殺しの烙印

劇場公開日:

解説

新人の具流八郎がシナリオを執筆し、「けんかえれじい」の鈴木清順が監督したアクションもの。撮影は「続東京流れ者 海は真赤な恋の色」の永塚一栄。

1967年製作/91分/日本
原題:Branded to Kill
配給:日活
劇場公開日:1967年6月15日

ストーリー

プロの殺し屋としてNO3にランクされている花田は、五百万円の報酬である組織の幹部を護送する途中、NO2とNO4らの一味に襲撃された。花田の相棒春日は倒れたが、組織の男の拳銃の腕前はすばらしいもので、危うく危機を脱した花田は、その男を無事目的地に送り届けた。仕事を終えたあとの花田は緊張感から解放されたためか、妻の真美と野獣のように抱き合うのだった。ある日、花田は薮原から殺しの依頼を受けた。しかも、四人を殺して欲しいというのだ。花田は自分の持つ最高のテクニックを用いて、次々と指名の人間を消していった。しかし、最後の一人である外国人を殺すのに手間どり、結局失敗してしまった。殺し屋に失敗は許されない。組織は女殺し屋美沙子を差向けてきた。家に逃げ帰った花田に妻の真美が拳銃を向けた。真美も殺し屋だったのだ。九死に一生を得た花田は美沙子のアパートに転げこんだ。そんな花田を美沙子は射つことが出来なかった。その夜、二人は殺し屋の宿命におびえながらお互いを求めあった。やがて花田殺しに失敗した美沙子は組織に捕われ、彼女を救いに行った花田は組織の連中と対決したが、そこに現われたのは、かつて花田が護送した男大類だった。大類こそ、幻の殺し屋といわれるNO1なのだ。大類は対決の場所として後楽園ジムを指定した。花田は腕は大類の方が一枚上であることを悟り、捨身戦法で対決しようと覚悟した。それが効を奏し、大類は花田に倒されたが、花田も大類の一弾を受けていた。ジムの中によろめき立っている花田の前に美沙子が現われたが、すでにその見分けのつかない花田は彼女を射った。そして花田も、「NO1は誰だ!」と絶叫してその場に崩れ落ちていった。

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映画レビュー

5.0アバンギャルドな道化師たちの狂宴

2023年6月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

鈴木清順は凄いですね
ここまで自己表現を完遂した監督も数少ないんじゃないでしょうか
チゴイネルワイゼンの下地がここかしこに見えます
しっかりしたストーリーテラーを好む方は、この映画の規格外れの出来に違和感を覚えるでしょう。
わたしはこの手の作品は大好物です。
何回も見返したい傑作です。
4K版を作ってくれてありがとうございます。

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ちゆう

3.5マジで意味はわからんけど、すごかった。

2023年1月8日
iPhoneアプリから投稿

空間の使い方がうまい。
各シーンが美術的にこだわって丁寧に作られていることがわかる。

しかし、話がよくわからない。
わかりそうで、わからない。

それと。
やはり昔の価値観で作られた映画。
その部分で乗れないことが多いので、入り込めることも少なくなった。

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JYARI

4.5「鈴木清順問題共闘会議」

2021年4月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

笑える

楽しい

興奮

"STYLE TO KILL"鈴木清順レトロスペクティヴー殺しのスタイルー
仙台フォーラムにて初鑑賞、、、今回は久々の鑑賞で何度観ても度肝を抜かれる!!!

突拍子もない独特な演出描写は鈴木清順の過去作にもチラホラと物語はわかりやすく単純でもあったり、美術で関わった木村威夫や清順も含めた"具流八郎"名義での脚本が物語を複雑に理解しずらい物へと!?

前置きも程々にテンポよく進む展開と宍戸錠が演じる花田五郎のアクが強いキャラクター像、全体的に凝ったディテールの数々、ハードボイルドになり切らないズッこけ感に笑えたり、序盤は渋くキメたダンディさが中盤以降に総崩れする花田五郎の支離滅裂な姿にガッカリさせられる、良い意味で。

映画音楽としても逸品な「殺しのブルース」が流れるオープニングからドコを取っても陳腐で斬新で刺激的な映像場面だらけ、とっ散らかったストーリーが破天荒極まりなく、最後はリングの上、米を炊いた匂いで昇天する気狂いでド変態な発想にビックリ仰天!!?

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万年 東一

4.0映像の斬新さを楽しむ映画

2020年3月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

物語はなんとなくある
だがそれを追い求める映画ではない
映像の斬新さを楽しむ映画だ
こんな斬新なフィルムノワールの映画を日本の誰が他に撮れるというのか
いや世界を見渡したっていやしない
ヌーベルバーグの監督達が高く評価するのは当たり前だと思う

だけど、プログラムピクチャーとして一定の興行成績を収めることを求める立場なら何を考えてるんだとなるのは当然かも知れない
特典映像の宍戸錠のインタビューで、鈴木清順監督は本作でプログラムピクチャーの監督として落第の烙印を押されたと語っている

白米を炊飯する匂いに勃起するという設定が、無国籍の中にあって、映像的に辛うじて日本につなぎ止めている
これはアニメのルパン三世にも通じる工夫だろう

宍戸錠も素晴らしいが、やはり真理アンヌの印象で頭の中が一杯になってしまう

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あき240
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