「「ゴジラ映画初の海外(グラム島)ロケが行われ、ゴジラが卵から生まれるという事が初めてわかる。円谷監督が弟子の有川貞昌に特撮監督の座を譲った作品」」怪獣島の決戦 ゴジラの息子 菊千代さんの映画レビュー(感想・評価)
「ゴジラ映画初の海外(グラム島)ロケが行われ、ゴジラが卵から生まれるという事が初めてわかる。円谷監督が弟子の有川貞昌に特撮監督の座を譲った作品」
独自採点(65):前回作に続き南海の島が舞台、ゴジラ映画初の海外(グラム島)ロケが行われた。ゴジラが卵から生まれるという事が初めてわかる。円谷監督が弟子の有川に特撮監督の座を譲った作品。
制作田中友幸、監督福田純、特技監督有川貞昌(特技監修円谷英二)、音楽佐藤勝
通称:息子ゴジ・登場怪獣:ミニラ(名前は公募)/カマキラス/クモンガ・防衛:無し・昭和42年12月16日封切り・85分・上陸地(ゾルゲル島砂浜)・破壊地(ゾルゲル島)・特撮爆破炎上破壊規模C
ウルトラマンシリーズで盛り上がった怪獣ブーム真っ只中の作品。怖いゴジラとは正反対の擬人化パパゴジラ、ミニラはおそ松くんに登場するちび太からきている。高度経済成長・ベトナム戦争の中、ミニスカ・アングラ・フーテン族など新しい文化が生まれる時代、日本では60年安保後最大の羽田デモ、アメリカでは反ベトナム運動が広がり始めゴールデンゲートパークでの「ヒューマン・ビーイン」集会がおきた年でもある。当時のテレビはまだ白黒主流(朝ドラも67年「旅路」が最後のモノクロ、テレ朝のカラー化もこの年)だったが既に前年から放送開始されたウルトラマンは初の特撮カラー番組で時代は一気にカラーテレビへと移る変革の年でもあった。前作含め都市部から離れ南海の孤島という設定かつ子供向け路線に変わった事でゴジラファンからも評価は別れるところだが、そんな子供向け昭和ゴジラの中では前作より面白い。
スーツは新造形昭和シリーズ最大のタッパはミニラとの対比を考えてらしい、また本作からヘドラまで海ゴジラは作りが丈夫な大戦争ゴジが使用されている(冒頭嵐のシーンなど)。
因みに本作34分頃背景のホリゾント上部が見切れスタジオが写っている。1973年東宝チャンピオン祭り(66分)で再映。
時代:キングコングの逆襲・ゴジラの息子(封切料金¥400※実勢価格約半額)人口一億人を超える、ウルトラセブン、テレビ放送のほとんどが白黒だが東京キー局 カラーテレビ本放送増える、朝ドラ旅路(白黒)、四日市・大気汚染公害訴訟、生活保護世帯に電気冷蔵庫と電話の条件付き保有が認められた。
学生運動が盛んな時期羽田事件が起こる。グループサウンズブーム、ニューヨーク・サンフランシスコでベトナム反戦デモ、ヨーロッパ共同体EC発足
<ファッション>
ツイッギー来日。ミニスカブーム到来、イエイエ族、メキシカン・ルック
<ヒット商品>
リカちゃん人形
<流行語>
アングラ 、核家族、ハプニング 、フーテン族 、ボイン
<マンガ雑誌>
「COM]創刊
「書を捨てよ 町へ出よう」寺山修司
「あしたのジョー」連載開始
「天才バカボン」連載開始
<音楽>
「ブルー・シャトー」ジャッキー・吉川とブルーコメッツ
「夜霧よ今夜も有難う」石原裕次郎
「君だけに愛を」ザ・タイガース
「真っ赤な太陽」美空ひばり
映画・演劇・テレビ・CM
「日本の一番長い日」監督:岡本喜八
寺山修司主宰 演劇実験室「天井桟敷」旗上げ
唐十郎の「状況劇場」紅テントでの公演をはじめる
「殺しの烙印」監督:鈴木清順
ラジオ番組『オールナイトニッポン』放送開始