「「ゴジラ&怪獣映画の分岐点。映画監督本多猪四郎が復活、第一次と第二次怪獣ブームの狭間で映画からテレビに視聴者が移行していた映画斜陽期の作品」」怪獣総進撃 菊千代さんの映画レビュー(感想・評価)
「ゴジラ&怪獣映画の分岐点。映画監督本多猪四郎が復活、第一次と第二次怪獣ブームの狭間で映画からテレビに視聴者が移行していた映画斜陽期の作品」
独自採点(69):怪獣総進撃マーチが有名
制作田中友幸、監督本多猪四郎、特技監督有川貞昌(特技監修円谷英二)、音楽伊福部昭
通称:総進撃ゴジ・登場怪獣:青木ヶ原決戦登場順①ミニラ・②モスラ幼虫・ ③アンギラス・ ④マンダ・ ⑤バラゴン・⑥ゴロザウルス・ ⑦クモンガ・⑧バラン・⑨ラドン・ ⑩キングギドラ・キラアク星人・ファイヤードラゴン(キラアク円盤)・防衛:国連科学委員会/防衛軍「総合防衛司令部連絡会議」・昭和43年8月1日封切り・88分・上陸地(怪獣島砂浜・ニューヨーク・東京湾上陸シーンはなし)・破壊地(浜松町・武道館近辺・伊豆富士山麓・ニューヨーク・モスクワ=ラドン・パリ凱旋門=劇中では地底怪獣バラゴンと言ってるがゴロザウルス・北京=モスラ)・特撮爆破炎上破壊規模B
怪獣を怪獣ランドに集め研究している設定。怪獣ランドから逃げた怪獣が世界中を破壊、前2作は南海の孤島だったが久々に東宝防衛隊との市街地攻防あり。また、同年公開『2001年宇宙の旅・猿の惑星』などSFブームもあり宇宙・ロケットの月面シーン、浜松町付近のビル街ミニチュアの破壊も見所(特にマンダがモノレールに巻きつく操演は凄い)、そして11大怪獣が揃い踏み富士裾野での怪獣揃い踏みのキングギドラとの格闘シーンは壮観。映画産業の陰りから東宝では莫大な製作費を要する怪獣映画を本作品で終了させることを見込んでいたが前作を上回る成績を上げたことにより(観客動員数は258万人)怪獣路線は継続されることとなった。
この作品がヒットしなければゴジラは終わっていたかもしれない。
スーツは新造形、息子ゴジではミニラとの対比から大サイズとなったが使いまわせず本作から元サイズに戻る(利光・八木兄弟制作ゴジラのラスト)
ゴジラ登場:怪獣島砂浜海から上陸・ニューヨーク国連ビルを海上から熱戦放射※・東京湾岸工業地帯は上陸後・太平洋上で船舶を襲う※・富士裾野青木ヶ原近辺(※は海用大戦争ゴジ)
チャンピオン祭リ『1972ゴジラ電撃大作戦(72分)』
時代:(封切料金¥450※実勢価格約半額)、都営トロリーバス廃止、GNP西ドイツを抜いて世界2位に、首都高1号横羽線が東神奈川まで延伸開通渋滞が始まる、三億円事件、列車内でポータブルカラーテレビを観る乗客の姿が写っているがこの当時国産はまだ発売されていなかった(英国シンクレア・リサーチのポータブルテレビ未発売品の開発が66年)、ゴジラ出現の地大戸島有する小笠原諸島返還、日本初の超高層ビル・霞が関ビル完成、米原子力空母エンタープライズが佐世保入港反対運動激化、チェコでプラハの春、フランス5月革命、国際反戦デーで新宿騒乱事件
<ファッション>
男の長髪流行、サイケデリック・モード、パンタロンスーツ
<ヒット商品>
人生ゲーム、トニックシャンプー、ボンカレー、カール
<流行語>
ゲバ 、五月病、サイケ 、ハレンチ
<ベストセラー・コミック・雑誌>
「竜馬が行く」司馬遼太郎
「週刊少年ジャンプ」創刊
<映画・演劇・テレビ・CM>
「2001年宇宙の旅」監督:スタンリーキューブリック
「俺たちに明日はない」監督:アーサー・ベン
「猿の惑星」監督:フランクリン・J・シャフナー
「黒部の太陽」監督:熊井 啓
「神々の深き欲望」監督:今村昌平
『ゲゲゲの鬼太郎』
『巨人の星』
『怪奇大作戦』
好きなショット:ゴジラがキラアク星人の地下基地を攻撃するシーン