劇場公開日 1955年2月3日

「まだ戦後」警察日記 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0まだ戦後

2019年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 田舎の結婚式、花嫁も路線バスに乗るのだが、親戚の人たちはバスの運転手にまで酒を勧める。飲んだんだろうか?まぁ、当時なら許されるのかもしれないが・・・

 様々な事件が起きてしまう田舎町。基本的には捨て子騒動。この子役である二木てるみの演技が絶品だとあちこちのレビューで見られるほど。そして、モグリ周旋屋杉田モヨ(杉村春子)に身売りされかけた二田アヤ(岩崎加根子)の事件。モヨを送検するにあたって、労働基準局との管轄争いになるというのも面白い。

 まだ“戦後”が色濃く残り、子供5人を戦争で亡くした東野英治郎演じる元小学校校長の気の狂った姿も印象的。貧しい農民と、夫に家出された女と子。そして捨て子騒動の母親も夫に死に別れたという。あまり強調されてはいないが、最初に恋する女を金持ち男に取られてしまった伊藤雄之助が自衛隊に入隊するなんて結末は、これもまた貧乏で仕事がない男は自衛隊に入る道しかないということか・・・女にしろ、身売りが当然のように行われて、金持ち男に嫁がねばならない現実。

kossy