劇場公開日 1964年11月20日

「通訳ピーナッツ」三大怪獣 地球最大の決戦 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0通訳ピーナッツ

2019年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 冬なのに異常気温により日本脳炎が麻布にて発生。宇宙円盤クラブは流星群も目撃する。そうした中都市部に現れた預言者は自らを金星人と名乗り、「阿蘇で大異変が起こる」と公言する。北アルプスに隕石の調査をしている大学助教授の村井は普通の岩石であるが磁力や重力が異常だと発見する。TVでは青空千夜一夜が司会する「あの方はどうしているのでしょう」という番組では『モスラ』に出てきたインファント島の小美人(ザ・ピーナッツ)を招待していた。『モスラ』登場時と比べて、彼女たちの黒子がなくなっている。

 阿蘇山火口に現れた自称金星人はラドンが出現するから逃げなさいと忠告し、その通りにラドンが出現した。この金星人はサルノ王女とそっくりであり、反対派が暗殺を企てているのだった。放送記者の新藤直子(星百合子)が金星人を保護するも、セルジオ公国の殺し屋に狙われていた。間一髪のところで小美人が機転を利かし、彼女を助けるのだった。

 そんな折、ゴジラが日本に上陸。空からはラドンが現れる。塚本研究所で診察を受けていた金星人は「金星を破壊したキングギドラが地球を滅ぼす」と預言する。折しも北アルプスでは隕石からキングギドラが出現。国会では防衛大臣がやり玉にあげられ質問攻めに合う。以前の「防衛隊」ではなく「防衛軍」と明言しているのも興味深い。

 国会小委員会では小美人が参考人として登場し、「モスラ、ゴジラ、ラドン」が共闘してキングギドラを倒すべきだと証言するのだが、ゴジラもラドンも平和の象徴モスラの説得を聞いてくれるかが疑問だった(どうやって説得するのだろう?)。そんな時でもゴジラとラドンはケンカ中。モスラ(幼虫)が傍らで見ているのだが、両者に糸を吐き、落ち着かせるのだ。モンスター語なんてわからないけど小美人が通訳してくれる。ゴジラもラドンも人間なんて知ったこっちゃない!と言っています・・・

 モスラが一人で戦おうとしたとき、ようやくゴジラもラドンも協力する。ゴジラの尻尾にモスラが食いつき、さらにはラドンの背中に乗ってギドラに糸攻撃する。ゴジラは岩石投げ、ラドンは突き攻撃だ!(笑)三つの首が動かなくなってキングギドラは宇宙へと去って行ってしまう。決着がついていないところも面白い。

 サルノ王女専用機が撃墜された事件よりも、予言者の出現の方が特ダネになる世の中なんて・・・今もそんなに変わらないか(笑)。異常気象もあって、大変な日本になっています。「あの方はどうしているのでしょう?」という番組も面白い。今の世の中と変わらない(笑)。防衛軍が核攻撃するのをためらっていることに良心を感じるし、平和のインファント島のモスラに解決を委ねるところもいいことなのかもしれない。

 見所は、双子のピーナッツがモスラがゴジラ・ラドンを説得する様子を通訳するところだ。思わず失笑するのだが、実に楽しい。シリーズ第5作。

kossy
しゅうへいさんのコメント
2019年5月19日

黒子が無くなっているなんて、全く気付きませんでした!
すごい観察力ですね!

しゅうへい