催眠
劇場公開日:1999年6月5日
解説
催眠による連続殺人事件に挑む心理カウンセラーと老刑事の姿を描いたサイコ・サスペンス。監督は「パラサイト・イヴ」の落合正幸。松岡圭祐の原作を基に、落合監督と福田靖が脚色。撮影を「踊る大捜査線」の藤石修が担当している。主演は「パラサイト・イヴ」の稲垣吾郎と「富江」の菅野美穂、「パンダ物語」の宇津井健。
1999年製作/108分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1999年6月5日
ストーリー
都内各所で変死事件が続発。いずれも自殺のようではあったが、かなり不自然な死に方をしていた。脚の骨が折れるまで走り続けた女子陸上選手、厚さ1センチの窓ガラスを突き破って墜落死した初老の男、結婚披露宴の最中に自分の首を締め上げて窒息死した新郎。そして彼らは皆、一様に「ミドリの猿」という言葉を残して死んでいた_。事件の担当になった櫻井刑事に捜査協力を求められた心理カウンセラーの嵯峨は、死者にはなんらかの催眠暗示がかけられていた可能性があると示唆。テレビの催眠ショウで、偶然、若い女性がミドリの猿と呟くのを聞いた彼は、事件解決の糸口を掴もうと櫻井と共にテレビ局に赴く。そこで、眠術師・実相寺によって操り人形のように見せ物にされていた由香と面会した嵯峨は、彼女が解離性同一性障害、つまり多重人格者であると判断し、事件の鍵を握る彼女の過去を調べ始める。すると、彼女には精神病院への入院歴があることや、彼女がネズミと渾名されていたソーシャルワーカーに催眠をかけられ、彼に悪戯されていたことなどが明らかになってくる。どうやら、事件の裏にはそのネズミなる人物が深く関与しているらしい。そんな折、由香が捜査官たちによって事情聴取を受けることになった。不安定な由香の心理状態に、強引に押し入ろうとする捜査官たちの尋問。ところがその時、不思議な現象が起こり、捜査官全員が失神。その隙に、彼女は姿を消してしまうのであった。その後、事情聴取に立ち会った捜査員が次々と自殺し、櫻井も命を落としてしまう。早くネズミを捕まえなければ、大変なことになる。焦る嵯峨であったが、実は全ての犯人は由香であったことが判明する。由香は、ネズミに催眠をかけられるうちに、逆に彼に催眠をかけるようになっていたのだ。そして、ミドリの猿とは彼女の心に巣くう醜い心のことであった。全てを知った嵯峨を殺そうとする由香。だが、嵯峨は辛くも助かり、代わりに由香が命を落とすのであった。こうして、事件は一件落着したように見えた。だが、町には人々を催眠にかける暗示がいたるところに仕掛けられていた…。