黄門社長漫遊記

劇場公開日:

解説

「気まぐれ鴉(1961)」の大和久守正のオリジナル・シナリオを「復讐は俺らの歌」の小石栄一が監督したサラリーマン喜劇。撮影は「べらんめえ中乗りさん」の西川庄衛。

1962年製作/86分/日本
配給:東映
劇場公開日:1962年4月4日

ストーリー

平和インスタント食品本舗は屈指の大メーカーだが、最近別府工場製造のラーメンの味が落ち、ライバルの豊臣食品KKに王座を奪われそうな状態である。しかも家道社長が脳溢血で倒れ、大久保専務以下社員一同は頭痛鉢巻。急使は隠居中の前社長水戸耕苹のもとへ飛んだ。かつて黄門社長として名を売った耕苹は、中国のバイヤー毛沢山氏が買付けのため来日するという際なので、品質低下の原因をつきとめようと思い立つ。そのついでに、家道が東京--別府間の各地に作った女性関係を断ち切ろうというのだ。が、病床の家道は稀代の好色爺耕苹に荒らされては堪らないと、通称格さんこと秘書の渥美格也に監視を命じた。折も折、別府工場の佐々助三郎は不正腐敗ぶりに我慢できず、陳情の目的で上京したが、耕苹が旅に出たと聞いてそれを追った。箱根に着いた耕苹は、家道の愛人カオリに引導を渡すが、そのカオリを口説いたり、吉田組の仙子に色目を使ったりの好色ぶり。助さんと格さんは、そんな耕苹が前社長とは夢にも知らない。耕苹は工場の腐敗を憎む若い二人と意気投合した。しかし、壁に耳ありとかで、女スパイ仙子は耕苹たちの行動を工場長の曽呂利に逐一報告したばかりか、別府入りの妨害をするのだった。曽呂利は豊臣食品と結託、故意に不良ラーメンを作っているのだ。やがて京都に着いた耕苹の一行は、家道の愛人で芸妓のたい子が、豊臣社長や曽呂利と白浜に出かけたと聞いて直ちに紀州へ向うが、仙子に裏をかかれてしまう。だが、色仕掛けで仙子に泥を吐かせ、豊臣一味の陰謀を知った。それによれば、毛沢山氏の来日を二日早め、豊臣食品が契社を結ぼうというのだ。かくて、舞台は別府へ。耕苹主従は工場の女秘書で助さんの恋人のつぼみの応援を得て、地元のヤクザ蜂須賀組を手先に、野望を遂げようとたくらむ豊臣派を相手に大活躍。毛沢山歓迎レセプションの会場で、豊臣派と彼らの仲間だった大久保専務を征伐、中国との大量契約を見事にとりまとめることができた。

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