子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎

劇場公開日:1974年4月24日

解説

“子連れ狼”シリーズ第六作目。柳生一族の陰謀のために妻を殺され、怨念の旅を続け、冥府魔道に生きる拝一刀、大五郎親子を描く。脚本は「子連れ狼 冥府魔道」の中村努、監督は「海兵四号生徒」の黒田義之、撮影は「御用牙 鬼の半蔵やわ肌小判」の牧浦地志がそれぞれ担当。

1974年製作/84分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1974年4月24日

あらすじ

江戸の柳生邸では、三人の息子を失った烈堂が、最後の切り札、一人娘・香織の“お手玉の剣”で拝一刀必殺を狙っていた。“お手玉の剣”とは、剣を二本持ち敵と相対し、一本を空中に放り投げ、相手が落下してくる剣を交わそりうとすれば、今一つの剣でその虚をつき、その剣を交わそうとすれば、落下してくる剣で倒す、というのである。その頃、拝一刀と大五郎は、拝家の菩提寺西生寺に墓参のため山陽道を京都に向っていた。西生寺では、烈堂配下の黒鍬衆が待伏せていたが、一刀は、箱車の連発銃で全滅させた。そして一刀は大五郎に言った。「母の墓前に誓おうぞ大五郎、今こそ、柳生烈堂を討つ!」。やがて、一力父子と香織は、京のはずれで対峙した。一刀は大五郎を肩車にして身構え、香織は一刀めがけ突っ走り、短剣を水平に投げた。その短剣を交わした一刀の胴太貫が一閃。香織は、大五郎の可愛さにお手玉の剣を使えなかったのだった。香織の死を知った烈堂は、土蜘珠族の総帥で、烈堂の子で妾腹であるが故に屋敷を追われた土蜘蛛兵衛を頼った。兵衛は、土蜘蛛族出陣の儀式で、土を掘り返して棺から三人の戦士、無常、無我、無門を蘇らせ、拝一刀殺害を命じた。三人は、一刀に「うぬら父子の行く所、関わりのない者が死ぬ」と警告し、一刀の泊まった旅篭の客を皆殺しにした。やがて、琵琶湖で、土蜘株族をひきいた兵衛は一刀を迎え撃った。さしもの一刀も危機に落入るが、一刀は、兵衛の武士としての誇りに巧みにつけ入り、一対一の勝負に挑ませ、兵衛を倒した。深手を負った兵衛は、土蜘蛛の館に戻り、妹・梓に土蜘株の血を絶やさぬように自分の子を生め、と迫った。しかし、急を聞きかけつけた烈堂は、兵衛と梓を斬った。「オロカ者めが!武士の、勝負のと、拝一刀を討ちとれたのに!」そして烈堂は、黒鍬、土蜘珠族の総力を結集して陣頭指揮をとることにした。樹氷がきらめく大雪源に、大五郎を乗せた箱車に橇をつけた一刀が行く。やがて、山の稜線より烈堂率いるスキーをつけた黒鍬衆が現われ、雪の山腹で、橇とスキーの壮絶な大殺陣が展開されていく……。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

3.5 公儀介錯人、冥府魔道〜本作ならではの世界観

2025年10月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

斬新

1974年公開、配給・東宝。勝プロダクション製作。

【監督】:黒田義之
【脚本】:中村努
【原作】:小池一雄、小島剛夕〜『子連れ狼』

主な配役
【拝一刀】:若山富三郎
【柳生烈堂】:大木実
【土蜘蛛兵衛】:木村功
【柳生香織】:瞳順子
【拝大五郎】:富川晶宏

◆「公儀介錯人」「冥府魔道」〜劇画原作の時代劇

私は原作の劇画を読んだことがない。
テレビ版は、おそらく全て観た。

「公儀介錯人」の座を巡る、拝一刀と裏柳生の死闘。
「冥府魔道」を歩む拝一刀と大五郎親子。

「3分間、待つのだぞ」「じっと我慢の子であった」
ボンカレーのCMにパロディも登場した。

武装乳母車のアイデアも面白い。

・仕込み槍
・連射可能な火縄銃?ガトリング銃?
・雪ゾリ化!

まさに万能な仕掛けだ。

◆若山富三郎と萬屋錦之介

勝新太郎の兄、若山富三郎バージョンは重厚だ。
撮影時45歳。
無敵の剣豪感が画面から漂う。

個人的には、錦之助の拝一刀が好きだ。
目元のメイク(アイシャドー)が印象的だった。
介錯人の陰影が現れていた。

◆展開が早くてよき

2本の小太刀をお手玉のように操る柳生香織。
土蜘蛛一族に育てられた長兄・兵衛。

土蜘蛛たちは、拝一刀親子に関わったすべての者を殺戮し、精神的に追い詰めていく。

・路傍で雑談した鳥追女(とりおいおんな)
・親子に飴を売った男
・旅籠の者すべて

なかなかハードで、それでいてスピーディーな展開だ。
テレビの影響かもしれないが不要な間がなく好きだ。

◆まとめ
裏柳生の策略で、妻の薊(あざみ)を失い、
公儀介錯人の座も失った。
裏柳生の総帥・柳生烈堂の子達をひとりずつ亡き者にし、ついにすべて討ち果たした。

続編を匂わせながらもシリーズ最終作となった本作。
若山一刀の集大成と言えよう。

なにげに、大木実の烈堂も捨てがたい。

薄暗い画面、
おどろおどろしい音楽、
妖しげな剣法(忍法?)、
機関銃に迫撃砲、
スキー侍、、、

「わが種を宿せ! 梓!」
兵衛の最期は笑うところか?

☆3.5

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Haihai

2.5 もはや007

2025年4月28日
iPhoneアプリから投稿

笑える

脚本構成がヒッチャカメッチャカで
列堂との決着もつかずモヤモヤが残るばかり
雪の上では宍戸大全さんも殺陣のつけようが無い感じでシリーズの肝である殺陣もスピードと迫力に欠ける⤵︎
そもそも柳生一族弱すぎるぞ
なぜ三隅監督じゃ無いのでしょうか、残念

コメントする (0件)
共感した! 1件)
映爺

3.0 スキー時代劇

2025年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

興奮

柳生家と子連れ狼との戦いも終盤、柳生はことごとく敗れ、最後の娘もあえなく・・・。
この作品はドラマよりもラストの柳生烈堂一派と子連れ狼との決戦がすべてで、雪の中を縦横無尽に斬り合い、よくぞ撮影できたものと感心するやら呆れるやら、でも面白かった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
いやよセブン

2.0 玉石混交すぎたシリーズの終焉

2025年4月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
TRINITY:The Righthanded Devil