ゴジラ対ヘドラのレビュー・感想・評価
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これ劇場でみたのだけれど
最初に見たときは子供だったし、当時はゴジラにも空飛んでほしいと思ったけどもさー
これじゃない感、満載
結局、大人になってもちろん公害に対する問題提起作としての反面も考え合わせても
いまだにおもしろさがわからない
だいたいヘドラって可愛さゼロだよ
エビラやクモンガみたいな美しさの欠片もないし
新しい時代の不安には新しい不安を体現する怪獣映画が必要というテーマ性の回復がなされた
1971年7月公開
前作ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃から1年8ヵ月ぶり
つまり1970年はゴジラ映画は春、夏、冬、そして1971年の春と、その間1本もなしだった
東宝特撮の神、円谷英二が1971年1月に亡くなったこともあるだろう
だが喪に服して怪獣映画の製作が止まったわけではない
「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」というゴジラが出ない怪獣映画が1970年8月に公開されている
これは一番弟子の有川貞昌が担当している
しかし怪獣映画のブームは去ってしまったのだ
ゴジラ映画の前作は番外編みたいなものだから、実質的には1968年8月の怪獣総進撃から約2年もブランクが空いてしまったのはそういうことだ
その間はガメラが踏ん張って怪獣映画を一人で支えていたのだ
そのガメラも1971年7月のガメラ対深海怪獣ジグラで一旦終了となる
製作映画会社の大映が倒産してしまったからだ
ガメラは毎年春に公開が通例であったが、この最後の作品だけは夏の公開だ
つまり初のゴジラとガメラの直接対決になったのだ
しかも向こうからぶつけてきたのだ
結果はどちらの作品もまずまずの入りとのことだから、初対決は引分けというところか
さて内容はどうか
その時代での漠然とした不安を怪獣の姿にして具象化し、現実世界をその怪獣が破壊するシーンを見せる事によって、不安の正体を明確化する
そしてその怪獣が倒されるか去ることによって不安感を一時的にせよ解消する
初代ゴジラはこのような構造があったからこそ、映画のイノベーション足り得たと思う
そして前作のゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃において、本多猪四郎監督は新しい時代の不安には新しい不安を体現する怪獣映画が必要だというテーマ性の回復を提示していたと思う
本作はそれに真っ正面から回答に取り組んだ作品だと思う
その新しい時代の不安とは、もちろん公害問題
今でいう環境問題だ
本作の前年の1970年には光化学スモッグで都内の中高生が多数被害を受ける事件が起こっている
また同年に田子の浦港のヘドロ問題の対策協議が大問題化していたのだ
まさしくその時代の不安を具象化した怪獣映画と言えると思う
ヘドラを退治する方法は人間が考え出しはするのだが、決定的な瞬間には間に合わない
結局ゴジラの力によってその解決方法を完遂する事ができるというストーリーはゴジラ任せの精神ではない
公害問題、環境問題を人間のみの力では解決出来ないかも知れない
ゴジラという超自然的な力があってこそ最終的な解決までいくことができることだろう
それでも人間がその解決方法を用意していなければゴジラであっても解決できなかったかも知れないというメッセージだ
つまり、まず私達自身が解決に向けて行動しなければならないという意味だ
ラストシーンでのゴジラが訴えているのはその事だ
こんな事になるまで地球を汚すな
汚してしまったなら自分で最後まで始末しろ!と
なんで俺が面倒みないとならないんだ!と
そしてもういっぴき・・・・のテロップ
またヘドラは生まれてしまうだろうとの意味と受け止めた
本作から半世紀がたった
光化学スモッグの発生は近年では稀になって来た
田子の浦の浄化もすすんだ
本作のヘドロの海が21世紀には世界遺産の一部になるとは想像も出来ないことだろう
これならゴジラもそう怒らないだろう
しかし21世紀のヘドラは中国から出現するだろう
はるかに強力で巨大だ
しかし本当に現れたのは、予想もしなかった新怪獣だった
武漢に出現したコロナウイルスという大怪獣だ
とってもセクシーなコスチュームでお姉ちゃんが・・・
この映画の中には監督が趣味で作ったような部分がふんだんに盛り込まれている
例えば音楽の使い方とか
例えば二人の女優が妙に色っぽいとか
例えば絵による説明とか
公害に抗議するためのいろいろな映像手法とか
ゴジラのキャラ設定とか
これは監督からしてみればとっても楽しい仕事だったに違いない
よくこんな趣味的要素盛りだくさんの映画を会社が作らせてくれたもんだ
きっとこの頃はゴジラ映画の全盛期でどんな映画作っても絶対に売れるということが分かっていたからだろう …
と思って調べてみたら違っていた。 どうやら本プロデューサーが入院してる間に 企画が通って撮影してしまったらしい
この作品を作った後、監督への道が閉ざされたらしい。 頷ける話だ 。しかし、もうちょっと優れた プロデューサー だったら 才能に気が付いて もっと活躍させていたに違いない。残念な話だ...
