極道の妻たちのレビュー・感想・評価
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【岩下志麻さんの圧倒的な美しさと胆の据わった鋭い切れ長の眼と、かたせ梨乃さんの身体を張った演技に魅入られる作品。男なんてヤクザと言って威張っていても、所詮は女性の僕なんです。】
ー 五社英雄監督作品は、年代的に先日「鬼龍院花子の生涯」を初めて見たが、凄かった。
で、今作。前作でもそういうシーンはあったが、当時は若手女優さんを脱がせるシーンが多かったんだね。今作でも、かたせ梨乃さん演じる真琴が世良公則演じる極道杉田に、手籠めにされるシーンがあるが、真琴はそれで杉田に惹かれて行くように描かれる。
本当かな、とちょっと思った好きでないシーンだったな。
けれども、今作の大ヒットで、このシリーズが延々と作られたのだから、これは評価に値するであろう。
今作で言えば、レビュータイトルにも書いた、岩下志麻さんの圧倒的な美しさと胆の据わった眼と、かたせ梨乃さんの身体を張った演技に尽きると思う。
成田三樹夫(髪と額の生え目が、何となく怖い。)演じる小磯なんか、子煩悩で臆病なヤクザだし、完全に岩下志麻さん演じる環に、飲まれているもんな。
環の旦那で、組の総長(佐藤慶)なども、ビシッと白いスーツで出所するも、あっと言う間に撃たれるし、極道杉田も真琴豊満な胸にを置いたまま、アッサリ刺殺されるしね。
<男なんて、所詮は女性の僕なんだよな、と私は思ったな。今シリーズの熱烈なファンの方々、怒っちゃ嫌よ!>
タイトルなし(ネタバレ)
岩下志麻が、妹(かたせ梨乃)を絶対に極道の世界に入れたくない…!妹には普通の女の幸せを生きて欲しい…!という思いがめちゃくちゃ強いからこそ、極道の悲哀、残酷さ、厳しさ、姉妹の対立が際立って、この物語を魅力的にしているんでしょうね。
岩下志麻の圧倒的カッコ良さと美しさ、かたせ梨乃の脱ぎっぷり、姉妹の取っ組み合いシーンと濡れ場が見所。
個人的に思ったのは、かたせ梨乃が世良公則に乱暴されて、かなり無理矢理という形で処女を奪われるのですが、そういう経緯で自分を暴行した男に命がけで惚れてしまうというのが、今どきの若い女性には分かるんだろうか??「え、あんなひどいことされて、なんで?」ってならないかな~…なんて、ぼんやり思いながら鑑賞しました。以上。
ここから始まる極妻シリーズ
シリーズ物の第1作はやはりそれなりに面白い。志麻姐さん他出演者がみ...
惚れた男が極道やったんや!
