「生物としてのゴジラ、生命の神秘、ノンストップな展開、伊福部昭の音楽…見所多し!」ゴジラVSメカゴジラ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
生物としてのゴジラ、生命の神秘、ノンストップな展開、伊福部昭の音楽…見所多し!
シリーズ20作目。
ゴジラ生誕40周年。
記念すべき本作の相手は、メカゴジラ。
奇しくも20年前の生誕20周年作の相手もメカゴジラで、何やら因縁を感じる。
今回のメカゴジラは、人類が開発した対ゴジラ兵器。
未来人の置き土産であるメカキングギドラをベースに、多くの兵器のエッセンスを取り入れた、究極の対ゴジラ戦闘マシン。
ゴジラの熱線を増幅して跳ね返したり、ゴジラの泣き所である第2の脳を破壊したりと、旧メカゴジラ同様、ゴジラを徹底的に苦しめる。
記念作だけあって、見所が沢山。
まずは、26年振りの復活となるラドン。
今回のラドン、ラストのゴジラの勝利に一役買ったりと、ドラマチック。
ゴジラやメカゴジラのやられ役に徹しているが、ちゃんと見せ場や魅力も設けられている。
そして、ベビーゴジラ。
あのミ○ラのような存在かと思いきや、ゴジラの生物としての魅力を色濃くしたり、ストーリーもベビーゴジラを軸に展開したりと重要ポジション。
今回のゴジラは、一体の“生物”として強く描かれている。
同種のベビーゴジラを求めて現れるのも生物の本能。ラスト、ゴジラがラドンの生命エネルギーを与えられ復活するのは生命の神秘。
メカが対戦相手だけに、生物としての姿が強調されているのが印象的だ。
前作がファンタスティックな女の子向きならば、本作はバトルに次ぐバトルの男の子向き。
主人公たちがゴジラと直接戦う精鋭部隊という点からも分かる。
本編・特撮がバランス良く融合し、テンポ良く、最後までノンストップで飽きさせない。
もう一つ、注目点を挙げるとすれば、伊福部昭の音楽。
“新メカゴジラのテーマ”“Gフォースマーチ”は全く新しい新曲で、ダイナミックで格好いい。
この時すでに老齢でありながら、その作曲家精神に脱帽。