脚本はスピード感があり、上手くまとまっており、大人が見ても一応の鑑賞に堪える内容となっていると思う
最後の締めくくりもなかなか気が利いている。
「この惨事により、政府は公害の規制を厳しくすることになりました」
ってことにでもなるかなと思ったけど。このラストのほうがずっと良い。
もういっぺん見たくなると言っても過言ではない逸品であろう。
もしゴジラが飛ばなかったら、、、
原点回帰狙って飛んでもない方向に飛んでった衝撃作
ゴジラ第11作目なのですが、10作目がメチャメチャ子供向けだったのに対して、本作は180度方向転換し子供にトラウマを植え付けんがばかりの内容になっています。いったい何があった制作陣!?
もうオープニングの歌からしてインパクト大!水銀コバルトカドニウム~ってこの歌今だったら多方面からクレームの嵐になりそうです。いくら公害問題を取り扱った作品といえど表現がストレート過ぎでしょう。よくPTAとかに怒られなかったなぁ。
というか駿河湾って当時はあんなに汚かったのでしょうか?あれ、本当に本物の映像?中盤ヘドロの中に赤ちゃんがいる映像流してみたり、どんだけ公害問題前面に出してきとんねん!っとツッコミ入れたくもなるのですが、本当にあれだけ汚かったら訴えたくなるかも知れません。うーん、スゴい時代だ。
そして、ヘドラがまた強い強い。下手すりゃゴジラシリーズ最強じゃないですか、あれ?頭の上を通過しただけで人間が白骨化してしまうとか危険過ぎです。そんな触るだけで危ないヤツなのにゴジラさん、わざわざ取っ組み合いしにいくとか止めてー!光線出せるんだし、岩も投げれるんだし、離れた所からの攻撃が正しい戦略ですよ!?
途中でアニメが挿入されたり、ゴーゴー踊ってる所でまたあの主題歌を歌ってたり、画面分割して公害訴えてたり、ゴジラが飛行しちゃったりと色々と印象に残るシーンの多い作品でした。当時「楽しいゴジラ」を期待して観に行った子は終わった後に涙目だったに違いない・・・
で、結局ラストに出る「そして、もう一ぴき・・・」は何だったんでしょうね?
ゴジラシリーズのカルト作品!
映画館で観た最初のゴジラ映画だ。しかも試写会にて、シリーズ最大の異色作を観たことになった。鳥も魚も~♪という麻里圭子の歌は記憶に残らないのだが、何度聞いても新鮮に聴こえる不思議な曲だ。「水銀、コバルト、カドミウム~♪」と続くのが笑える。そしてヘドロの中のペルシャ猫が可愛い。そして、撮影とは言え、赤ん坊を泥の中に埋めた映像にはゾッとする。
不気味な赤い目をしているヘドラ。矢野少年にも襲い掛かるし、お父さんにも襲い掛かる。が、お父さんは顔面にヘドロ跡が残る。各地で起こるタンカー事故もみなヘドラが原因だとニュースで伝えられるのだ。工場の煙を吸って硫酸化合物を吐き出す怪獣だと矢野博士は解析(もっと難しいこと言ってた。硫酸化合物とかヘドミウムとか光化学スモッグも)。こうして日本を騒がせていた公害問題を巧みに取り込んだ異色作なのだ。またヘドラが通った後には硫酸ミストが巻かれ、金属は腐蝕し、人間は溶けて骨だけになってしまう恐ろしさ。
星座や核爆発やヘドラの成長段階の講義、その他にも子どもの絵やアニメで説明的に随所に散りばめた特殊効果。B級要素満載なところがとても好きだ。公害問題を取り上げたのみならず、若者文化のゴーゴーや集会、退廃的で厭世的ではあるが、キャンプファイアーでのゴーゴーがいい♪100万人ゴーゴー大会が百人しか集まらなかったのですから・・・
ゴジラが負けるんじゃないかと心配になった作品でもあります。ヘドラにパンチを浴びせても、手が溶けちゃって指の骨まで見えてしまうし、穴に落とされヘドロ漬けにされそうになるくらいだ。また、この映画でゴジラはエビみたいに後ろ向きで空を飛びます。クイズにもよく出るので押さえておくように!汚れちまった海、汚れちまった空・・・、最後はちょっと暗めの歌。
水爆対公害…人類の過ちへの警鐘!
