激動の昭和史 沖縄決戦のレビュー・感想・評価
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悲しい歴史
ほぼ史実通りと思うと、とてもその時代に生きていく自信が無い 沖縄にも行ったし知覧も2回行き、長崎も広島も訪問した そのたびに明日からまた一生懸命がんばろうと思った この映画を見た後は正直つらかった この時期は色んな番組で戦争特集や戦争映画が放映されるが、76年たった今も忘れてはならない1ページ もし、こうしてたら、ああしてたらが一杯あって、そうしてたら多くのいのちがきっと救えたのにと思う この映画もそう感じさせられる場面がいくつもあって・・・ ウソの情報で国民をだましてたあの頃と情報を隠したり改ざんしたりしている今の政治とどう違うのかと思ってしまう さずかったいのちを大切に今はコロナと戦うぞ それにしても出てきてた役者の方に故人が多くその活躍を拝見できて良かった それが救い
仁義なき沖縄戦
フィルムの質感から鑑賞中は沖縄の風景、潮の香り、汗と血が混ざったような生々しさが画面から伝わり心が揺さぶられた。
沖縄は行ったことがないけれどそこでありとあらゆる人間、大人、子供、老人、男女関係なくありとあらゆる人があの地獄のような沖縄戦で無惨にも亡くなっていく様子はこの世の地獄絵図をありありと目にたたきつけられ戦慄を覚える。
この映画の作りは鮮血が生じている場面でも絵自体はとても綺麗だと思った。場面場面は目を背けたくなるシーンの連続だが人が死んでいくときが妙に明るく、その時に流れるBGMも悲壮感を感じられない。色も鮮やかで一種のアートのようなものを見ている気になる。
それは沖縄戦という壮絶な地獄を敢えて俯瞰して描こうとしたからなのかもしれない。結果的に大本営は沖縄を見放し、軍人も自決という道を選択し残された島民もまた毒を飲んだり自分の家族同士で殺し合いをしたり到底今の時代からは考えられない現実はそこにはあったと思うし、鑑賞中は様々な感情が巻き起こったがとてもよく描けていたと思う。
岡本喜八の名作
50年前の映画で、
冒頭に「黄門さま」が出ててびっくり。
でも、やはり古い映画だけに、日本軍独自の訓練、演習のシーンかと思ってたら、それが米軍からのホントの攻撃のものだったり、兵隊らの倒れる様だったり、なにかと「ちゃちい」印象は否めない。
リアリティに欠けるのはしょうがなく、特撮の爆破のようなかんじでなかなか入り込めて見られなかった。
途中で「休憩」と称して真っ暗になる時間があったり。
でも史実を伝える力作であることは確か。
過去の実際の映像を挟みながらもこの狂気の時代を描いた作品ではあった。
あれだけの物量を誇る米軍にそこまで粘らずとも、あと半年、ホント、あと半年早く日本の政府が決断して戦争が終わってたら、こんなひどい悲劇はなかっただろうに。
若い人もたくさん亡くなって、当時の政府もおかしかったし、死に急ぐ軍人もそうだし、ただただ「戦争の愚かさ」を感じる。
本作は「日本のいちばん長い日」の続編だと思います
1971年8月公開
東宝8.15シリーズは、1967年から1972年まで6年間続きました
ラインナップはこうです
1967年「日本のいちばん長い日」
1968年「連合艦隊司令長官 山本五十六」
1969年「日本海大海戦」
1970年「激動の昭和史 軍閥」
1971年「激動の昭和史 沖縄決戦」
1972年「海軍特別年少兵」
このうち岡本喜八監督は、第1作と本作の第5作を撮影しています
本作はその第1作「日本のいちばん長い日」の続編とも言うべき作品と思います
本作は1944年の3月から6月にかけての物語、「日本のいちばん長い日」は同年の8月14日から15日にかけてのことですです
ですから、もちろん物事の時系列では本作の方が先になります
それでも本作が続編のように感じます
それは「日本のいちばん長い日」で、軍部が主張した継戦、徹底抗戦、本土決戦とは何か?
もし本当にそれが行われていたら日本は一体どうなっていたのか?
それの回答が本作だからです
「日本のいちばん長い日」と同じ手法で本作は撮影されています
大量の情報をどんどん羅列していくのです
その手法は同じものです
沖縄であったことが、確実に本土でも起こった筈と理解できると思います
沖縄だからではなく、本土でも軍は住民よりも戦闘行動を優先したであろうことも
このような悲惨な沖縄戦を徹底的に描いていても
公開当時、沖縄県民から厳しい批判を受けたそうです
こんな生易しいものではない!
