「さらばメーテル…。さらば銀河鉄道999…。さらば少年の日よ! ’79年は名作アニメの宝石箱や〜。」銀河鉄道999 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
さらばメーテル…。さらば銀河鉄道999…。さらば少年の日よ! ’79年は名作アニメの宝石箱や〜。
松本零士の同名漫画をアニメ映画化。
金持ちは体を機械化し永遠の命を得、金の無いものは機械の体に憧れながら有限の命を生きる、星間移動技術の発達した未来を舞台に、母親を殺した機械伯爵への復讐の為、機械の体を手に入れようとする少年・星野鉄郎と謎の美女・メーテルが、銀河鉄道999に乗りタダで機械の体をくれるというアンドロメダ星雲の惑星を目指すというSFアニメ。
有名だけどこれまで観ていなかったアニメを観てみようのコーナー!
テレビアニメ版もあるのだが、そちらは100話を超える大作なので映画版を鑑賞。
テレビアニメ版との連続性は無く、物語を一から描き直している作品の為、本作から観ても何の問題も無いのは初心者に易しい。
主人公である鉄郎がやけにイケメンなのも、個人的には嬉しい変更点。
まだ原作もテレビアニメも連載途中での映画化であるにも拘らず、物語を完結させているのはなかなか凄い判断。
元々は長大な物語だが、それを2時間のランタイムに綺麗に纏め切ったりんたろう監督の手腕は見事!
テーマは「若さ」。それも過ぎ去った過去を想うという郷愁を含んだ「若さ」を扱った作品であり、明らかに子供に向けられた作品ではない。
場末の酒場でリューズの歌に涙する大人たち。ここなんかは完全に大人じゃないと理解できないシーンになっている。
本作が公開された’79年といえば、『機動戦士ガンダム』や『ルパン三世 Part2』が放送されている。
これまで子供のものだったアニメーションだが、1971年の『ルパン三世』を皮切りに大人でも楽しめるものが現れ始め、1974年の『宇宙戦艦ヤマト』を経て、ついに1979年、『ガンダム』と『新ルパン』そして『999』の登場により子供も大人も巻き込んだアニメブームは頂点に達することになる!
『999』と『カリオストロ』が公開されている年ですからね!まさにアニメの黄金期✨
鉄郎やメーテル、キャプテン・ハーロック、クイーン・エメラルダスなどのキャラクターの魅力は今更言うまでもない。
メーテルなんて、アニメ界最大の発明といっても良いだろうし、ラスボスであるプロメシュームなんて一度見たら忘れられないほどのインパクトがある。
その魅力は松本零士のキャラデザによるところが大きいが、実はキャラの魅力を引き立てている最大の要素は声優だと思う。
いや、声優陣が本当に完璧!
特に女性陣の艶っぽさといったら…🥰
メーテルの池田昌子さんを始め、クレアの麻上洋子さん、エメラルダスの田島令子さん、リューズの小原乃梨子さん、シャドーの藤田淑子さん、そしてプロメシュームの来宮良子さん!
よくぞここまで良い声の声優を集めたな!と言いたくなる完璧な布陣。凛としていて、それでいて艶やかで品があって…。今の主流であるアニメ声とか可愛い声の声優よりも、やっぱり自分はこう言う澄んだ声の声優が好きだなぁ❤️
勿論、でぇベテランの野沢雅子さんも最高ですよ!
キャラクターは最高!…なんだけど、それが足を引っ張っているところもある。というのも、キャプテン・ハーロックやクイーン・エメラルダスのキャラが強すぎて、主人公である鉄郎を食ってしまっている。
ハーロックもエメラルダスも、元は松本零士の他作品のキャラクター。それが『999』にも登場するのだから、ファンからすれば嬉しいだろうが、そうでない者からすると、脇役なのにキャラ立ちしすぎていてちょっと胃もたれをおこしてしまう…😅
特にトチローが命を落とすシーン。自分は『ハーロック』の原作を読んでいたのでついていけたが、そうでない人はポカーン…としてしまったんじゃなかろうか?
