「全身が武器のすごいヤツ!」ゴジラ対メカゴジラ しゅうへい(syu32)さんの映画レビュー(感想・評価)
全身が武器のすごいヤツ!
ゴジラシリーズ第14作。
ゴジラ生誕20周年記念作品。
「東宝チャンピオンまつり」で公開。
DVDで3回目の鑑賞。
今なお絶大な人気を誇るロボット怪獣メカゴジラが初登場! ブラックホール第三惑星人の侵略兵器として、ゴジラに襲い掛かりました。全身に武器が仕込まれたメカゴジラは、その圧倒的な火力でゴジラを絶体絶命のピンチに追い込んだ強敵。スペースビーム、フィンガーミサイル、クロスアタックビーム―何と抜群なネーミングセンスなのでしょう!(笑) 強力過ぎるライバルの登場に、ゴジラはある必殺技を会得して決死の反撃に転じることに…。その方法とは…観てのお楽しみですが、誠に奇想天外なのでもはや何でもあり感が強い…(笑)
メカゴジラが初めて現れたときには、ゴジラに化けていました(その必要性に疑問を持ったら負けです(笑))。富士山の噴火と共に出現し進撃を開始しましたが、その前に立ち塞がったのが暴竜アンギラス! 「ゴジラの逆襲」から19年ぶりにゴジラ対アンギラスの戦いが行われました。ファンにとっては嬉しい演出でした! 人類はそこで仲間同士である2頭が戦うのはおかしいと疑問に思うわけです(笑) 軍配はニセ・ゴジラに上がりましたが、アンギラスがあまりにも不憫…。
続いて、コンビナート地帯で本家ゴジラとニセ・ゴジラの直接対決に雪崩れ込みました。“ゴジラ対ゴジラ”という誰もが夢想したであろう対決! 場所がコンビナートということもあり、「東宝チャンピオンまつり」時期のゴジラ映画では珍しく、中野昭慶特技監督お得意の火薬増し増しで描かれる迫力の爆破シーンが展開されて凄まじい限り! さらに沖縄最終決戦では、メカゴジラのオールウェポン攻撃に曝されるゴジラの周りでもこれでもかというぐらいの爆発の嵐が吹き荒れました! 20周年ということで予算が上がったの?(笑)
ゴジラの助っ人として、沖縄の守護神キングシーサーが登場。素早いアクロバティックな戦法でメカゴジラを翻弄。右目でビームを吸収し左目で撃ち返すという能力もあり、光線技の応酬が鮮やかな限りでした…。琉球王朝の王族の血を引く女性(ベルベラ・リーン)が歌う「ミヤラビの祈り」の力で復活しました。が、ここで言いたくなるのが、キングシーサーという名前と歌の歌詞がどうにかならなかったのかな、ということ…。
キングシーサー―安直過ぎやしないかい? 沖縄の古くからの言葉で“王”を意味する単語か何かにした方が雰囲気が出たんじゃないかなと思いました(調べましたが分かりませんでした…)。歌詞も沖縄の方言にした方が良かったのではないかなぁ、と…。きちんと現地の言葉で書かれた「モスラの歌」みたく…。おもいっきり標準語なので、初めて観たときはガクッと来ました(笑) しかもきっちり2番まで歌わないと復活しない…。こだわるなよ、キングシーサー!(笑) 時間も予算も少ない製作だったから仕方の無いことかもしれませんが、こうして欲しかったなという要望は尽きません…(笑)
キャストに平田昭彦や小泉博、佐原健二といった東宝特撮常連俳優が久々にカムバック。登場するだけで物語に締まりが出るような気がしました。岸田森のインターポール捜査官も渋くてカッコ良かったです。できる男という感じがしました。ニヒルな雰囲気が堪りません…(笑) 意外とゴジラ映画出演は本作のみ。後は吸血鬼の役か怪奇な事件を科学捜査していて、そちらはそちらでまたカッコいいぜ!(笑)
それにしても、ブラックホール第三惑星人がめちゃくちゃおマヌケなのよねぇ…(笑) 一度見破られた合言葉をそのまま使い続けるなんて、とてもお茶目な宇宙人…(笑)
「アルファ!」「ケンタウロス!」(笑)
当時開催されていた「沖縄海洋博」や「さんふらわぁ号」との完全タイアップなので沖縄ロケ代はタダだそうな。そういう理由で沖縄が舞台になりましたが、国頭老人がゴジラに「わしの代わりに、ヤマトンチュを懲らしめてくれ!」と叫んだシーンに、考えさせられるものがありました…。
低予算時期のゴジラなので、脚本にやや難があったり、至るところで「ん?」となる部分はありましたが、お祭り感覚が漲っていたので、肩肘張らず楽しめる作品だなと思いました。
※鑑賞記録
2020/04/17:Amazonプライム・ビデオで鑑賞