劇場公開日 2025年8月22日

「45周年を経てもなお破格の存在であり続ける」狂い咲きサンダーロード 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

3.545周年を経てもなお破格の存在であり続ける

2025年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

私は石井監督の初期の四半世紀には全く間に合わなかった世代で、初めて触れたのは『五条霊戦記』(00)。世のメジャー作とはテンション、スケール、映像文法が破格に異なる作りに仰天したのを覚えている。翻って『サンダーロード』は石井が学生時代に制作した伝説の自主映画。このたび45周年を記念して公開されるリマスター版には、映画史的な重みや年輪などを軽く凌駕する、いまだ有機的に呼吸しているかのような強炭酸の発泡性が満ち溢れていた。無軌道な暴走族を描きつつも、彼らの全盛期に焦点を当てているわけではない。むしろ周囲がルールに縛られて大人になっていく中で、その時間の流れに抗うように一人孤独に、がむしゃらに走り続ける主人公の生き様を刻む。それはひとえにカメラ片手に半世紀の爆走を続ける映画監督、石井聰亙の生き方そのもの。あと全編を彩る泉谷しげるの歌と、かなりぶっとんだ役柄を担う小林稔侍の兄貴分的な存在感が素敵だ。

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牛津厚信