殺しの烙印のレビュー・感想・評価
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非情の世界と飯炊きの匂い
Amazon Prime Video(日活プラス)で鑑賞(4K復元版)。
鈴木清順監督作品初体験でした。非情な世界観で、殺し屋宍戸錠の飯炊きの匂いがするハードボイルドに酔いしれました。
殺し屋の掟など、「ジョン・ウィック」シリーズでオマージュされている元ネタなのではないか、と感じる設定が登場。
殺しに失敗したナンバー3が処刑人に狙われる。酒に女、殺し屋を破滅させる要素を摂取するナンバー3にハラハラ。
殺し屋ナンバー1の意外な正体や(伏線効きまくり!)、そんな1の奇妙な美学に振り回される3とのやり取りが面白い。
破滅的な結末が容易に予想出来るので、終始手に汗握りました。ラストの無常さたるや。余韻が素晴らしかったです。
ようこそ無秩序ワールド
カットがかわる瞬間、次に何の映像がくるのか全く読めない、バチッと決まった構図が堪らなく気持ちいい映画でした。
ジョン・ウィック経由で観ましたが、さすが殺し屋集団、全く殺しに躊躇がなくてよかったです。
娯楽性とアート性の混ざり具合がばっちりでずっと楽しめる最高映画でした。
アバンギャルドな道化師たちの狂宴
鈴木清順は凄いですね
ここまで自己表現を完遂した監督も数少ないんじゃないでしょうか
チゴイネルワイゼンの下地がここかしこに見えます
しっかりしたストーリーテラーを好む方は、この映画の規格外れの出来に違和感を覚えるでしょう。
わたしはこの手の作品は大好物です。
何回も見返したい傑作です。
4K版を作ってくれてありがとうございます。
マジで意味はわからんけど、すごかった。
空間の使い方がうまい。
各シーンが美術的にこだわって丁寧に作られていることがわかる。
しかし、話がよくわからない。
わかりそうで、わからない。
それと。
やはり昔の価値観で作られた映画。
その部分で乗れないことが多いので、入り込めることも少なくなった。
「鈴木清順問題共闘会議」
"STYLE TO KILL"鈴木清順レトロスペクティヴー殺しのスタイルー
仙台フォーラムにて初鑑賞、、、今回は久々の鑑賞で何度観ても度肝を抜かれる!!!
突拍子もない独特な演出描写は鈴木清順の過去作にもチラホラと物語はわかりやすく単純でもあったり、美術で関わった木村威夫や清順も含めた"具流八郎"名義での脚本が物語を複雑に理解しずらい物へと!?
前置きも程々にテンポよく進む展開と宍戸錠が演じる花田五郎のアクが強いキャラクター像、全体的に凝ったディテールの数々、ハードボイルドになり切らないズッこけ感に笑えたり、序盤は渋くキメたダンディさが中盤以降に総崩れする花田五郎の支離滅裂な姿にガッカリさせられる、良い意味で。
映画音楽としても逸品な「殺しのブルース」が流れるオープニングからドコを取っても陳腐で斬新で刺激的な映像場面だらけ、とっ散らかったストーリーが破天荒極まりなく、最後はリングの上、米を炊いた匂いで昇天する気狂いでド変態な発想にビックリ仰天!!?
映像の斬新さを楽しむ映画
物語はなんとなくある
だがそれを追い求める映画ではない
映像の斬新さを楽しむ映画だ
こんな斬新なフィルムノワールの映画を日本の誰が他に撮れるというのか
いや世界を見渡したっていやしない
ヌーベルバーグの監督達が高く評価するのは当たり前だと思う
だけど、プログラムピクチャーとして一定の興行成績を収めることを求める立場なら何を考えてるんだとなるのは当然かも知れない
特典映像の宍戸錠のインタビューで、鈴木清順監督は本作でプログラムピクチャーの監督として落第の烙印を押されたと語っている
白米を炊飯する匂いに勃起するという設定が、無国籍の中にあって、映像的に辛うじて日本につなぎ止めている
これはアニメのルパン三世にも通じる工夫だろう
宍戸錠も素晴らしいが、やはり真理アンヌの印象で頭の中が一杯になってしまう
エースのジョーも清順には敵わなかったのか…
宍戸錠が死んで、矢作俊彦が追悼文をA新聞に掲載した。だから観たんだけれど…鈴木清順が監督だとは思わなかった。相変わらずのわけのわからない映画になってしまっていたし、宍戸錠の苦笑が目に浮かんだ。
女に惚れてはいけないんじゃないのかエースのジョー。しかしこの情けなさがやけにしっくりくりしていたので鈴木清順はやっぱり凄いのか?はたまた、宍戸錠が間抜けなのか?いずれにしても、宍戸錠の役者としての行末をピタリと当ててしまった様な気がした。
