「私の原点」ゴジラVSスペースゴジラ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
私の原点
ゴジラ・シリーズ第21作(VSシリーズ第5作)。
"ゴールデン洋画劇場" で鑑賞(録画)。
コミカライズは未読。
おそらく人生で初めて観た映画だ。本作がきっかけで、ゴジラのファンになった。映画を好きになった原点でもある。
3歳の頃、父の膝の上で観たことを微かに覚えている。
録画したビデオを毎日のように観ていた。ビデオデッキの使い方が分からなくて仕事中の親に泣きながら電話した。
原点と言えば、ゴジラが好きになったことで講談社の「ゴジラ超全集」が愛読書となり、読書好きの下地となった。
ゴジラがきっかけで特撮と云うジャンルを知り、ガメラやウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊へと繋がった。
ゴジラがきっかけで東宝を知り他の東宝怪獣も好きになり、特撮映画で目にする東宝専属俳優が顔なじみになった。
本多猪四郎や円谷英二の名を覚え、東宝繋がりで黒澤明と云う監督を知り、様様な名作映画たちを観るようになった。
祖父の影響で刑事ドラマを好きになった私は、後に本作の脚本・柏原寛司が「あぶない刑事」の脚本家であると知った。
本作が起点となって私の「好き」の枝葉が伸び、繋がりを生んだ。今の私をつくり上げたと言っても過言ではない本作は紛れも無く、私の原点である。最も想い入れの強い映画だ。
VSシリーズで唯一、ゴジラが善玉的に描かれているのが特徴。同族のリトルゴジラをスペースゴジラのコロナ・ビームから庇う姿にうるっとした。ゴジラにも愛情があると知った。
最終決戦ではMOGERAと共同戦線を展開し、共通の敵であるスペースゴジラと死闘を繰り広げた。川北紘一特技監督によるダイナミックな特撮が素晴らしいことこの上無い。
急遽製作が決定した中での短い製作期間だったのにも関わらず、試行錯誤してつくり上げられた特撮シーンは、見事と言う他ない。初見時3歳の私は一気に魅了されたのであった。
ドラマパートでは三枝未希が初めてヒロインとして扱われたことがポイント。新城とのラブロマンスがエモーショナルだ。
結城と千夏の大人な恋愛模様も良い。結城がMOGERAに搭乗する直前ライターのオイル補給を頼むシーンが好きだ。
「必ず帰って来る」と直接言わないのがイカしている。
脚本が柏原寛司なだけあって、アダルトな感じがするのも頷ける。珍しくガンアクションもあり、柏原脚本のカラーがかなり出ている。セリフも粋なものが多いような気がした。
ファンの間では賛否両論な本作だが、個人的には非常に想い出深い。多分に想い出補正が入っていることは認めるが、それを抜きにしても、大好きだと声を大にして言える作品だ。
[追記(2019/02/17)]
「結城のヤツ…」とよく言う麻生司令官は結城を信頼しているんだなと改めて感じた。結城も麻生を慕っているし、大人な男の関係を描かせたら柏原寛司の右に出る者はいない。
[以降の鑑賞記録]
1997~2010:テレビ放映を録画したVHS
2016/? ?/? ?:DVD
2018/10/07:Blu-ray
2019/02/17:Blu-ray
2019/10/09:Amazon Prime Video
2020/12/10:Netflix
2022/10/30:Blu-ray
2023/12/10:Blu-ray
2024/01/01:ムービープラス
2024/12/15:Blu-ray
※修正(2024/12/15)