ゴジラ対ヘドラのレビュー・感想・評価
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シン・ヘドラ待ってます
昭和ゴジラシリーズ11作目
もはや説明不要の大人気怪獣(?)ヘドラの作品
不穏なオープニングから始まり、不気味なヘドラが全編に渡って登場し、徐々に進化を遂げていく
ヘドラのヘドロを受けて白骨になるシーンなど、ショッキングなシーンも多い
子供の頃、VHSで見た時怖かったなぁ…
当時の公害問題を前面に出しており、社会風刺も効いている
その対比でヒーロー役に徹しているゴジラが空を飛んだりユーモア溢れており、とてもかわいい
SDGsが叫ばれている今こそヘドラを題材に一本映画を作れそうな気がする
土ヘドラ、森ヘドラ、海ヘドラ、街へドラが登場し、あらゆるヘドラが大暴れするシン・ヘドラいかがですか?庵野さん
ストーリー:☆☆☆☆★
怪獣・特撮:☆☆☆☆★
俳優の演技:☆☆☆☆★
音楽 :☆☆☆☆★
「超低予算ながらカルト的人気の秀作!レジェンダリーゴジラエグゼクティブプロヂューサー坂野義光唯一のゴジラ監督作にして異色作」
IMAX大画面で観たいゴジラ作品の一つ!
★独自採点(75):東宝チャンピオンまつり、円谷英二の没後初めて作られたカルト的人気の異色作。超低予算制作期間は5週間ながら生まれた驚異的作品(同じスタジオで二班同時に毎日30カット、凄すぎ)
特技主要スタッフのほとんどが東宝を辞職もしくは異動させられるなど、当時の東宝特撮の現場はほぼ崩壊状態のなかミニチュアはほとんどあり物のかき集め、ロケも開通前の環八で撮影など撮影途中で予算が尽きたがなんとか完成した奇跡の作品。予算が無い中制作田中の「これをやらなければもうゴジラは撮れない、なんとか撮る方法を見つけられないか?」という思いと、一度は特殊技術課を解体したが円谷英二の残した技術をなくすのはまずいという思いが強くなったエポックメイキングな作品。本作から実質爆破の中野こと中野昭慶が実質特技デビュー(日本沈没73’・対メカゴジラ74’以降からスケールアップ!)
制作田中友幸、監督坂野義光、特技中野昭慶(監督扱いではないが実質三代目ゴジラ特技監督の最初の作品)、音楽真鍋理一郎
通称:総進撃ゴジ流用(ヘドゴジ)・登場怪獣:ヘドラ(水中期・上陸期・飛行期・完全期)・防衛:自衛隊(63’自衛隊ヘリヘドラ討伐のため)・昭和46年7月24日封切り・85分・上陸地(田子ノ浦)・破壊地(富士市工業地帯・富士裾野)・特撮爆破炎上破壊規模A
飛行形態となって逃げるヘドラを追うゴジラの飛行シーンは賛否両論となったが、ヘドロ怪獣ヘドラ(井上泰幸デザイン)や当時流行のサイケデリックな映像などはいま見ても面白い、劇中でヘドラのアニメーションが出たり、従来の昭和ゴジラ作品のような防衛隊などの架空組織ではなく、自衛隊が久々に自衛隊の名前で登場するのも特徴である。前作が超子供向け作品だったことからは若干異なり70年代の公害問題を含んだテーマやヘドラのキャラクターデザインは大人も十分楽しめる出来で素晴らしい。コンビナートの爆破シーンの特撮なども迫力があり、個人的には昭和ゴジラの中でも大画面で見たい作品。ヘドラのヘドリューム光線に対抗したのかゴジラがスペシウム光線ポーズをとるシーンがあったりしたのも面白い。昭和ゴジラで怪獣タイマン対決は、『キングコング対ゴジラ』(1962年)のキングコング以来9年ぶり。
