蜘蛛の瞳のレビュー・感想・評価
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復讐を果たした男の"抜け殻"を描く不思議な作品
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哀川翔主演のVシネ劇場公開作品。監督は黒沢清。
今回初めて観たが…不思議な作品だなぁ…。
ストーリーは、愛する娘を誘拐殺害された男が復讐を果たす場面から始まる。
絶えず時系列を行き来する編集で、普通ならば“復讐に行き着く”までを描くのが普通なのに、この作品は復讐を果たしてしまった後の“抜け殻”になってしまった内面を、訳在って殺し屋家業に足を踏み入れた男の話になっている。
主演の哀川翔は相変わらず、どこから見ても哀川翔で(笑)時折入る長廻しが、彼の持ち味と併せてクスクスと笑わせる要因になっている。
特に大杉漣と菅田俊との追っ掛けっこによるすっと呆け振りが見物。
家庭内に漂うパラノイヤ感覚と、暴力描写に於ける編集での省略化、及びラストの居心地の悪さ。これこそが黒沢清作品らしさだろう。
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