告白的女優論のレビュー・感想・評価
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もっと、スキャンダラスなのも見たかったが…
う〜ん、やっぱり、岡田茉莉子!言わずもがな!
ホント、イイなあ〜
弛んだアゴすらチャーミングに見える美人女優なんて、日本じゃ彼女くらいか。
ユーモアの塩梅もイイ感じ。
この作品におけるメタフィクションの何たるか?は、彼女が最も理解してたか?
女優が女優を演じる芝居で、室内劇も多かったゆえ、敢えて演劇的な芝居にもなるのだが、常に理性的で、どこかメタな視点の印象を与え、違和感を感じさせない。
そして、太地喜和子!若すぎ!
冒頭のクレジットがなかったら分からなかったかもしれない。
あと、これまた言わずもがな、であるが、今回も美術のセンスが素晴らしい。
流石の朝倉摂。
ミッド・センチュリーなインテリアのセレクトも、ヘンに現実離れしたラグジュアリーな印象は与えず、まさに舞台装置として機能している。
夢診断の室内劇の中央にヘキサゴンのテーブルというのも何かの比喩?それとも偶々?
音楽の一柳慧は、残念ながら期待ハズレ。
あの超激カッコいいアヴァンギャルドは何処へ?
浅丘ルリ子も、ちょい期待ハズレだったかな。
もっとエロくて際どくスキャンダラスな展開も出来たと思うけど。
まあ、色んな意味で、なかなか難しいか。
原田芳雄も、本来の野性味が出てなかったのは、敢えての演出?
トラウマによって性欲を抑圧された男性不信の浅丘ルリ子と絡ませるなんて、キャスティング最高だったけどなあ〜
あのシャワーシーンに至っては、浅丘ルリ子にとって、激烈なカタルシスによって、トラウマを洗い流してくれる、そんな、まさに、運命の男だったはず… なのだが…
カタルシスとして、全然あれじゃ物足りない…
たぶん、監督の純粋な意図というより、当時の映倫に対するカモフラージュだった気もするが。
有馬稲子も悪くはなかったけど、フラッシュバックの若返り(一応、10代?)は、結構ムリがある。
浅丘ルリ子の高校生役も、まあギリといえば、ギリだが、高校生を演じている女優にしか見えない。
残念ながら二人とも、本作のメタフィクションゆえの現実離れした現実という虚構な設定には上手く対応できてなかったように見える。
あと、気になったのは、三國連太郎、原田芳雄、細川俊之(しかし、ホント凄いメンツ…)を除く男性陣みんな大根ぽかったのはワザと?敢えて棒読みさせてた?
だとしたら、ちょっと観念の偏りによる不手際。
タイトルからして、女優論と銘打ってるから、観念の先行も当然かもしれんけど…
とはいえ、大根芝居は見たくないわな。
というか、実のところ『告白的女優論』という程、脚本は観念的ではない。
むしろフォーマットはメロドラマでもある。
そのドラマの中で、女優の内面が吐露されて、秘密が暴れ、最終的には各々が新たなステージを迎え、ラストシーンでは三人揃って、新作の撮影のスタートとなる。
相変わらず森英恵の衣装は素晴らしい。
独特のカッコいい構図も相変わらずだが、本作はカラー作品で、配色のバランスも気が利いていて、色の心理効果も上手く反映されている。
(放埒な女のバスタオルが瞬く間に画面を彩る黄色だったり、冒頭では真っ赤なドレスだった浅丘ルリ子がラストではサッパリ綺麗なブルーのハットを被ってたり…)
よって、カメラワークだけでも、ずっと観ていられる。
でも、まあ、結局のところ、岡田茉莉子や浅丘ルリ子など、往年の名女優が特に好きでない人にとっては、ただただ退屈な映画なのかもしれない。
太地喜和子
華やかで演技力も凄まじいものがある女優たち。夢判断で過去を探り、自らの深層心理を見つめなおす。基本的には性的衝動が中心であることが、女優である前に“女”なんだとわかる。ラストのインタビューがそれぞれの性格を言い当ててるようでもあり、逆に嘘で固められた女優魂も感じてしまう。しかも、誰が嘘をついてる?といった推理ゲームみたいに・・・でもストーリーがつまんないので、さっぱりわからない。
高校時代に教師の川津祐介がいる寺へ遊びに行ったというエピソードが最もスリリングだったけど、面白さはそこまで。だからどうした?と文句をつけたくなるようなストーリー。
濡れ場や乳首を見せないヌードはあるけど、乳首を見せているのは太地喜和子だけだった。
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