ラストの攻防、自衛隊が建造した巨大電極板にゴジラが火炎を放射、電流が流れ高圧電流を受けてヘドラが乾燥して一旦倒れる、体内からは一回り小さなヘドラが出現し、飛行して逃亡するヘドラをゴジラは放射能火炎を推進力として用いた飛行で追跡して墜落させ、再び電極板の間に押し込みながらその身をむしり、高圧電流と放射能火炎で完全に乾燥させて駆逐すると言う相当思い切った演出をみせ、「みどりを 青空を 青い海を 命を 太陽を 返せ」の歌の後、人間たちの一部である自衛隊員たちを睨みつけてから大地の果てへと帰っていった。
印象的なラストの葛飾北斎神奈川沖浪裏のショットは空も海も綺麗だった頃の日本の象徴、その後のもう一匹?というのは公害は簡単にはなくならないという警告の意味があったそうだ。
超低予算ながら第二次怪獣ブームもあり観客動員数は174万人、東宝も一大改革を行なった年、かつ製作の田中友幸が倒れた間に撮影されたが結果として(田中からはクレームあるも)高評価。
登場:田子ノ浦・港からダイビングあり・くぼみに落ちたゴジラにヘドラがヘドロを流し込むシーンは海ゴジラ (大戦争ゴジ)ラストは富士の平原へと消えて行く。
好きなショット:ゴジラのスペシウム光線ポーズ・赤い返り血を浴びたゴジラ
時代:(封切料金¥600※実勢価格約半額)カラーテレビ普及率40%超え(NHK放送全面カラー化)、仮面ライダー・帰ってきたウルトラマン第二次怪獣ブーム、71〜74第二次ベビーブーム、淀橋浄水場跡に京王プラザホテルが開業、多摩ニュータウン入居開始
1970:日本万国博覧会開幕、よど号ハイジャック事件、東京の消費者物価が世界一、日本初の歩行者天国が銀座、新宿、池袋、浅草で実施
<ファッション>
ノーブラ旋風、スケスケルック
<ヒット商品>
セリカ(自動車)、トミカ(ミニカー)、「anan」創刊
<流行語>
ウーマン・リブ、三無主義、しらける
<映画・演劇・テレビ・CM>
「昭和残侠伝死んで貰います」監督:マキノ雅弘
「座頭市と用心棒」監督:岡本喜八
「イージー・ライダー」監督:デニス・ホッパー
「明日に向かって撃て」監督:ジョージ・ロイ・ヒル
モーレツからビューティフルへ(CM:富士ゼロックス)
ディスカバー・ジャパン(CM:国鉄)
1971:マクドナルド日本第1号店が銀座店にオープン、円変動相場制移行
<ファッション>
ポロシャツブーム
<ヒット商品>
カラオケ
<流行語>
アンノン族、脱サラ(脱サラリーマンの略で、会社をやめ、独力で事業を起こすこと)
<ベストセラー・コミック・雑誌>
「nonno」創刊
「遊」創刊
「カムイ伝」第1部終了
映画・演劇・テレビ・CM
「儀式」監督:大島渚
「栄光のル・マン」監督:リー・H・カッツィン
「小さな恋のメロディ」監督:ワリス・フセイン
「八月の濡れた砂」監督:藤田敏八
『仮面ライダー』
深夜テレビ
「23時ショー」(テレビ朝日)
社会問題をうまく調理
公開50周年を記念して渋谷パルコで展覧会が開かれているというニュースを見て再鑑賞。
エンタメ方向に舵を切ったゴジラシリーズだが公害問題を真正面に据えてヘドロ怪獣を産み出した、初代ゴジラの核実験由来と言うコンセプトに通じるものを感じて原点回帰かと期待が膨らむ。
ただ、主役はゴジラフリークの少年、ガメラの影響もあるのだろうがゴジラもすっかり子供たちのアイドル、地球の保護神に様変わり。
冒頭から汚れた海のゴミ映像に「かえせ!太陽を」という主題歌がかかる。監督の坂野義光さんの作詞だがまるでアンチ公害のシュプレヒコール。
♪~鳥も 魚も どこへいったの トンボも 蝶も どこへいったの