「極道の妻たち」シリーズ第1作。
Huluで鑑賞。
原作は未読です。
これまでのやくざ映画では脇役だった女たちにスポットを当て、覇を極めようと戦い続ける男たちの裏で、その男を愛し力強く生きる極道の妻たちの姿が描かれていました。
やくざ映画において、ここまでストレートに男女の愛憎や家族愛・夫婦愛を描いた作品と云うのは、当時としてはとても斬新だったのではないかなぁ、と思いました。
“懲役やもめの会”のシーンでの、「極道の男に惚れたんやない。惚れた男が極道やったんや!」と云うセリフが印象的でした。極道の世界にいるだけであって、彼女たちがひとりの女性であることに変わりはない…。惚れて惚れて惚れぬいて、愛した男のためならば、命をかけることも厭わない。
ひとりの男を愛し、家族(=組織)を守るために奮闘する女たち―。その愛のために、命をかけて戦う男たち―。いつの時代も女は強し。男はただただ動かされるのみ…。
世相的にも男女雇用機会均等法が制定されるなど、男女平等の社会機運が高まっていた時期だったろうし、本作のテーマはどんぴしゃだったのでは? ―と想像しました。
マンネリ化していたジャンルに新しい風を吹き込んで見事復活させたと云うことは、まさにやくざ映画のパイオニアたる東映の面目躍如だよなぁ、と思いました。
――
岩下志麻の姐御としての圧倒的存在感と貫禄…。ばちぼこかっけぇかった! 下手だが味のあるコテコテの関西弁、着物姿の美しさ、強面の男たちの前での堂々とした佇まい、啖呵を切るときの鋭い舌鋒…そのどれもが圧巻でした。
そしてこちらも圧巻、かたせ梨乃。めちゃくちゃエロい濡れ場を披露してくれました。素晴らしい脱ぎっぷり! 女優魂の最たるもの。なんてナイスバディなのか…(゚A゚;)ゴクリ
世良公則との濃厚な濡れ場の最中に、腹上にて世良は刺されてしまい…。瀕死の状態でも乳首を吸い続ける世良と放心した表情のかたせ梨乃…なんとも味わい深いシーンでした。
そんなふたりの姉妹関係も本作の見せ場のひとつでした。長回しで繰り広げられた姉妹喧嘩は圧巻の一言。髪を振り乱し、叩き合い、へとへとになるまで喧嘩して、最後は縁切りのセリフを姉が口にするも、そこには惜別の情があり、妹に対する愛があり…。それが分かっていながらも、惚れた男の元へと戻る妹…。なかなかの名シーンでした。
【余談】
きらびやかな装飾、クラブを貸し切ってのやもめ会、グアムのコテージ、プライベート・クルーザーで海水浴…本編全体に漂うバブリー感にあてられました(笑)
冗談抜きで男と女の真剣な愛の物語です そして強い夫婦愛の物語であり、姉妹の愛憎劇です
北新地、ミナミ宋右衛門町、祇園の夜の町で遊んだことのある方なら如何にリアルであるか、笑い転げる程だと思います
端役に至るまで、役ごとの顔つき、髪型、服装、立ち振る舞い、言葉遣いなどから発する全体の雰囲気
ロケ先、セット、小道具
何もかもリアリティの塊です
岩下志麻の姉さんぶり
ド迫力、かつ物凄いリアリティがあります
これこそ姉さんです
かつ美しく惚れ惚れしてしまいます
別格の美しさです
結婚前は北新地のナンバーワンホステスであったとの設定に説得力があります
そして冗談抜きで男と女の真剣な愛の物語です
強い夫婦愛の物語です
姉妹の愛憎の物語でもありました
妹の真琴が杉田の潜伏先のアパートを訪れるシーン
安治川河口の辺りです
アパートの階段脇の外壁に九条OSというストリップ劇場のビラが貼られています
確かに追われているヤクザが潜伏しそうな界隈です
そこは1982年の市川崑監督の名作細雪で四女がバーテンの男と同棲を始めたのと同じ界隈です
特徴的な川と橋と両岸の町並みを同じ構図で捉えます
つまり五社監督はこのシーンで本作は細雪と同じく姉妹の愛憎物語でもあると説明しているのだと思います
結局、この二人の姉妹はお互いの最も大切なもの、愛する男の命を奪いあうのです
妹を演じるかたせ梨乃が、ウブなスナックのヘルプから次第に極道の妻へと変貌を遂げるのも見所で、本作のもう一方の主題でもありました
総長の妻、本家の姉さん役の藤間紫の貫禄は半端ありません
