座頭市果し状のレビュー・感想・評価
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野川由美子もキレイだけれど…
『座頭市』シリーズ第18作にして名匠、安田公義監督のシリーズ4本目。「世界のミヤガワ」こと宮川一夫が撮影を担当。
大映が黒澤明監督を招き宮川が撮影した『羅生門』(1950)同様、志村喬がキャスティングされているからか、雨中のシーンや腕を斬り落とす演出など同作や黒澤作品を連想させる場面も多数。
五社協定が消滅するのは本作の3年後だが、東宝から志村を借り受けた背景には前年、大映が飼い殺し状態にしていた俳優が自殺したことも影響しているのだろうか。
先述の腕を切断する場面や市が刀で銃弾を抉り出すなど過激な演出が多くなったのは、おそらくマカロニ・ウエスタンブームの影響。
当時の時代劇はリボルバーを登場させるなど銃器の考証が杜撰なことも多いが、本作では短筒の火縄銃を使用するなど割とまとも。
序盤で蛇(マムシ)を両断する演出は『眠狂四郎』シリーズでも見られるが、動物愛護の意識が希薄だった当時だから許されたこと。同じことを今やったら炎上確実。
名女優として長く活躍した野川由美子とともに本作でWヒロインを勤めた三木本賀代は他の時代劇では端役中心。整ったルックスなのでもっと良い役もらえてもと思うが、当時は受けない顔立ちだった!?勿体ない使われ方をしてたような気がする。
敵の親分を演じた土方弘は失礼ながら迫力不足。小松方正と役代わったほうが良かったのでは。
浪人・小鹿野を演じた待田京介は極真空手の総帥、大山倍達の一番弟子という意外すぎる経歴の持ち主。実際、空手の腕前も相当だったそう。
のちのカンフーブームの際に香港に渡っていれば活躍必至だったろうに、この人もなんか勿体ない。
三船敏郎の一人立ち以降、黒澤作品では脇役中心だった志村はさすがの貫禄。
市自身も深傷を負ったうえ、世話になった順庵父娘の目前で肉親の小鹿野を殺めてしまうなど、シリーズ屈指のバッドエンド。
クライマックスをより劇的にするためには、市と小鹿野の因縁をもっと深めておく必要があったような気も。
ラストシーンこそ黒澤作品やマカロニ・ウエスタンを参考にすればと思うと、ちょっと残念。
BS-12トゥエルビにて鑑賞。
銃はずるいよ
勝新、歌上手いでスタート。名優志村喬が厚みを添える。Wヒロインにラ...
作品のトーンが暗い分、渋い座頭市
BS12にて鑑賞
自分が観た前2作に対し、コメディパートを省いた分、作品のトーンが総じて暗いが、これはこれで渋い。
悪役が、徒党を組んだり、ちょっとした権力を手に入れたりすることで、イキがって暴力的な振る舞いで周りを抑えつけようとするチンピラ感がよく表現されており、座頭市の正義感がより際立っている。
毎回、座頭市作品の画面づくりには、とてもこだわりを感じるが、今作も例外ではない。
CGなどありえない時代に、曇天で稲光が光る野を一人歩く座頭市のシーンの完璧な美しさに息を飲んだ。
また、全体的にモノクロに近いダークトーンの中、わずかに差し色として赤や青を配した殺陣のシーンの緊迫感。
制作陣のこだわりとプライドが伝わってきた。
医者役の志村喬が、やはりいい味を出している。
血の気が引き、弱った座頭市の表情も見どころ。
エンディングのほろ苦さもよかった。
志村喬
順庵役の志村喬のおかげで引き締まった映画となっていた。ストーリーとしてもシンプルで感情移入ができるのだ。黒澤映画『酔いどれ天使』でも医者を演じた志村だが、ここでの役柄は秩父の里という小さな村で、貧乏人からは金を取らずに逆に食べ物を分け与えるという、まるで『赤ひげ』のような先生だ。今回の市は銃弾を左肩に受け、かなり痛々しい。これも医者がいるからできたことなんだろう。
残念なのは親子の確執。江戸で医者をしているとき、家を飛び出し人を殺してしまい、盗賊団の一味になってしまった弦八郎(待田京介)。最後には市に斬られてしまうのだが、そのときの感情がいまいち描ききれていないと思う。ちょいともったいない。
悪党の一味で紅一点の野川由美子といい、順庵の娘である三木本賀代といい、胸元ギリギリの映像がいい!!
果し状、届いた…?
シリーズ18作目。1968年の作品。
道中、悪徳やくざとその用心棒・弦八郎に斬られた男を助けた市は、とある宿場町の医者の元へ担ぎ込む。娘・お志津と二人で暮らし、忖度無く病人を見るその医者・順庵に感心し、市もまた気に入られ、厄介になる。が、やくざ一家からの用心棒の話を断った事から命を狙われ、順庵とお志津も連れ去られ…。
一作一作面白味が続いていたが、久々にこれと言った特色に欠ける平凡作。
かと言って、全くつまらない訳ではない。
やくざ一家の武器は銃など飛び道具。血を流し、これまでになく、大ピンチの市。そんな満身創痍の身体で二人を救出に向かう…。
深手を負った身体でやくざ一家を斬っていく市。用心棒・弦八郎も斬る!
その時…
「兄さん!」と、弦八郎に泣きすがるお志津。
順庵がやくざが嫌いと言っていた理由もこれ。しかし、目の前で我が子を失った悲しみ…。
助ける為とは言え、親子を“斬ってしまった”市。
悲壮感たっぷりではあるのだが…、暫く経ったら忘れてしまいそう。
せっかくの志村喬や野川由美子も勿体無い。
ところで、果し状って届いた…?
古き良き日本
座頭市 果たし状
安定の座頭市だった。面白い。期待を裏切らない。
勝新太郎が道を歩いているところから始まり、村に着き、ヤクザと色々あって、最後は勝新太郎が悪い奴をぶった切って終わる(笑)。
今回は若干の西部劇テイストが入っています。そして勝新太郎が歌います。「どこでぇぇぇぇ果てようぉぉうとぉぉぉぉ。誰がぁぁぁ泣ぁぁぁぁくぅぅぅぅ。知らぬぅぅぅ他国のぉぉぉぉ蝉がぁぁぁぁ鳴くぅぅぅぅ」
座頭市の魅力は、そのダメダメオーラからのギャップ萌えに尽きる。
勝新太郎の風貌たるや、髭面の坊主頭にボロボロの布切れを着た、腹のつき出た小太り猫背の中年のおっさん。杖を突きながらのヨタヨタ歩きで、今にもずっこけそう。虫も殺さない優しい性格だ。
本性は最強の殺人マシン。その洗練された殺陣は美しく力強い。虫を殺すときのような涼しい顔で、ただひたすらに斬る斬るkill!
ギャップ萌えだ。
山。河。山林。真夏の青空の下。聞こえるのは蝉の音。背の高い草が生茂る草原の中を突っ切る一本道。
一本道を汗だくの勝新太郎が歩いているというだけで、ご飯が100杯は食えます。
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