「もうゴジラは作られることは無い 本当にゴジラは終わったのだ そう誰もが納得できる素晴らしいラストシーンだった」メカゴジラの逆襲 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
もうゴジラは作られることは無い 本当にゴジラは終わったのだ そう誰もが納得できる素晴らしいラストシーンだった
あーあ、ガッカリだ
なんだよこれは、凄く期待してたのにトホホだよ
これが偽らざるゴジラファンの声だったと思う
だからシリーズ最低の動員数になってしまい、低迷していたゴジラシリーズをとうとう打ち切りに追い込んでしまったのだ
前作で登場したメカゴジラのインパクトは凄まじく
人気は高く関連グッズのセールスも好調
そのメカゴジラが、次回作の本作ではメインタイトルに単独で表記されている!
監督はゴジラシリーズの黄金期の全てを監督したあの本多猪四郎監督が64歳にして復帰する
音楽はもちろん伊福部昭!
原点回帰!これなら絶対に面白いことは間違い無い!
その期待が裏切られてしまったのだ
この布陣でこれなら一体どうすればいいのか?
もう駄目だ、絶望だあ~
この思いにとらわれてしまう
特撮は中野昭慶特技監督が担当しているのは、この時代のほぼ全作品を担当しているので当然だ
しかし、前作で大いに貢献した川北紘一の名前はない
何故かは分からない
からだは空いていたはずの時期だと思うのだが
とはいえ特撮は、メカゴジラの市街地破壊シーンなどなかなか良いシーンもあり駄目という訳ではない
俳優も平田昭彦、中丸忠雄、佐原健二、睦五郎と揃えているから不足はない
なのにこのガッカリ感は大変に堪える
なぜなんだ!
どうしてこんなことになってしまったのだ?
この絶望感が、栄光と伝統あるゴジラシリーズを第15作にして打ち切りに至らしめたのだ
何が駄目なのか?
それは脚本だ
なんとシナリオ学校の生徒のコンペで選ばれたものという
実績の無い若い生徒の脚本でも、素晴らしければそれで問題はない
彼女は後年一角の脚本家になっているから、本当に実力もあるのだろう
しかし本作の脚本はお世辞にも良い出来映えとは言えない
特撮ファンの心がまるで分かっていない
新怪獣をだす必要は一体どこにある?
そのことは東宝側のコンペの条件だったのだろうか?
そんな新怪獣なんかどうでもいい
テレビでは毎週毎週新怪獣がどの番組でも登場するのだ
そんなものもう誰も見たくもない
見たいのはメカゴジラなのだ
ええい!チタノザウルスはいい
メカゴジラを映せ!、メカゴジラの戦いぶりを!
誰もがこう思ったはずだ
なぜ、前作の続きという設定のはずなのに、物語が微妙に異なってしまうのか?
前作の主要登場人物の俳優を全く別の役で配役するのも無理がある
アンドロイド桂は面白いが付け足しにすぎる
プロデューサーの責任だとおもう
こんな脚本で映画を撮らされ、配役をさせられる方が可哀想だ、気の毒だ
ラストシーン
夕陽の中、黄金の煌めきに染まる大海原をゴジラは後ろ姿で去っていく
終わってしまった
1954年の映画のイノベーションであった初代ゴジラから21年、15作も続いたゴジラシリーズはこの溜め息のでるほどに美しいシーンで締めくくられた
このシーンが本作で一番良かったというのは皮肉だ
もうゴジラは作られることは無い
本当にゴジラは終わったのだ
そう誰もが納得できる素晴らしいラストシーンだった
1975年3月15日公開
2週間後の同年3月30日「宇宙戦艦ヤマト」最終回放映
怪獣特撮は終わり、SFアニメは立ち上がろうとしていた
1975年春
庵野秀明氏は15歳、樋口真嗣氏はまだ10歳だった
こうして日本はスター・ウォーズと未知との遭遇の二隻の黒船を1978年に迎えようとしていたのだ