岩下志麻を完全に凌駕しています
この貫禄があってこそのリアリティです
冒頭の本家の姉さんの突然の登場で岩下志麻が慌てふためくシーン、仏壇のまえで岩下志麻が叱りとばされるシーン
どちらも白眉の名シーンです
1986年、バブルの直前の勢いが画面に反映されています
グアム島のコテージ、クルーザーとド派手です
そして現代
なにやら日本最大の組が割れて抗争しているとか
しかも、最近抗争している組の幹部の出所で、にわかに戦争になって、抗争相手の組の幹部がなんと自動小銃で銃撃されて殺されてしまうとか
まるで本作そのままです
しかしこの事件の記事を読むと、場末のくすんだようなしけた舞台、登場人物も老人ばかり
本作から30数年、日本の衰退も本作から感じてしまいます
劇中で極道というものは、自動車の排気ガスみたいなもんやという台詞がでてきます
その自動車の台数も減って、ロールスロイスやベンツではなく軽自動車ばかりになってしまったようです
しかもその自動車自体も排ガス規制対応エンジン、ハイブリッド、果てはEVとなって、排気ガスも限り無く出なくなってきたようです
逆に老人の運転する車の暴走の方が怖いかも知れません
撮影は森田富士郎
本作でも鬼龍院花子の生涯を思い出させる美しいシーンを随所に観ることができます
世良公則演じる杉田潔志が殺されるシーンでの窓に写る残照はことに心に残る美しさでした
かたせ梨乃
極道の妻たちが開くやもめ会。80年代のバブリーさも見受けられる。かたせ梨乃は20歳を過ぎても処女のホステス。芸能プロの社長だという杉田(世良公則)にも店で言い寄られていたが、リゾート地で偶然出会って、処女を奪われる・・・
ヤクザの抗争もの映画だけど、肉親とか夫婦の絆みたいなものを描いたもの。「脱ぎそうで脱がない女優」だったかたせ梨乃が大胆に脱いでいることが新鮮だったけど、その他には見る価値もないような内容。
最期、刺されて血まみれになってもかたせ梨乃のおっぱいを吸い続ける世良くんが印象的だ。
世良公則、かたせ梨乃、岩下志麻
極道の妻たち
ごくどうのおんなたち1986年
東映京都、五社英雄監督
家田壮子原作
実話を基にしたフィクションの第一作。
昭和末期のバブルはじける前の日本。
懲役やもめの会という極道の妻たちが集う会の会長が岩下志麻ねえさん。ひたすらバブリーな世界だ。
実の姉妹でふたりともホステスからヤクザの女房になってしまう設定。父は傾きかけた町工場経営。母が亡くなって七年。日々の生活は苦しい。
一方、家にプールがあるヤクザの親分。
ハワイで試し撃ち。暗殺にさすがにマフィアは使わないと思うが、そういう冗談を言わせるところがバブルぽい。
ヤクザにもピンとキリがある。あの男はキリのカスや。そのカスを愛してしまった女の話。
かたせ梨乃
岩下志麻
世良公則
清水宏次朗
成田三樹夫
小松政夫
竹内力
佐藤慶
おっぱい吸いすぎだろ!!!
極道の妻たち
「岩下志麻」目当てで観ましたが、途中からかたせ梨乃のおっぱいが・・・おいおい、いくら何でもおっぱい吸いすぎだろ(ラストシーン)!!!凄い濡れ場でした。今の時代ならAV女優がやりそうなことを、かたせ梨乃がやってた。
映画の中で岩下志麻は超越した存在(盤石な体制側)なんだけど、役者としても超越してた気がする。彼女が出てるシーンは何故か締まる。アクションシーンとかないですよ。ただの日常シーンなのに、なぜこんなにカッコイイのか。
僕が感じたのは発声の良さでした。あとは表情かな。あの達観しきった表情。それをやりつつも、演じてると感じさせないのが凄い。あと、思った以上に嫌な女の役だったんですね。
いやぁバブル時代のコンテンツは良いね。資本主義の権化と成り下がった(上がった?)岩下志麻(だってそう言う役なんだもん)に挑戦する、かたせ梨乃をはじめとする雑魚どものもがき苦しむ姿。泣けるわ。
誰かが言ってたっけ
魂は超薄切りにして売れって
だが俺の魂は高いぜ?
やっぱ80年代は良いわ。
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