ケルベロス 地獄の番犬

劇場公開日:1991年3月23日

解説

近未来都市を舞台に、国外逃亡した元特殊警察の一員と、彼を追う若き男女の姿を描くSF映画。脚本・監督は「MAROKO 麿子」の押井守。撮影は「紅い眼鏡」の間宮庸介がそれぞれ担当。

1991年製作/99分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1991年3月23日

あらすじ

荒廃と腐敗にまみれた近未来都市・東京。従来の自治体警察の治安力をはるかに越えた組織的な犯罪がはびこる中で、「首都警」こと首都圏治安警察機構が生まれた。首都警は次第に強力な権力を発揮するようになり、外部からの批判も高まるが、核部隊ケルベロスの批判は激しかった。そしての50名の特機隊からなるケルベロスが解体の危機に瀕する中で何人かが反乱を起こした。乾もその一人だったが、彼らの力も治安部の膨大な力の前では無力に過ぎず、ただ一人国外逃亡を果たした都々目を除いて、全員鎮圧されてしまう。三年後、出所した乾は、都々目の居所に関する情報を得て出国する。乾にとって都々目は兄と慕うほどの存在だった。謎めいた白服の男の手引きで、乾は都々目のアジトを訪ねたが、そこには都々目の姿はなく、彼の愛人だという少女・タンミーがいた。都々目の行方を追い、旅に出る二人と、その後を密かに追う白服の男。やがて思いがけない場所で都々目と再会した乾は、しばらくそこで幻想的な日々を送るが、次第に都々目の裏切りという真実か明らかになる。それを知って激しいショックを受ける乾。そんな時、白服の男によって、彼らに攻撃を仕掛けてくる特殊公安部を相手に、乾はプロテクト・ギアを身につけ、ただ一人破滅に向かっていく。そして、そんな乾の最後を見届けた都々目は東京へと舞い戻るのだった。

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スタッフ・キャスト

監督
押井守
脚本
押井守
エクゼクティブ・プロデューサー
渡辺繁
山田登
企画
早川忠継
岡正
プロデューサー
上野澄明
林大介
制作
オムニバスプロモーション
撮影
間宮庸介
美術
手塚常光
音楽
川井憲次
録音演出
浅梨なおこ
照明
保坂芳美
編集
森田清次
助監督
松本祐幸
スチール
樋上晴彦
造形デザイン
出渕裕
造形技術
品田冬樹
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映画レビュー

3.0 亡命する野良犬は、主人の元へ

2026年6月11日
iPhoneアプリから投稿

首都警特機隊(通称ケルベロス)解体に伴う、「ケルベロス騒乱」事件から三年。元特機隊員の乾は、当時ただ一人国外へ脱出した上官、都々目紅一を追って、仮釈放中の身でありながら台湾へ出国する。当地で紅一の逃亡に協力した逃亡援助組織のエージェント林と接触すると、紅一は地元の犯罪組織とつるんで汚い金を稼いでひと悶着起こした挙句、タンミーという少女の所にかくまわれているという情報を入手する。
憤りを隠せない乾はタンミー宅を急襲するものの、そこに紅一の姿はなかった。タンミーから紅一が「家出した」と聞かされた乾は、彼女と共に紅一の行方を求め台南へと向かうのだった。

『紅い眼鏡』が饒舌なカンバセッションに満ちていたのに比べて、こちらは川井憲次のセンチメンタルを誘う音楽と、氾濫する台湾の生活音で満ち溢れている。
いわゆるMan searcherものになるのだろうが、ロードムービーというほどにはほとんどストーリーがない。なにしろ当地でのトラブルに見舞われた押井が、結果としてバイオレンスアクションを放棄せざるを得なかったからだ。この落差に、普通ならそこで寝る。それでも前回『赤軍―PFLP 世界戦争宣言』を観た影響もあってか、『ケルベロス』は架空の出来事を扱ったドキュメンタリー(モキュメンタリー)という印象だ。連続して映画を観る時には、食べ合わせもなかなか重要である。若松監督はパレスチナで、一方押井監督は台湾で、戦争を継続中の兵士を撮ったのだ。調べてみれば、どちらも〈日本政府〉から承認されていない。いや、決して日本は主人ではないのであるが……。
何ものが自分にふさわしい忠誠を誓う主人であるのか? 国家とか思想とか、あるいは……だがそんなことがありうるのだろうか?
あてどもなく乾とタンミーは車を走らせる。映るのは台湾の街並み、台南野球場に鹿耳門天后宮、移動舞台による極彩色の演劇。そこにモノローグによって忠誠を誓うべき主人の《所在》について都々目から語られる。タンミーの後姿を追って路地裏を進むシーンは夢を見ているようで『路地の子』のテキストを彷彿とさせる。カメラは次々と近代化によって――つまりは野良犬が駆逐されること――によって消されてゆく街の記憶そのものを追っているのであり、都々目はそのためのダシでしかないのかもしれない。このともするとけだるい時間のおかげで、ラストの戦闘シーンのカタルシスとカタストロフすらどうでもよくなってしまう。おいおい、ガンエフェクトやプロテクトギアよりも台湾の町並みとか、よくわからんけどなんかうまそうに見えるジャンクフードとかのほうが映画しているとはよほどどうかしているぞ(歓喜)。
どうでもよくなってしまう、とは言ったもののラストの戦闘シーンは圧巻である。

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パッチワークす

3.5 ケルベロス・サーガ

2023年12月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

台湾の風景を味わう映画。最後の数分だけはガチ。
例によって賛否両論だが、ケルベロス・サーガの軌跡として重要なのは確かかも。

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Gozzi

1.0 まだ押井守らしさが出てない

2019年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 紅一という男を追っている乾。台湾にしばらく住んでいたという女とともに探すことに・・・

 「命令されるのは好きか?」と訊ねる紅一。どうも犬の習性が身についてしまているような。そんな会話をはさみ、映像は台湾の町並を流すだけ。台詞からはハードボイルドのような雰囲気も漂っている。

 やがて3人が共同生活し、その心象風景を中心に。しかし平穏な日々は、銃を持ったわけのわからぬ白塗りの男たちに乱される。重装備した乾との銃撃戦。

 “犬”を強調するものだから、もっと支配者と被支配者との本能的なヒエラルキーを感じさせるものかとおもいきや・・・単なる感傷的なハードボイルドであったことが残念だ。というか、面白くない!音楽だけは雰囲気があってよかった。

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kossy

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