水銀 コバルト カドミウム ナマリ 硫酸 オキシダン シアン マンガン バナジウム クロム カリウム ストロンチュウム
汚れちまった海 汚れちまった空 生きもの みんな いなくなって 野も 山も 黙っちまった
地球の上に 誰も 誰もいなけりゃ 泣くことも出来ない かえせ かえせ かえせ かえせ
みどりを 青空を かえせ かえせ かえせ かえせ
青い海を かえせ かえせ かえせ かえせ かえせ かえせ
命を太陽を かえせ かえせ かえせ かえせ かえせ かえせ~♪
ところが劇中の若者はいたってノー天気、公害反対のゴーゴー大会を富士山麓で開いてどんちゃん騒ぎ。当時の若者文化への迎合かと思ったらヘドラに襲われ硫酸ミストで白骨化・・。
ヘドラも公害怪獣かと思ったら隕石に付着してやってきた宇宙生物由来とは、ちょと日和ったか。
オタマジャクシから変態を繰り返して空を飛ぶ、この辺はシン・ゴジラの変態のヒントになったかも・・。
相変わらず人間側は心もとない、博士のようだが一般市民にしか見えないおじさんがヘドラの生体解明や必殺兵器を考案というの非現実的、やっと自衛隊出動も肝心な時に停電で結局はゴジラにおいしいところを譲りました。
やっと倒したと思ったら復活のドッキリ、オープニングといいおまけドッキリと言いこの辺は007のフォーマットの影響を感じます。
なんと驚いたことにゴジラまでプラズマ噴き出しで空を飛ぶではありませんか。田中友幸・大プロデューサーは激怒したとか、それでもやったもの勝ち。最後は「シェーン」さながら、去りゆくゴジラを少年が見送ると言う映画フアンへのくすぐりなどサービス精神満載。
シビアな社会派コンセプトですが歌やアニメ挿入で重さを回避して軽妙に仕立てていますね、個人的には初代ゴジラのような硬派な作風が好みなのでやや失望感はありますが商業映画としては難しい時代だったのでしょう。
原点回帰狙って飛んでもない方向に飛んでった衝撃作
ゴジラ第11作目なのですが、10作目がメチャメチャ子供向けだったのに対して、本作は180度方向転換し子供にトラウマを植え付けんがばかりの内容になっています。いったい何があった制作陣!?
もうオープニングの歌からしてインパクト大!水銀コバルトカドニウム~ってこの歌今だったら多方面からクレームの嵐になりそうです。いくら公害問題を取り扱った作品といえど表現がストレート過ぎでしょう。よくPTAとかに怒られなかったなぁ。
というか駿河湾って当時はあんなに汚かったのでしょうか?あれ、本当に本物の映像?中盤ヘドロの中に赤ちゃんがいる映像流してみたり、どんだけ公害問題前面に出してきとんねん!っとツッコミ入れたくもなるのですが、本当にあれだけ汚かったら訴えたくなるかも知れません。うーん、スゴい時代だ。
そして、ヘドラがまた強い強い。下手すりゃゴジラシリーズ最強じゃないですか、あれ?頭の上を通過しただけで人間が白骨化してしまうとか危険過ぎです。そんな触るだけで危ないヤツなのにゴジラさん、わざわざ取っ組み合いしにいくとか止めてー!光線出せるんだし、岩も投げれるんだし、離れた所からの攻撃が正しい戦略ですよ!?
途中でアニメが挿入されたり、ゴーゴー踊ってる所でまたあの主題歌を歌ってたり、画面分割して公害訴えてたり、ゴジラが飛行しちゃったりと色々と印象に残るシーンの多い作品でした。当時「楽しいゴジラ」を期待して観に行った子は終わった後に涙目だったに違いない・・・
で、結局ラストに出る「そして、もう一ぴき・・・」は何だったんでしょうね?
