劇場公開日 1970年8月11日

「実は走馬灯の如き短い時代」激動の昭和史 軍閥 あっきーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5実は走馬灯の如き短い時代

2020年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

226から敗戦までの9年間早送りのため「日本の一番長い日」や「沖縄決戦」に比べ大味なのは否めず。他の映画からの使い回しも多く、8.15でなんか作らないといけないから…といったやっつけ感も少々。ただそのおかげで雪の中の蜂起から本土が焦土と化すまであっという間だったことを実感できる(ちょうど東日本大震災から今日までとほぼ同じ)。日本がなぜこんな理不尽な大戦争をしかけたのかいまだに腑に落ちないが、一等国入りのため多くの犠牲を払って手に入れた領土を今さら手放せないという切迫感と、当時の日本でズバ抜けた高い知力を持つはずの高級参謀達にいつのまにか浸透した楽観主義がそうさせたのかなという気がする。何せ日本海海戦以来、大幅に戦力劣勢でもラッキーパンチ当たりまくりだからなあ。(ノモンハンでなぜ冷静にならなかったのかな)。最近は評価が見直されているようだが、国民絶賛の山本五十六に比べ東條英機の独善性や直情径行さが強調されていて幾分気の毒な気も。最後は全責任を無理やり負わされた感じ。また天皇と政府を取り持つ内大臣という機能に日本固有の間接話法多用による胡散臭さを感じた。

あっきゃん