劇場公開日 2025年2月28日

「一人の人間として生きるとき、その時感じる世間の冷たさや静けさ」GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 saku_tuneさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0一人の人間として生きるとき、その時感じる世間の冷たさや静けさ

2020年8月11日
PCから投稿

本作は予告編や、前情報のみを頭に入れ作品をイメージすると
ハイレグ女性刑事がサイバーパンクの世界をベースに
ハイテク技術を使い、ドンパチやっていることがメインのアニメーションという印象を受けるかと思います。

しかしながら実際鑑賞してみると、その世界は
とても冷たく、静かな世界観でストーリーは進みます。

それは、サイバーパンクの世界観を用いた刑事物というよりは
サイボーグ化され、ネットワークで情報を共有できても
アイデンティティは各個人が持ち、他者とは簡単に意識は分かち合えない、
人間は個別であるということを再認識させるような、
哲学的な内容を感じさせてくれる作品です。

もちろん、マトリックス等のハリウッドアクションに影響を与えている
アクションシーンもとても良いのですが、
私としてはこの映画が持つ、とても冷たい、とても静かな世界観から感じられる
『人間関係とは何か』、みたいなところが好きです。

このような視点で見ていただくと、より一層楽しめるのではないかなと思います。

saku_tune