「「前作三大怪獣地球最大の決戦から東宝正月映画の定位置ゴジラシリーズとなった2作目」」怪獣大戦争 菊千代さんの映画レビュー(感想・評価)
「前作三大怪獣地球最大の決戦から東宝正月映画の定位置ゴジラシリーズとなった2作目」
独自採点(75):東宝の二大特撮看板である「怪獣映画」「空想科学映画」の融合、名曲「怪獣大戦争マーチ」流れるオープニングは印象的(因みにこのマーチ主旋律は1959年宇宙大戦争マーチ=演奏自衛隊音楽隊と主旋律は同じで宇宙の方は途中で転調し別の旋律が入りまた主旋律に戻る、主題はワーグナーのライトモチーフ)。
制作田中友幸、監督本多猪四郎、特技監督円谷英二、音楽伊福部昭
通称:大戦争ゴジ・登場怪獣:キングギドラ・ラドン・防衛:地球防衛軍(ノンクレジット)兵器に自衛隊の記載はないが東宝データベースに自衛隊員役としての記載あり「移動司令部」・昭和40年12月19日公開・94分・上陸地(宇宙船で富士裾野)・破壊地(富士裾野)・特撮爆破炎上破壊規模B(炎上少)
1966年のウルトラQ第一次怪獣ブーム前、怪獣熱が盛り上がっている中怪獣ゴジラが宇宙へ行く、SFと怪獣の夢のような組み合わせだったと思う。洋画の輸入自由化が全面解禁され東宝も日米合作路線を意識、洋画のスパイアクション007などを取り入れながら近未来SF要素満点な作品に。
地球での対戦は富士裾野の原野・市街地をX星人に操られたゴジラ ・ラドンが破壊するが、大胆な合成シーンが試されたシーンの多くはその後の特撮映画に与えた影響は少なくない。当時としては宇宙を飛ぶ宇宙船の操演など興味深い特撮シーンも見ものだし、なと言ってもゴジラのシェーはまるで重力が少なくった宇宙にいる様な軽快さ、そして湖の円盤は下側1/3は実物大で上側はマット合成今見ても上部が絵だとは区別できないクオリティ。X星人の水野久美が同時に映像に映るのもよくできている。ただ、予算節約の為本作以降過去作の流用が多用されるようになったのはやはり残念(『空の大怪獣 ラドン』『モスラ』『三大怪獣 地球最大の決戦』『地球防衛軍』の映像が流用)。
ラストはめちゃくちゃフットワーク軽いゴジラ・ラドン共闘でキングギドラを撃退する。
ゴジラスーツは新造、眼球はリモコンで動く様になっていてスーツの進化を感じられる。ゴジラ登場は明神湖から出現(2尺ゴジラ)ラストキングギドラと海に落下するようにみえて水没していない。
陸上兵器は富士山麓で交戦する。観客動員378万人。1971年東宝チャンピオン祭り(74分)で再映。
時代:「フランケンシュタイン対バラゴン・怪獣大戦争」(封切料金¥350※実勢価格約半額)ガチャガチャがアメリカから輸入され駄菓子屋の人気に、松屋屋上で初のゴジラの実演ショー中島春雄本人がゴジラを演じた、佐藤栄作が首相太平洋戦争後総理大臣として初めて沖縄県訪問(当時はまだ返還前)。名神高速道路が全線(小牧-西宮間)開通、第三京浜道路開通都内の一般幹線道路の平均速度22km/h、淀橋浄水場が東村山浄水場へ機能を移転廃止。オロナミンCドリンク発売、資生堂が「サンオイル」を発売、おばQ放送
いざなぎ景気・3C時代(車、カラーテレビ、クーラー)・プロレス中継が視聴率51.2%に・日本初のカラーテレビアニメ「ジャングル大帝」放送開始・エレキギターブーム・大学生100万人突破・米軍、北ベトナムへの爆撃開始
<ファッション>
モンキー族・スラックス流行・VANルック、JUNルック
アイビールック(アメリカ東部の名門大学をイメージしたファッション)
<ヒット商品>
ジャルパック・アイスノン・スーパーボール
<流行語>
アイビールック・ブルーフィルム(セックスシーンを写した映画)・フィーリング (感じ、気分という意味でつかわれる言葉)
<音楽>
「君といつまでも」加山雄三
「愛して愛して愛しちゃったのよ」田代美代子&和田弘とマヒナスターズ
「二人の世界」石原裕次郎
「女ひとり」デューク・エイセス
映画・演劇
「赤ひげ」監督:黒澤明
「007/ゴールドフィンガー」監督:ガイ・ハミルトン
「マイ・フェア・レディ」監督:ジョージ・キーカー
「サウンド・オブ・ミュージック」監督:バート・ワイズ
テレビ・CM
『ジャングル大帝』
『11PM』放送開始
SF
「時をかける少女」中学三年生コースで連載開始