幸福(1981)のレビュー・感想・評価
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意外な犯人
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本屋で突然銃を乱射した奴がいて、店内にいた3人が死亡。
うち1人は女性で、管轄の刑事永島の婚約者だった。
刑事らと検事の水谷は捜査を始める。
女性についても色々と調べ、永島も知らなかった事実が色々と明らかに。
が、結局は女性はただの巻き添えだった事が判明。
殺された1人に金を借りてた奴が犯人だった。
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うーん、これは何を言いたい映画だったのだろう?
典型的なサスペンスという感じはしない。犯人があり得なさ過ぎやから。
結局上記のように女性は偶然巻き込まれただけやったわけで、
それまでの捜査は、犯人の検挙という意味では全てが無駄。
犯人は最後の15分になって急に登場する人物やし(場)
なのでテーマはおそらく家族という事なんだと思う。
水谷には子供2人を置いて突然家を出て行った別居中の妻がいる。
被害者女性も父親との間に溝を抱えていた人物だった。
でも最後、突然犯人の名前が挙がり、すぐに身柄を確保できたが、
それで終わりで、水谷が家族の絆を取り戻すようなシーンはない。
何か全てが中途半端で終わったような印象やったなあ。
まあ昭和の古き良き時代の日本を見られただけでもええねんけどね。
あとウケたのは「関西ではそば屋の事をうどん屋と言う場合がある」って事。
言わねーよ(場)、しかもそれによってダイイングメッセージが解明されるし(場)
今は単なるおっさんの水谷やが、昔は格好良かったんやなって嫁が言ってた。
幸福とは、とときには立ち止まって考えねば
市川風、銀残しの画面のとおり、全編渋く、静かで、悲しい。私の中では忘れられない邦画の名作。
若い北刑事(永島敏行)の、最愛の人を喪ったと知った嗚咽のシーンは、40年経った今も夢のように覚えてます。
1982年か83年、シネマート新宿の前身の名画座で同級生と鑑賞。併映はたしか「トロン」(1982)と「アモーレの鐘」(1981)。当時若者たちの間で話題となった世界初の”コンピューター”映画をロードショーでは(料金が惜しくて)見逃し、最後のチャンスと銘打った名画座公開を見に行きました。
当時は洋画話題作のメインと、別の併映セットから小品を持ってきて2作品3作品上映する名画座が各地にあり、邦画2作品には全く期待していませんでした。「アモーレの鐘」の方は城戸真亜子が呆然と立っているシーン(何故かそれは覚えている)と腹立たしくつまらなかった印象のみでしたが、本作は結局トロンよりも衝撃を受け、若造のくせに泣いた記憶さえあります。
それが多作上映名画座の副次的な醍醐味(もちろん第一はコスパ)でしたが、1日がかりで挑む5作品上映館もあった浅草の映画街消滅を筆頭に、二十世紀の行きつけは殆どなくなってしまいました。
このころの水谷豊よかったな〜
幸福を噛み締める。
自分の中で、オールタイムベスト1映画
約37年前の日本、貧富の差、バブルでどこか狂ってる東京、そんな東京を『銀残し』と言う方式の、独特なカラーで撮影した作品で、ノスタルジック的でありながらも、どこか違う国を見ている気分にさせてくれる。
主人公の刑事、村上(水谷豊)は、妻に逃げられ、二人の子供と生活している、何処と無くギクシャクした生活で、どこか仕事に幸せを感じていた。
ある事件で同僚の婚約者が殺され、捜査をしていくと、そこには、不幸な連鎖と歪んだ繋がりがあり、捜査の進行と共に、生活が追い込まれていく…
『幸福』とは、『愛』とは、最後にみせる、刑事村上のある行動とカメラのカットが、まさに幸せを噛み締めている。
市川 昆監督の独特な映像も素晴らしいし、刑事ドラマとしても抜群に面白い。
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