「企画は大味ですが、構えは大作です 岡本喜八監督もそこを分かっての上、プロフェッショナルに娯楽作品を作り上げています」座頭市と用心棒 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
企画は大味ですが、構えは大作です 岡本喜八監督もそこを分かっての上、プロフェッショナルに娯楽作品を作り上げています
座頭市シリーズ、8年目、第20作
こりゃあおもしろい!
マジでエイリアンvsプレデター
いや考えてみれば
大映の座頭市 vs 東宝の用心棒
これ怪獣映画ならどうでしょう
ガメラ対ゴジラなんです!
どっちが主人公だかわかりゃしないほど三船敏郎がフューチャーされています
用心棒そのものです
見方かえると座頭市がゲストみたいです
その他に、若尾文子、嵐寛寿郎、滝沢修、岸田森
、細川俊之、米倉斉加年、神山繁、寺田農、常田富士男
とまあ大変に豪華主演です
まあ若尾文子は使い方良くなかったです
彼女を活かす脚本なら凄いことになったとは思います
カメラは用心棒を撮った宮川一夫
その時は白黒、本作はカラーです
用心棒がカラー作品だったなら?という妄想に応えてくれる映像をとっています
音楽は伊福部昭
印象にのこる旋律はないものの劇伴としては映像に大変マッチしています
勝新太郎の座頭市は第一作みたいに坊主頭に青々と剃りまで入れて気合いはいってます
お話は座頭市第一作と用心棒をかき混ぜて、ちょいと調味料を振ったような感じ
企画は大味ですが、構えは大作です
岡本喜八監督もそこを分かっての上、プロフェッショナルに娯楽作品を作り上げています
うっすらと岡本喜八監督らしい喜劇の味つけをしているのがミソ
あんまり真面目に観ちゃあ駄目ですよ、旦那って聞こえてきそうな作品です
それでも終盤の九頭竜との闘いは見ものです
お気楽に肩肘張らずに見ましょう
ラストシーンは、何かに似てるとやっとこさ思いだしたら、これジョン・ヒューストン監督の「黄金」のオマージュでした
そのまんまやん!
映画の歴史には残らないし、意義なんてものもないけど、おもしろい映画は有るんです!
本作はそれを教えてくれます
黒澤明監督もこの時期は巨匠に祭り上げられすぎました
こんな娯楽作品を作って息抜きしても良かったのだと思います
その方が70年代にもっと活躍できたのではないでしょうか?