「「テレビ全盛・変身/昆虫/ロボットアニメブームが色濃い、ゴジラシリーズで唯一メインキャストに女性が存在しない作品」」ゴジラ対メガロ 菊千代さんの映画レビュー(感想・評価)
「テレビ全盛・変身/昆虫/ロボットアニメブームが色濃い、ゴジラシリーズで唯一メインキャストに女性が存在しない作品」
★独自採点(25):メインはジェットジャガー!チャンピオン祭リ作品、超低予算・短期間(30日)で制作された為過去作の流用が多い。
制作田中友幸、監督福田純、特技中野昭慶(クレジットとしては特殊技術)、音楽真鍋理一郎、造形安丸信行
通称:メガロゴジ・登場怪獣:メガロ/ジェットジャガー/ガイガン/シートピア海底王国人・防衛:防衛隊(36分旧作流用の陸自メーサー殺獣光線車等のシーンあり)・昭和48年3月17日封切り・81分・上陸地(北山湖=本栖湖イメージ)・破壊地()・爆破炎上規模B(ダム破壊以外は流用)
前年からの田中内閣列島改造ブームによりインフレが社会問題化、またこの年はオイルショックも重なり狂乱物価になり映画産業はかつてないほどに打撃を受ける。東宝は前年の自主制作映画がことごとく失敗し大苦境の中超低予算で制作された。時代はテレビ全盛・変身/昆虫/ロボットアニメブームもあり産まれたメガロとアクションできるジェットジャガーが登場したのは必然といえよう。低予算ながらテレビ出演もあったゴジラの造形は目がクリッとして柔和なイメージ、丁寧な造形は映画クオリティを保っている(動きや登場シーンの音楽も軽快、登場時の動きはちょっとブルースリーを意識したかのよう)。本作ではガイガン・メガロの敵怪獣と最初戦うのはジェットジャガーだけでゴジラはしばらく戦わなず後から加勢する形で登場、ゴジラのドロップキックは格闘の見せ場、有名な『木枯らし紋次郎』『座頭市』を真似たシーンは本編にはなくスチールのみ。
予算もあり決戦シーンでは何もない荒野しか用意できなかったが、冒頭のアスカ島核実験の爆破シーンや決戦シーンの火炎は中々、メガロがダムを破壊するシーンは一点豪華主義の見せ場となっている。
スーツは新造形・海ゴジラ海上を泳ぐシーンは発泡ウレタン(カポック)製を使用し上半身のみ利用されている。また、怪獣島から駆けつける際海に飛び込むシーンは南海ゴジが飛び込む旧作シーンを左右反転させて流用、昭和ゴジラは流用が多いがそれを発見する楽しみもある。
時代:ゴジラ対メガロ・日本沈没(12月公開)(封切料金¥800※実勢価格約半額)仮面ライダーV3・マジンガーZ放映、オイル・ショック、光化学スモッグ報告年300日、71〜74第二次ベビーブーム、カラーテレビ普及率75%超え、同棲ブーム、海外旅行者200万人突破 海外旅行ブーム、コインロッカーに乳幼児を遺棄する事件が多発、読売ジャイアンツV9達成
<ファッション>
スニーカー、ジーンズスタイル大流行
<ヒット商品>
オセロゲーム、ごきぶりホイホイ
<流行語>
省エネ、「せまい日本、そんなにいそいでどこへ行く」「ちょっとだけよ」「あんたも好きネ」
ソク(「即席」の「即」で「すぐ、即座」の意味。即席カレーのCMから)
<ベストセラー・コミック・雑誌>
「日本沈没」小松左京
「ノストラダムスの大予言」五島勉
音楽
「神田川」南こうせつとかぐや姫
「危険なふたり」沢田研二
「あなた」小坂明子
「心の旅」チューリップ
「恋のダイヤル6700」フィンガー5
「ひこうき雲」荒井由実(1stアルバム)
映画・演劇・テレビ・CM
「仁義なき戦い」監督:深作欣二
「津軽じょんがら節」監督:斉藤耕一
「燃えよドラゴン」監督:ロバート・クローズ
「エクソシスト」監督:ウィリアム・フリードキン
「日本沈没」監督:森谷司郎
『8時だョ!全員集合』
『子連れ狼』
『マジンガーZ』
蛭子能収、漫画家デビュー
好きなショット:ゴジラが助っ人登場したシーン