「初代実写金田一の名にかけて!」金田一少年の事件簿 上海魚人伝説 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
初代実写金田一の名にかけて!
ひょっとしたら最も有名な“金田一少年”は原作漫画でもアニメでもなく、本作と“彼”かもしれない。
多くのジャニーズ・タレントが演じ登竜門となったが、初代!
はじめに堂本剛、美雪にともさかりえ、剣持のおっさんに故・古尾谷雅人。
いやはや、懐かしい~!
昔、土曜の夜9時のドラマを見てたね~。
初めて見た“金田一少年”もこのドラマだった。ドラマから原作漫画やアニメに入っていた。同じ人も少なくない筈。
その後松本潤や亀梨和也や山田涼介らイケメンが演じたが、やっぱりこの“堂本はじめ”が一番しっくり来る。雰囲気も原作のイメージに最も近い。
すっかり大人の女性になったともさかりえもまだまだ可愛らしい女の子。
古尾谷雅人の剣持のおっさんも好きだったなぁ~。自殺はショックだった…。
印象的なカット割り、編集、効果音…個性的な堤演出も当時は斬新であった。今見ると『トリック』的なパロディーに見えてしまうが、堤幸彦監督にとっても出世作。
テーマ音楽も今でもはっきりと覚えている。
で、その劇場版。
美雪の文通友達である中国雑技団の娘からある依頼が。
団長の父が殺され、兄が疑われ、助けて欲しい、と。
はじめと美雪は上海へ。
正直この“上海魚人伝説”、実写映画になるような特筆すべき事件簿でもないような…。
事件も真相も、定番パターン化。
本作が映画になるのなら、他に映画で見たかった事件簿が幾らでも。例えば、“オペラ座館”は勿論として、“飛騨からくり”とか“異人館村”とか“墓場島”とか、それこそ映画的面白味あるのは“金田一少年の殺人”とか、個人的に好きなのは因縁の地獄の傀儡師が登場する“魔術列車”とかとかとか…。
強いて言えば、映画ならではの上海ロケか。
昔見た時も思ったが、作品的にも可もなく不可もなく、平凡かそれ以下。
今回劇場で観て以来おそらく実に20数年ぶりの鑑賞になったが、印象はやはり変わらず。
真犯人もあのクマのシーンですぐ分かる。
はじめと中国人青年の友情や殴り合うシーンとかクサイ演出。
中国警察の描かれ方、無能っぷりはステレオタイプ。
水川あさみ他中国人俳優も皆お下手…。
わざわざ堂本剛の為に用意されたような上海の町をローラーで走るシーン。
ラストは唐突な美雪の転校と告白で締め括り。
土曜の夜のドラマの延長線。アイドル映画。
まあでも今回、機会あって懐かしく久し振りに見れただけでも。
…となると気になってくるのは、ドラマシリーズ。
エンディングのドラマの名場面を見てると、こちらもまた見たくなってくるね。