極道の妻たち 赫い絆
劇場公開日:1995年9月9日
解説
極道の世界に生きる女たちの姿を描いた人気シリーズの第8弾。“極妻”登場10周年記念作品。監督は「東雲楼・女の乱」の関本郁夫。家田荘子のルポルタージュをもとに脚色したのは「螢」の塙五郎。主演は「写楽」の岩下志麻で、シリーズ6度目の登板となる。
1995年製作/日本
配給:東映
劇場公開日:1995年9月9日
ストーリー
大阪で一家を張る堂本組の一人娘・きわは、生まれた時から極道の世界で揉まれ、並の極道より根性が据わっていると評判だった。堂本組の当代は病身のため引退、跡目をきわの夫で若頭補佐の久村修一郎が継ぎ、きわも組の姐となる。襲名披露の日、対立する三東会の組長・後藤修造の弟・信治がホテルの着付け室できわを襲い、この騒ぎで久村は信治の子分を射殺してしまった。組のため幹部の村上がこの罪を被り、きわもまた傷害罪で懲役に処せられる。きわは三東会との和解のため久村と離婚し、5年後に仮釈放されてからも家へ戻らず姿を消した。きわが去って間もなく久村はホステスあがりの眉子を後妻に迎え、組員の妻たちから疎ましく思われる。また久村は幹部の兵頭と共に銀行やゼネコンと組んでドリームランド建設用地買収に取りかかり、組からヤクザ色を払拭しようとしたため、武闘派連中にも不満が燻っていた。ある日、先代の増吉が何者かに射殺され、組内は三東会の仕業と思い騒然とするが、久村は事業のため抗争に逸る組員を押し止める。帰ってきたきわも、久村の身を案じ葬儀を組員の妻たちだけで取り仕切った。先代の暗殺は、久村が組長扱いされないのを歯痒く思った眉子の凶行であり、それを知った久村は犯人追及も封じて二人だけの秘密とした。さらに久村は用地買収に必要なきわの持つ土地権利書を求めたが、服役する村上のためきわはこの申し出を断る。夫の苦境を見かねた眉子はきわに包丁を向け権利書を手に入れようとし、その一途な姿を見たきわは黙って権利書を眉子に渡した。ようやく久村も利権を手にし組長としての威厳を手中に収められると思ったが、政権交代によりドリームランド計画は中止となる。数十億を越える投資も無駄になると逆上した久村は、重役に計画続行を装わせ、三東会に権利と堂本の縄張りを30億で売って姿をくらまし、その後暗殺されてしまう。三東会は仁義を無視して堂本組を仮借なく叩いた。きわが息子のように面倒を見ていた宣生は、後藤を襲撃するが返り討ちにあう。すべてに決着をつけるためきわは三東会の宴会場に乗り込み、機関銃で後藤以下組員を血祭りにあげた。その後、久村との思い出の遊園地を訪れたきわは、死を装っていた久村と再会する。極道の筋のため、きわは久村に銃を向けた。