もう少しクロスオーバーは控えめにした方が良かったんじゃないかなぁ。ハーロックがミルクをオススメしてくれる所は大好きですが🥛
綺麗に纏まっているとは言え、やはり2時間に纏めたことによりダイジェストっぽくなってしまっているのは否めない。
特に惑星タイタンのメーテル誘拐事件は一体何だったのか?あれいる?
それと、説明に矛盾を感じるところもある。
鉄郎が譲り受けた「戦士の銃」。機械人間を倒せる唯一の武器だった筈だが、後半でアンタレスが普通に機械人間倒しちゃって、アレ?と思った。
メーテルの体が母親のものだった!と言う展開だけど、じゃあ時間城の壁に飾ってあったのは?
ちょっと物語に入り込むのにノイズとなる要素が多かったですねー。
冷静に考えると、鉄郎は自分の母親に恋愛感情を抱いていたのか…。結構ギリギリだな💦
とはいえ、惑星メーテル崩壊からクライマックスまでの展開は素晴らしい!息もつかせぬ怒涛の展開から、メーテルとの別れのシーンで綺麗に落とす。非常に美しかった。
「私はあなたの少年の日の心の中にいた、青春の幻影…。」アニメ史に残る名言ですなぁ。
ゴダイゴのエンディングテーマも素晴らしい!
なんか色々気になったこともあったけど、これだけで全部チャラ!
エモすぎでしょうこれは!
子供なら鉄郎の冒険に胸を躍らせるだろうし、大人なら自分だけの青春の幻影を思い出し胸を詰まらせるであろう良質なエンタメ作品。
40年の時が経っていても、その輝きは一切衰えていない。夜空に輝く綺羅星のような一本✨
松本零士ユニバースというものがある、と思って鑑賞するのが正しいということですね!なるほどです✨
ハーロックと鉄郎の関係気になります!
いつになるかわかりませんが、鑑賞したらレビューしますので、今後も何卒宜しくお願いいたします🙇♂️
はーい。
エメラルダスは999の4巻に登場するし、ほんとMCUの感覚だと思って頂けば間違いありません。
「さよなら〜」ではハーロックと鉄郎の関係も明らかになります。
いつかレビューなさるのを楽しみにしておりますね。
pipiさん、コメントありがとうございます😊
なるほど、当時の観客からすればハーロックやエメラルダスの登場は当たり前のこととして受け入れられていたんですね〜✨
私の小学校でも掃除を告げるチャイムが何故かヤマトのテーマソングでした笑
『さよなら〜』はまだ鑑賞していないのですが、いつか観たいと思っております🙋♂️
当時は、999を観る者でハーロック、エメラルダス、トチローを知らん人はおそらくいないから大丈夫です〜。
トム・ホランドのスパイダーマンにトニーとキャップが来てくれるようなものですから、観客は皆、ピーターに温かい目を注ぐのみで食われるという認識は持たなかっただろうと。
ハーロック&エメラルダスと鉄郎では経験も格も違うが、そんな彼らが見守り育てようとする有望な対象が主人公。
そういう感覚だったと思います。
アニメなぞ否定してそうな、お固かった学校までもが、学習発表会にて子供達にヤマトや999の主題歌を合奏させるなど、世の中を松本アニメが席巻しておりました。
「さよなら〜」の方はご覧になられましたか?もし、まだなら是非是非♪
個人的には999より、さよなら999の方が好きです^ ^
ぷにゃぷにゃさん、コメントありがとうございます😊
メーテルの正体については作中ではっきりとは明言していないっぽいですね〜。
ボディが歳をとると、新しい肉体に乗り換えて無限の年を生きている、呪われた女性…。
少なくとも映画版だとそういう設定の様です。
なので、あのボディは鉄郎の母ちゃんのクローンなの?という質問が当時は殺到したとか…。
>メーテルの体が母親のものだった!と言う展開だけど、じゃあ時間城の壁に飾ってあったのは?
えーと、記憶が定かではないですが、鉄郎の母をモデルにして、メーテルの外側をデザインしたんじゃなかったかなー。
次に会ったとしても、違う姿になっているから気付かない、と鉄郎に言ってたような?
記憶違いでしたらすみません。