「まさに原点にして頂点」ゴジラ(1954) 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
まさに原点にして頂点
ゴジラ生誕70周年記念上映「ゴジラ・シアター」が全国のTOHOシネマズさんで実施中。
本日は日比谷の259席の巨大スクリーンでデジタルリマスター版『ゴジラ』(1954)を堪能。
すでに本作品を数十回は鑑賞しているが今回は『ゴジラ-1.0』『オッペンハイマー』の鑑賞後。
デジタルリマスター上映のおかげで公開当時スクリーン再現できなかった円谷英二監督の細部のこだわりやミニチュアを駆使した遠近感は改めて「さすが!」と唸ったが、今回は特に本編パート(ドラマ)の素晴らしさを再認識しましたね。
単なる怪獣映画、特撮パニック映画ではなく反戦映画としてのしっかりとした人間ドラマ、ゴジラが大戸島で出現するまでの緊張感、特撮とドラマのバランスの良さは本多猪四郎監督、脚本の村田武雄さんの力量に寄るところが大きいですね。
改めてキャストにも注目して鑑賞しましたが、フレッシュな演技の宝田明さん、河内桃子さんをはじめ、芹沢博士役の平田昭彦さん、山根教授役の志村喬さん、新聞記者役の堺佐千代さん、
婦人代議士役の菅井きんさんなど当時の東宝常連スターが総出演、群衆が逃げまどうシーンも何百人ものエキストラを動員して臨場感もあってゴジラの特撮パートがなくても本編パートだけでも惹きつけられましたね。
上映後には富山省吾プロデューサーのトークコーナーもあり産みの親の一人田中友幸プロデューサーとの思い出話や制作秘話、田中プロデューサー、本多猪四郎監督、円谷英二監督、伊福部昭さんの4人の天才を集めた森岩雄さんの話も聞けて大変貴重でした。
まさに原点にして頂点。堪能いたしました。
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