ゴジラ・シリーズ第11作。
Blu-rayで6回目の鑑賞。
怪獣映画だからと言って甘く見ちゃいけない。本作は子供だけでなく、大人の観賞にも充分耐え得るものです。むしろ、大人こそ観なければならない作品かもしれません。
当時社会問題となっていた公害をテーマとして採り上げ、ヘドロから誕生したヘドラと水爆が生み出したゴジラ―人類の大きな過ちが生み出した二大怪獣の死闘が描かれました。
公害以外でも、アングラな若者やゴーゴーと云った流行も描いて世相を反映し、演出面ではアニメーションを取り入れるなど、シリーズの中で異色の仕上がりとなっていました。
ヘドラとゴジラの戦いで生じた死者の数がニュースで報じられ、硫酸ミストで人間が白骨化したり、メインキャラがあっけなく死亡するなど、ハードな展開に度肝を抜かれました。
円谷英二特技監督時代には意図して避けられていた流血シーンが描かれたことも特徴的。ゴジラが右目を潰され、左手にも重症を負いつつヘドラと死闘を繰り広げました。
ヘドラの生々しさと、人類の愚かさを表現するために、あえてリアリティーを追求した描写にしたのかもしれません。
ラストシーンが忘れられない。自衛隊の手際の悪さに己の過ちの尻拭いも出来ない人間の愚かさが象徴され、人類に向けられたゴジラの鋭い眼光が全てを物語っていると思いました。
[余談]
ゴジラの飛行は…ナイなぁ…(笑)。
[以降の鑑賞記録]
2020/11/22:Amazon Prime Video
2021/12/31:日本映画専門チャンネル(4Kデジタルリマスター版)
※修正(2024/03/14)
シリーズ第11作目。 オープニングだけで100回は観れるシリーズ屈...
端々に人の愚かさが見えて…
公害をテーマに当時の世相も合わせて時代を感じられる。
光化学スモッグとか、百万人ゴーゴー(笑)とか。
100人ゴーゴーの若者たちには直情的過ぎて呆れるし、松明でどうにかならない相手かどうかは見りゃあ解る筈なんだが…こぞってアホなの?
ヘドラのヘドロらしさが怪獣プロレス始まると無くなってしまうのは残念。
ゴジラが登場する度に流れる珍妙なBGMは何故か耳に残るが、合ってないと思うんよなあ~初っぱなからぷぁ~♪ぷぁ~♪ぷわんぷわん…とか間の抜けた感じのBGMで、いつもの曲はどうして使わないのか?使いたくないのか?聞きたくなる
ヘドラもっと大きくなれたんではないかと思うし、電極板の間に入ってもらう作戦も、ゴジラがアシストしないと全く成立しないので、どんな運頼みの作戦だよ?と突っ込んでしまう。
本番では電源切れて結局ゴジラが電極板を利用して倒す展開
ゴジラが初めて飛行するシーンも出たが、以降飛行できる設定は使われず、不評であったんだろう。
リメイクしたら、中国絡みそうな内容だけどメッセージ性は凄いから面白そう。作ったら怒ってくるだろうし製作中止位炎上しそうだな
タイトルなし(ネタバレ)
ヘドラが気持ち悪くて良い
ラストのバトルはグダグダと長いし
ゴジラは飛ぶし よくわかんないが
公害という目の付け所が好きだ
たまに挿入されるアニメーションも好きだった
サブカル的にNo.1ゴジラ
ヘドラには多くの要素が詰まっている
シリーズ11作目。
前年に円谷英二が死去。
衝撃と悲しみの中、新体制(特技監督に中野昭慶が初登板)で作られた本作は、シリーズ最大の異色作。
公害から生まれた新怪獣ヘドラと戦う。
独特の姿形、得体の知れない不気味さ、変身・成長していく様など、ゴジラを最も苦戦させた敵の一体として、その存在はシリーズの怪獣の中でも際立つ。
また、作品全体を不穏な空気が包み、シリーズでは例のないショッキングなシーンもあり、ファンの間でも好き嫌いはっきり分かれる。
でもそれは、本作に対するきちんとした評価だろう。
当時の若者文化やアニメを挿入したりと、演出もユニーク。
子供向け演出として、ゴジラが何と空を飛ぶが、坂野監督はこれで田中Pの怒りを買ってしまったのは有名な話。
本作のテーマはズバリ、公害。
当時も多くの公害映画が作られたそうだが、あからさまに取り上げて説教臭くではなく、ヘドラという怪獣の姿を借りて、公害の恐ろしさを訴える事に成功している。
それは核や放射能の恐ろしさを怪獣に姿を変えて誕生したゴジラそのもの。
すっかり正義のヒーローと化したゴジラに代わって、本来の恐ろしい怪獣の醍醐味を、ヘドラが代弁してくれている。
見所が多々あるのだが、敢えてもう一つ挙げるとすれば、ラストシーン。
ヘドラを倒した後、ゴジラは人類を睨みつける。
公害問題もヘドラを生み出したのも全てお前らの責任だ!と言わんばかりに。
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