もっと悲惨な言葉につくせないものだと
それほどの戦いだったのです
本作公開は1971年8月
沖縄返還協定が調印されたのは同年6月
そして沖縄の日本復帰が果たされたのは、1972年5月のことでした
つまり本作はその前につけなければならないけじめを、せめて映画だけでもつけようとしたものだと思います
沖縄県民の目からすれば不十分なものであっても、それでもしないよりはずっとましです
21世紀の現代
戦後生まれ、それどころかその子供や孫の世代にとっては、遠い遠い大昔のことかも知れません
しかし私たちが平和な日本に生まれて生きているのはこの沖縄戦の悲惨な結果の末にあると言うことは意識しなければならないことです
だからあの時何があったのか
どのような、経緯を辿ってあのような事態に陥ったのか
それを少なくとも本作はそれを伝えてくれます
私たちは本作を観てその過程を知ることが大事なのだと思います
国民性は、数十年も経過して、世代が代わっても変われません
また同じ過程を繰り返してしまうに違いないのです
東日本大震災で私たちはやはりそうであったことをもう経験しているではありませんか
シン・ゴジラでは庵野監督がゴジラを通してそれを教えてくれています
「日本のいちばん長い日」は、近い将来また来ると思います
その時、辿る過程はまた同じように繰り返えそうとするでしょう
その時、本作の悲惨さ
その辿る過程を、国民、政治家のどれだけ多数が思い返すことができるか
それが、その時下すべき国と国民の命運を左右する決断を正しいものに導けるのだと思います
だから本作は「日本のいちばん長い日」の続編だと思うのです
「日本のいちばん長い日」と本作を是非セットでご覧頂きたいと思います
永遠の名作だと思います
踊る婆と戦車砲
6月23日は慰霊の日
慰霊の日に何か出来ることはないかと、この作品を観ることにしました。史実に基づき細かな軍部の動きなどを再現してあり、ドキュメンタリー作品を観ている気分にさせてくれた。ドキュメント映像とともに人間模様を描いてはいるけど、再現フィルムっぽくて感情移入を許さない、逆に島民や兵士の一部となって観ることができました。
特に詳しかったのが、第三十二軍を中心に大本営とのやりとり、第九師団が台湾へ引き抜かれたことなど、沖縄を本土決戦の盾にしている様子でした。民間側としては数々の洞窟における避難や集団自決など、知っていることもあれば、初めて知る史実もあり、満足いく内容でした。
淡々としたエピソードのほか、散髪屋・比嘉三平を演ずる田中邦衛もストーリーを引っ張る重要な役目でしたが、ところどころにユーモアを取り入れ、人間のにじみ出るおかしさも喜八監督や新藤兼人らしく描かれています。そして、兵士によって壕を追い出されたり、スパイだとして撃ち殺されたり、戦争による狂気もしっかり描かれてます。
なんと言ってもオールスターキャストであるところが凄い!スターであっても惜しみなく使い、死にゆく様子を描いています。火薬の量も半端ないと思うし、スピード感もある。美しい死にざまなんてない、10万人の兵士・15万人の県民の死は今でも忘れてはならない事実だ(兵士よりも県民の犠牲者が多いのも特徴)。72年に返還されるも、いまだ米軍基地が住民を苦しめている事実も考えなければならないと思う。
沖縄が戦場だった日々
東宝8.15シリーズ第5作。
Blu-rayで鑑賞。
監督・岡本喜八、脚本・新藤兼人、キャストに小林圭樹、丹波哲郎、仲代達矢他オールスターを配し、沖縄戦の悲惨さを迫真のドキュメンタリー・タッチで描き出した戦記大作。
沖縄戦の始まりから終わりを冷徹な眼差しで俯瞰する。よって、その痛み、怒り、苦しみ、悲しみが浮き彫りになる。
本土防衛の要とされながら、兵力の抜き去りなどによって当初計画は水泡に帰し、島民を巻き込んだ激しい戦闘へ…
老いも若きも男も女も、区別無しに命を落としていく。地獄絵図と云う表現が生易しく聞こえるほどの惨状である。
追い詰められ自決する人々。軍人だけでなく島民も散る。何故、島民まで犠牲にならなければならなかったのだろう。
亀甲墓で無理心中を図る一家。生き残りの老婆が発狂し、墓の前で踊る。そこへ迫る米軍戦車部隊。…戦慄を覚えた。
民間人を巻き込みながら勝てる見込みの無い戦闘を続け、もう後が無いとなって面子のためにさっさと自決してしまった第三十二軍の上層部には、ほとほと呆れるしか無い。
犠牲者数のテロップが出た時、怒りか悲しみか、なんと形容すれば良いか分からない感情がこみ上げた。軍の犠牲者より、島民のそれの方が多かったからだ。このような悲劇は二度と繰り返してはならない。多くの犠牲者の血が染み込んだ沖縄と云う場所が、強く訴え掛けているような気がした。
※修正(2025/07/30)
亀甲墓前で迫りくる戦車を前に踊る老婆
物語の目線が人間に置かれていない。客観的に戦争を観察している映画だ...
沖縄が流した血
“東宝8・15”シリーズ第5作。
監督・岡本喜八、脚本・新藤兼人、キャストに小林桂樹、丹波哲郎、仲代達矢ら豪華な布陣。
1971年、沖縄返還協定調印時に公開され、沖縄の悲劇を描いた戦記大作。
太平洋戦争末期。各地で玉砕・陥落続き、次の標的は何処か。
本土防衛の要として、大部隊が沖縄に着任。
かくして、それを上回る米軍の大部隊が上陸する…。
脚色や創作が加えられてるが、史実が基。
実録映像やナレーションで語り進められていくドキュメント・タッチ。
豪華名優たちによる劇ドラマは軍視点。
同監督の『日本のいちばん長い日』ほどシリアスではなく、スケールもデカく、派手な爆発の見せ場もあり、お馴染みの特撮もありでエンタメ色も濃い。
一般市民の描写がユーモアも加味。
それがまた悲劇との対比。
戦争は沖縄県民をも巻き込む。
集団で手榴弾で自殺。死に損ねた者はお互いを殺し合う。
野戦病院で多くの負傷者と自決。
その光景はゾッとするほど凄惨。
8・15に終戦。日本各地深刻な大被害を受けたが、本土上陸・侵攻は免れた。
…が。
米軍の侵攻に対し軍が沖縄を守り、戦ってくれると信じていたのに、県民も戦争に駆り出され、多くの血が流され、沖縄は占領された。
自分は沖縄に行った事は無いが、日本でありながら南国気分を味わえる“陽”のイメージ。死ぬまでに一度は行ってみたい。
その土の中には大量の血が染み込み、県民の記憶に深い傷痕を残した。
今も新たな問題も。
沖縄の悲劇はそう簡単には癒えない。
死屍累々の中の個々の死
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