水爆対公害…人類の過ちへの警鐘!
ゴジラ・シリーズ第11作。
Blu-rayで6回目の鑑賞。
怪獣映画だからと言って甘く見ちゃいけない。本作は子供だけでなく、大人の観賞にも充分耐え得るものです。むしろ、大人こそ観なければならない作品かもしれません。
当時社会問題となっていた公害をテーマとして採り上げ、ヘドロから誕生したヘドラと水爆が生み出したゴジラ―人類の大きな過ちが生み出した二大怪獣の死闘が描かれました。
公害以外でも、アングラな若者やゴーゴーと云った流行も描いて世相を反映し、演出面ではアニメーションを取り入れるなど、シリーズの中で異色の仕上がりとなっていました。
ヘドラとゴジラの戦いで生じた死者の数がニュースで報じられ、硫酸ミストで人間が白骨化したり、メインキャラがあっけなく死亡するなど、ハードな展開に度肝を抜かれました。
円谷英二特技監督時代には意図して避けられていた流血シーンが描かれたことも特徴的。ゴジラが右目を潰され、左手にも重症を負いつつヘドラと死闘を繰り広げました。
ヘドラの生々しさと、人類の愚かさを表現するために、あえてリアリティーを追求した描写にしたのかもしれません。
ラストシーンが忘れられない。自衛隊の手際の悪さに己の過ちの尻拭いも出来ない人間の愚かさが象徴され、人類に向けられたゴジラの鋭い眼光が全てを物語っていると思いました。
[余談]
ゴジラの飛行は…ナイなぁ…(笑)。
[以降の鑑賞記録]
2020/11/22:Amazon Prime Video
2021/12/31:日本映画専門チャンネル(4Kデジタルリマスター版)
※修正(2024/03/14)
ヘドラが気持ち悪くて良い ラストのバトルはグダグダと長いし ゴジラ...
ヘドラが気持ち悪くて良い
ラストのバトルはグダグダと長いし
ゴジラは飛ぶし よくわかんないが
公害という目の付け所が好きだ
たまに挿入されるアニメーションも好きだった
ヘドラには多くの要素が詰まっている
シリーズ11作目。
前年に円谷英二が死去。
衝撃と悲しみの中、新体制(特技監督に中野昭慶が初登板)で作られた本作は、シリーズ最大の異色作。
公害から生まれた新怪獣ヘドラと戦う。
独特の姿形、得体の知れない不気味さ、変身・成長していく様など、ゴジラを最も苦戦させた敵の一体として、その存在はシリーズの怪獣の中でも際立つ。
また、作品全体を不穏な空気が包み、シリーズでは例のないショッキングなシーンもあり、ファンの間でも好き嫌いはっきり分かれる。
でもそれは、本作に対するきちんとした評価だろう。
当時の若者文化やアニメを挿入したりと、演出もユニーク。
子供向け演出として、ゴジラが何と空を飛ぶが、坂野監督はこれで田中Pの怒りを買ってしまったのは有名な話。
本作のテーマはズバリ、公害。
当時も多くの公害映画が作られたそうだが、あからさまに取り上げて説教臭くではなく、ヘドラという怪獣の姿を借りて、公害の恐ろしさを訴える事に成功している。
それは核や放射能の恐ろしさを怪獣に姿を変えて誕生したゴジラそのもの。
すっかり正義のヒーローと化したゴジラに代わって、本来の恐ろしい怪獣の醍醐味を、ヘドラが代弁してくれている。
見所が多々あるのだが、敢えてもう一つ挙げるとすれば、ラストシーン。
ヘドラを倒した後、ゴジラは人類を睨みつける。
公害問題もヘドラを生み出したのも全てお前らの責任だ!と言わんばかりに。
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