「錚々たる役者たち」獄門島(1977) talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
錚々たる役者たち
70年代に流行った金田一映画は全部見た気になっていたが何度も見たのは「犬神家」だけで後は原作を読んでいただけだった(個々の内容はもう覚えてないです)。だからこの映画も初見で新鮮で面白かった。役者の豪勢さに目を奪われてうきうきしてしまったので名前を書かせて下さい!太地喜和子(この時34歳!大人の女ー!)、大原麗子、三木のり平、加藤武、大滝秀治、草笛光子(金歯に凄み)、三谷昇、松村達雄、佐分利信、東野英治郎、司葉子、坂口良子…。
映像、カメラワーク、編集、スピード感、でかい文字のフォントが市川崑だなあと思って楽しかった。冒頭のキノコ雲と復員兵の様子と昭和的ナレーション、一方でエレキギターだかウクレレがハワイムードを醸し出していた。ドラムも何度も聞こえた。
旅回りの役者の話も胸をくすぐられた。道成寺、狐忠信、葛の葉子別れ。最後の二つは親と子の悲しい話。親を慕う子、引き裂かれる思いで子から離れなければならない母親。上手い構成だなあ。古さを感じなかった。蝉の音、冷や麦、絽などの着物で夏を感じることができた。
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