警察日記のレビュー・感想・評価
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ほのぼのしていない
予想に反して、メリハリが効いたドラマチックな内容です。 貧困、淡い恋慕、弟を想う少女、母を見つめる少年、事故、酔っぱらいの役人、騒動… 絡みあう錯綜の渦が良い意味で観る人を裏切ってくれます。
まだ戦後
田舎の結婚式、花嫁も路線バスに乗るのだが、親戚の人たちはバスの運転手にまで酒を勧める。飲んだんだろうか?まぁ、当時なら許されるのかもしれないが・・・ 様々な事件が起きてしまう田舎町。基本的には捨て子騒動。この子役である二木てるみの演技が絶品だとあちこちのレビューで見られるほど。そして、モグリ周旋屋杉田モヨ(杉村春子)に身売りされかけた二田アヤ(岩崎加根子)の事件。モヨを送検するにあたって、労働基準局との管轄争いになるというのも面白い。 まだ“戦後”が色濃く残り、子供5人を戦争で亡くした東野英治郎演じる元小学校校長の気の狂った姿も印象的。貧しい農民と、夫に家出された女と子。そして捨て子騒動の母親も夫に死に別れたという。あまり強調されてはいないが、最初に恋する女を金持ち男に取られてしまった伊藤雄之助が自衛隊に入隊するなんて結末は、これもまた貧乏で仕事がない男は自衛隊に入る道しかないということか・・・女にしろ、身売りが当然のように行われて、金持ち男に嫁がねばならない現実。
当時の理想の日本風景
「空襲だぁ」「ばんざーい」と叫んで回る軍人さんに対する周囲を囲む温かい空気。ユキ子役の女の子のせつない表情が印象的。警察官みんな優しい。豊な映画だった。
これぞ日本映画
昭和30年前後から40年初めまで、どういうわけか名作が多い。 泣けた。 とにかく出演者がすごい。 誰が主役なのかわからないが、三國連太郎、宍戸錠(デビュー作らしい)、東野栄二郎、森繁久弥、伊藤雄之助……まだまだ大勢。 この二木てるみ以上の子役は未だ見たことがない。「おしん」を遙かに超えている。 昨今の映画とは全く異質だけど、こういう日本映画文化を誰か引き継いで欲しい。
どんなに貧しくても日本人の心の豊かさ、優しさが息づいていた。取り戻...
どんなに貧しくても日本人の心の豊かさ、優しさが息づいていた。取り戻す事のできない古き良き時代。子役の二木てるみの演技が素晴らしかった。モノクロでも磐梯山の山並みや田舎道の風景の美しさが伝わってくる。
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