キングコング対ゴジラのレビュー・感想・評価
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パシフィック製薬のパシン錠。ライバル会社はセントラル製薬だ。
この映画の前半はかなりコメディ仕立てになっています。高島忠夫と藤木悠のコンビが最高。大タコが現われても「宣伝部長の多胡さんだろ」ですもん。そんなコミカルな中であってもゴジラの北極海から登場シーンは素晴らしいものだ。それなのにパシフィック製薬としては魔神を宣伝材料にしたいためゴジラが上陸してもらっては困るの一点張り。ファロ島ではコングがオオダコをやっつけて、まんまと酒を飲んで捕獲。原住民の中では根岸朋美が色っぽくて綺麗だ。コングを見世物にするために日本に連れ帰るというのはコング一連の映画の定番。多胡さんはそれをゴジラと対決させるという発想まで社員に伝えるのだ。
なお、防衛庁ならびに各省庁はキングコングの日本への持ち込みを禁止。そんな折、ゴジラは松島湾沖から東北に向かって本土上陸を果たすのだった。日本では100万ボルト作戦、落とし穴作戦のため、那須での建設が急ピッチで始まる。さらにコングも嵐のおかげで日本へ上陸を果たし、ゴジラのいる方向へと向かっていた。しかし、ゴジラは高圧電線で食い止められたらが、コングは止められなかった。そして運悪く、桜井の妹ふみ子(浜美枝)がコングの手の中に・・・。
麻酔弾によってコングを眠らせ、富士山にいるゴジラと直接対決させる防衛庁の方針。岩の投げ合いによる小競り合いと直接組んでの戦い。一進一退を繰り返し、二人の決戦は伊豆半島へ。ついに熱海城が破壊される。
笑えるシーンといえば、キングコングだってそうだ。高圧電線の電気を食べたり、国会議事堂によじ登ったりと笑ってしまう部分もある。勢いあまって岩に頭をぶつけるとか。
ゴジラの生死は不明だったが、コングは故郷の南海方面へ泳いで帰っていった・・・
ゴジラ映画の最高傑作で最高動員ですよ!
日本の怪獣王対アメリカの怪獣王…本当に夢があった時代
1955年公開『ゴジラの逆襲』以来、7年振りとなったシリーズ3作目。
本作から“ゴジラシリーズ”が定着した。
前作のラストで氷の中に閉じ込められたゴジラが復活、南の島の王者キングコングと戦う。
公開時は爆発的な大ヒットとなり、シリーズで一番の観客動員数を誇る。
興行収入も、今で言うと軽く100億は超えている。(観客動員数比較では、『踊る2』とほぼ同等)
本作はシリーズの転換期の一つ。作品雰囲気がガラリと変わった。
第一作目は反核の暗く重たい雰囲気、『空の大怪獣ラドン』『地球防衛軍』もシリアスな雰囲気だったのに対し、本作はカラッと明るい娯楽作。というか、完全なコメディ。
ゴジラシリーズが“軽く”なってしまった原因の一つでもあるが、ゴジラが正義のヒーローになってしまう今後を思えばまだまだ。
それを払拭するほどの娯楽性がある。
見てて飽きないし、ゴジラ側のドラマとキングコング側のドラマが交互に進んでいくストーリー展開は、後の怪獣映画の傑作『ガメラ 大怪獣空中決戦』にも影響を与えたほど。
また、キングギドラやメカゴジラやモスラとは違う、がっぷり四つに組んでゴジラと戦う姿はキングコングだけの魅力で、平成VSシリーズで再登場の声も上がったのも頷ける。
日本の怪獣王とアメリカの怪獣王の再戦は、怪獣映画ファンの夢である。
(追記:そして2020年、ハリウッドで『ゴジラvsコング』が!)
そうそう、最後に本作の見所をもう一つ。
有島一郎演じる多湖部長!
この強烈キャラクターは怪獣映画史上随一。
また、シリーズで初めて製作・田中友幸、監督・本多猪四郎、特技監督・円谷英二、脚本・関沢新一、音楽・伊福部昭の“ゴールデン・チーム”が揃った。
この5人のチームは『怪獣大戦争』まで続き、シリーズの黄金期を支えていく事になる。
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