兵隊極道
劇場公開日:1968年9月18日
解説
「前科者」の松本功と鳥居元宏が共同でシナリオを執筆、「代貸」の佐伯清か監督した“極道”シリーズ第三作目。撮影は「前科者」の鈴木重平。
1968年製作/91分/日本
原題または英題:The Bad Soldier
配給:東映
劇場公開日:1968年9月18日
ストーリー
昭和十二年、召集令状を受取った島村は、ライバルの榊原一家と大乱闘を演じた後、入隊した。暴れ者の島村の名は連隊中に知れ渡った。しかし、彼は中隊一の剣の使い手酒巻に散々打ちのめされた。酒巻は榊原一家の代貸だったのだ。ある日、榊原は島村の留守を狙って殴り込みをかけ、それに酒巻も公用外出の名目で参加した。しかし、島村もいち早く感づき、営門をくぐり抜けて榊原の片腕を斬り落した。そして、酒巻に迫った島村は、止めに入った酒巻の妹千賀子を見て愕然となった。彼女こそ、島村の入隊の時千人針を贈った当人だったのだ。島村は黙って引き下がった。それから一年。重営倉入り三十数回という島村は、大陸に転属され、白県守備隊に入った。そこには上等兵に進級した酒巻もいた。島村はそこで匪賊討伐に失敗、また憲兵に暴力をふるったことから三年の懲役刑を受けた。だが、豪放闊達な島村は暴れ者たちの人気を集め島村を中心に極道部隊が編成されたのである。一方、大陸に渡っていた榊原は吉岡参謀と組み、モルヒネを匪賊に横流して私腹を肥やしていた。榊原はまた、慰安婦も扱い、しかも、千賀子を手寵めにして慰安婦に仕立てていたのだった。そんな時、島村の部隊は物資輸送を命じられた。物資というのは実はモルヒネで、榊原はそれを故意に匪賊に襲わせる計画だった。しかし、荒野を走るトラックを襲った匪賊は、極道部隊のために敗退した。計画の狂った榊原はモルヒネを他のトラックに積みかえ匪賊との取引現場へ向った。一方島村と酒巻は、モルヒネ中毒で脳を犯された千賀子に会い、ことの次第を知ったが、酒巻は千賀子のあまりの惨めさに、涙ながら彼女を射殺したのだった。二人は手を握って、極道部隊を率い榊原の後を追った。そして榊原らが取引きの真最中を襲い、榊原や吉岡を斬った。だが極道部隊は匪賊の大軍に包囲されていたのだ。島村たちは上半身に手榴弾をくくりつけ抜身を振りかざして敵の真只中に突撃していった。