黒蜥蜴(1962)
劇場公開日:1962年3月14日
解説
江戸川乱歩原作を「爛」の新藤兼人が脚色、「女房学校」の井上梅次が監督したミステリーもの。撮影は「夢でありたい」の中川芳久。
1962年製作/101分/日本
配給:大映
劇場公開日:1962年3月14日
ストーリー
宝石に異常なまで心をひかれている美しい女賊黒蜥蜴は、宝石商岩瀬の令嬢早苗を大阪ホテルでまんまと誘拐してしまった。その場には名探偵明智小五郎が数百万円の護衛費をもらって早苗を見張っていたにも拘わらず、早苗は誘拐された。だが、明智は部下を要所、要所においてあった。早苗はその部下によって取り返された。明智は犯人をその場所に居合わせた緑川夫人を黒蜥蜴だと見破った。黒蜥蜴は、必ず岩瀬の持つアラビアの星をもらいに来るといって姿を消した。東京へ帰った岩瀬は、早苗を自室に閉じこめ、用心棒を雇って警戒は厳重を極めた。しかし、その警戒の目を潜って黒蜥蜴は早苗をまたもや誘拐した。そして、身代金にダイヤアラビヤの星を要求して来た。黒蜥蜴の乾分雨宮は、黒蜥蜴の美貌に心惹かれ、奴隷のごとく黒蜥蜴に仕えていた。だが、黒蜥蜴は、自分の好敵手明智に女心を燃やしていた。岩瀬は指定の場所東京タワーにダイヤモンドを持っていった。黒蜥蜴はダイヤを受取るや、素速い変装で海上に逃れた。明智も黒蜥蜴の乾分松吉に身を変えて、黒蜥蜴の船に乗りこんでいた。やがて船は、ある無人島に到着した。ここには黒蜥蜴が集めた美術品がかくされてあった。人間の剥製や数々のダイヤモンド。無人島の地下室は宝庫であった。黒蜥蜴は早苗を剥製にしようとした。それをかばった雨宮は、早苗と一緒に明日の朝剥製にされることになった。その時、本物の早苗が明智の部下に伴われて無人島に現われ、黒蜥蜴に捕われた。明智が今日あることを予期して影武者を置いておいたのだ。明智は松吉の変装をかなぐり捨てた。その時には、明智の連絡で島は警察隊に包囲されていた。黒蜥蜴は毒を呻り、明智を愛しているといって死んでいった。