人を捕まえることができない。実際には警察内にスパイがおり、そして大物政治家も絡んでいた。そこに石原裕次郎一人が立ち向かっていく。そして北原三枝が影で複雑に絡み合った糸を解くのに動き回る。最後に影の大物を突き止め戦う石原裕次郎は決してヒーローではなく、恋人を死に追いやった者への復讐と殺人者であった自分から抜けださなければならない自分との葛藤がありとても苦しんでいる。最後錆びたナイフは人を刺さなかったものの、捨てられ、一人どこへ行くともなく去っていく石原裕次郎であった。
出演者は、小林旭、宍戸錠など豪華メンバーで、ヤクザのボスとの二人の殴り合いのシーンや、トラックでのカーチェイス、大物政治家からの無線機での指示、巧妙な殺人事件などなど、色んな仕掛けがしてあり、見るものを飽きさせない。映画公開当時、まだ貧しく生活や社会状況が不安定な中、この映画はサスペンス映画として痛快である一方、石原裕次郎の過去を背負って苦しい人生を生きている様子が、当時の人々に共感を読んだものだろう。
20140129@広島市映像文化ライブラリー
影と虚無感を漂わせた こういう石原裕次郎も魅力的です
白黒作品です
ヒロインに北原三枝、弟分に小林旭、端役で序盤で早々に殺さる昔の仲間役に宍戸錠
なかなか豪華です
ヒロインとのロマンスはラストシーンでこれからという予感だけです
ほとんどは街の悪者との闘いで終始します
本作の石原裕次郎は、バーのマスター役で影と虚無感を漂わせた主人公です
こういう石原裕次郎も魅力的です
原作は石原慎太郎
タイトルの錆びたナイフという詩的な言葉の響きが素晴らしく格好いい
内容も的確に表現されています
今となればありがちな物語ですが、密度は高いです
門司の昭和33年の商店街のロケシーンはとても興味深く食い入る様に観てしまいました
最近、門司港のレトロ地区とか観光整備されているとのこと
石原裕次郎に似合う街だった訳です
コロナ禍がおさまったら、一度遊びに行きたいものです
映画だから、鷹揚に構えた方が良いのかも知れないが、
映画だから、鷹揚に構えた方が良いのかも知れないが、
1.強さが同等の人間が乱闘してるのに、仲間が加勢しないとは、無理がある。
2.差入の、毒入り饅頭を食べられてしまう警察の対応は、間抜け過ぎる。
3.捕まえた悪人の身体を拘束しないとは、間抜け過ぎる。
4.刃物を持って殺し合いしてる場に、素人女が止めに入るとは、
頭がイカレテルとしか思えない。
この辺で止めておくが、少し無理の多い映画という気がした。
まあ、そういうアクション映画と思って観れば面白いかも。
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