「「『モスラ対ゴジラ』に続く怪獣映画10周年記念作品の第2弾、超人気怪獣キングギドラ衝撃の登場!に興奮」」三大怪獣 地球最大の決戦 菊千代さんの映画レビュー(感想・評価)
「『モスラ対ゴジラ』に続く怪獣映画10周年記念作品の第2弾、超人気怪獣キングギドラ衝撃の登場!に興奮」
IMAX大画面で観たいゴジラ作品の一つ!
山崎貴セレクションにて劇場スクリーンで鑑賞。
独自採点(81):『モスラ対ゴジラ』に続く怪獣映画10周年記念作品の第2弾(この年は東宝特撮映画が実に3本、まだこの頃はゴジラはシリーズ物として認識されていなかったため特に10周年などの行事はなかった)。観客動員は432万人(541万人リバイバル含む)。怪獣路線が一般映画からファミリー路線へ転換した分水嶺的作品。市街地ミニチュアセットスケール1/ 25?
制作田中友幸、監督本多猪四郎、特技監督円谷英二、音楽伊福部昭
通称:決戦ゴジ(スーツはモスゴジ流用だが表情は三白眼が台本上の理由からか人間の様な目に変更されている)・防衛:防衛隊/防衛大臣(今作防衛兵器は出演無し)「国際連合軍」・登場怪獣:キングギドラ/モスラ/ラドン・1964年(昭和39年)12月20日公開・93分・上陸地(横浜・駿河湾)・破壊地(横浜マリンタワー・松本城・西武園・東京タワー・ゴジララドン富士山麓激闘)・特撮爆破炎上破壊規模A(炎上やや少なめ)
冒頭大手町から初代ゴジラが破壊して出禁になった銀座和光の時計塔のシーンが印象的、昭和ゴジラシリーズで初めてゴジラが善玉として描かれた、黒部渓谷ロケや阿蘇の空撮とスタジオ撮影の融合、特撮シーンも勿論あるが善玉怪獣となった事で怪獣同士モンスター語で話し合うなど擬人化が始まった作品(やや滑稽なシーンなので劇場内には笑いも起きるが微笑ましいと言えば微笑ましい)、なんと言っても昭和ゴジラ屈指の人気怪獣キングギドラが産まれた記念碑的作品、富士山麓の神社大鳥居から望むキングギドラもだが隕石を破り天空へ舞う炎からキングギドラへ変わる登場シーンはやはりかっこいい。そして、64年はオリンピックの年でもありラドン・モスラという人気怪獣の饗宴は怪獣オリンピックの趣。対決こそ富士山麓の原野だが富士山麓での多くの攻防の中でこの決戦が最高の出来だと思う。背景の富士山と怪獣のバランス出来栄えが良い、久々に市街地ミニチュアセットの破壊特撮が多いのも嬉しい。SF的要素がありながらもドラマもしっかりとしている。
キングギドラの操演・光学光線などの特撮全般は、その後の怪獣ブームへと続くターニングポイントとなった作品かもしれない。1971年東宝チャンピオン祭り(73分)で再映。ゴジラ登場は太平洋海中から出現(モスゴジ)、横浜港/駿河湾上陸(モスゴジ・水没膝下)
※:キングギドラ単独主役作品も計画されていたらしい、結果としてゴジラとの共演は大正解な作品。
64年は東宝特撮が多く作られまだまだ特撮は客を呼べる状態だったが、既に映画産業は斜陽。全盛期の2割強だが映画実質料金は¥178で全盛期の2.8倍と負のスパイラルに入っていた。
時代:「モスラ対ゴジラ・宇宙大怪獣ドゴラ」東京五輪・東海道新幹線開業、シャープ世界初の電卓発売、日本武道館開館、「高島忠夫長男殺害事件」、ソニーが業界初の家庭用ビデオテープレコーダ「CV-2000」を発売、 新宿駅に日本初のコインロッカーが設置される、全国映画館数が5,000を割り込む、ガソリン¥48/ℓ・砂糖¥165/Kg・会社員平均月収¥63,396、「ハウスバーモントカレーだよーCM」大ヒット¥60、月間「ガロ」・平凡パンチ創刊、ひょっこりひょうたん島、日米海底ケーブル開通、バービーブーム、五輪中止も検討された都内大渇水、東京自動車台数100万台越え。
好きなショット:82’富士山麓でゴジラがキングギドラに石を投げるシーン、神社鳥居越しのキングギドラ