劇場公開日 1967年12月30日

「これぞ殺陣!殺陣を見よ!殺陣だ!」座頭市血煙り街道 tさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0これぞ殺陣!殺陣を見よ!殺陣だ!

tさん
2019年3月19日
PCから投稿

ううむ。本作は殺陣が凄い。これぞ殺陣。必見。

何と言っても、見せ場はラストの近衛十四郎との対決。
殺陣と思えないほどの真剣勝負。
いやマジで、段取りを1つ間違えれば大事故もありえますよこれは。
両者とも腰が入っており、かつ、とても近い距離で、かつ、動きもある。
カメラワークも素晴らしい。
迫力のある殺陣でした。

しかもそれだけではなく、その戦いのラストが最高。

刀は武士の魂。
子連れ狼なんかでは、若山富三郎なんかがよく刀を投げて相手を倒しますが、実はこれは武士道では邪道。
市は、武士ではないのですが、刀を投げることはありませんでした。
圧倒的な強さであるが故に、刀を投げるまでもなく相手を倒していたからだとも言えます。

しかし、本作のラストで、遂に市は刀(武士の魂)を投げます。
そして「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉を体現します。

それを見た近衛十四郎演じる赤塚多十郎(敵役)は、その市の態度を見て一言。
「わしの負けだ。市。」
と言い残して去っていきます。

2人の武士が目と目で分かり合う。とは言え、座頭市は目が見えない。でも分かり合うんだよ。心と心で分かり合うとはこのことか。この演出を入れてきて、かつ、画にしてしまう凄さ。
その芝居を完璧に演じきる勝新太郎と近衛十四郎。

うーん。
さすが三隅監督。
わかってるねぇ。。。泣

待ってました!の三隅研次版の座頭市でした。

t