痛みはやがて笑いになるのだ。
追悼・宍戸錠
タクシー運転手をしていた春日(南廣)。彼もまた殺し屋だったのだが、ミスしたことによりランキングから外れてしまった。そして花田(宍戸)に仕事を世話してくれと頼むシーンから・・・仕事は、ある組織のVIPを護送する内容。“お客さん”などと呼んでいたから、タクシーの癖で客を拾ってしまったんじゃないかと勘違いしてしまった。それもどこかの評にカルト作品と書いてあったせいだ(笑)
その護送の仕事も他の殺し屋から狙われっぱなし。お客さんまでもがドンパチに加わることに違和感があったのだが、後半になって氷解。殺し屋の世界ではナンバー1は謎の人物とされており、ランキング内でもごくわずかの人間しか知り合いではないのだ。ナンバー2、ナンバー4の襲撃を受け、春日は殺されてしまう・・・。
着々と仕事をこなす花田であったが、最後の一人、外国人の襲撃に失敗。謎の美女・中条美沙子(真理アンヌ)の依頼に応えることができなかった。そんな美沙子に惚れてしまった花田だが、妻(小川)からも命を狙われ、美沙子の家へと逃げてゆく。
ナンバー1が誰なのかわからないまま、命を狙われ続ける花田。やがて美沙子が拉致され、殺し屋たちとの直接対決。そしてナンバー1がついに名乗ってきたのだが、それが護送したお客さんだったわけだ。彼は美沙子の部屋に住みついた花田のもとに現れ、奇妙な共同生活を始める。ついにボクシング会場で対決することになるが、相討ち。しかも、包帯だらけで現れた美沙子まで撃ってしまう。
共同生活を始めるまでは普通のギャングアクション映画といった感じで、ところどころにヌーベルバーグ作品を感じさせる編集がなされている。小川とのエロいシーンも満載で、真理アンヌのヌードもある。殺し屋稼業という非情な世界なのに、周知の妻がいることも不自然だし、共同生活をするナンバー1の大類(南原宏治)のキャラが可笑しすぎる。クールなはずが、互いに拳銃で撃ち合わないストイック生活のためか、小便をもらしても平気な奴なのだ(笑)。日活のヒーローものとは違い、みんな死んでしまうところは評価できるが、この難解作品のため日活をクビになったとは・・・鈴木清順。
拷問だった
この監督は話をいっぺんぶっ壊すのが好きだそうだが・・・壊れっぱなしで終わった映画だった。
普通の映画な感じで面白く見れたのは最初の30分だけで、そこから芸術が始まり、だんだん見てるのが辛くなった。一時間過ぎたあたりで
早く終わってくれーっ!
ってなった。
・・・最後まで見終わって拷問を受けた気分がした。
♪男前の殺し屋は香水の匂いがした〜 曲がったネクタイを気にして死んだ〜
鈴木清順の1967年の作品。
「訳の分からない映画を撮る奴は要らない」と日活を解雇される原因となった作品でもある。
日本映画に残るカルト作としても有名で、どんな物か是非見たいと思っていて、この程遂に鑑賞。
率直な感想は…確かにこれは訳が分からない!(笑)
大まかなあらすじは、殺し屋ランキング3位の男が、たった一度の失敗で組織から命を狙われる…というもの。
なのにこれが、なかなか筋書き通り事が進まない。
スタイリッシュ&クールにこだわった映像、飯の炊ける匂いが好きという特異な主人公、当時としてはかなり大胆なエロ描写…。
王道の日活アクションやハードボイルドを期待したら、そりゃ怒られるわ(笑)
ただ時代が早かっただけ。
自分も何だかんだ言って、この特異な作風がクセになってしまいそうだった。
変わってはいるけど、それでいてちゃんと“格好いい”映画に仕上がっている。
また、石原裕次郎でもなく小林旭でもなく、宍戸錠だから成り立った。
クールビューティー過ぎる真理アンヌに悩殺される事必至!
気付いたら今や日本映画界の重鎮、鈴木清順の“異端の巨匠”としての地位は、ここから始まった!
それから、あの主題歌。
耳にこびり付いて離れない!
何だこれは?という快感
鈴木清順の1967年モノクロ映画。
訳のわからん映画を作る、と言われて日活を解雇されただけのことはある。
荒唐無稽&ドライな殺し屋を描くかと思わせて前衛タッチで濡れ場を描く。
ナンセンスな展開をみせたかと思えば 唯々わからないショットも。
そこを楽しめるかどうかを問われてる感じだ。
モノクロ映像の宍戸錠をはじめ役者はみんなイイ。女優の裸も出し惜しみなし。
カルトに成るべくしてなった映画だ。
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