疑惑のレビュー・感想・評価
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何作も作られる意味も価値もある
以前、田村正和さん版を見たことがありましたが、岩下志麻さん弁護士版も素晴らしい。岩下志麻さんの他の作品も見たいと思いました。
桃井さんはそのままという感じで、大竹しのぶさん、蒼井優さんも合いそう。でも今後リメイクするなら意外なキャスティングだとワクワクします。
目撃情報の危うさ、現場証拠に少しでも疑念があれば追求することの重要さを感じました。
面白い、さすが
富山の埠頭で、暴走した車が海に転落。乗っていた白河福太郎が死亡し、同乗していた後妻の球磨子が助かる。資産家である福太郎には三億円の保険がかけられたうえ、球磨子は傷害などで前科4犯だった。警察もマスコミも、当然保険金殺人を疑う。しかし彼女の弁護をする佐原律子は、真相にたどり着く。
実際にあった事件を元にした原作の映画化。面白い、さすが松本清張。真相解明の展開に感嘆しました。
桃井かおりと岩下志摩の対決も見ものです。全く素でやってるような感じ、でもこの二人仲良いかも、と思いました。
懐かしかった
昔観たけれど、もう一度。物故者が多く出演していて時の流れを感じました。三木のり平や山本五十鈴など名優がほんの数分出ていて贅沢な映画だと思います。これも野村監督だからこそ皆さん出演されたのでしょう。そして見どころはやはり桃井かおりと岩下志麻のぶつかり合い。ワインのシーンは一発撮りだったと以前対談で言っていました。桃井かおりは「もう頬づえはつかない」でアンニュイな演技が光っていましたが、その後似たような演技のみで少々飽きられてきていた時にこの映画に出て、一皮むけた感がありました。法廷劇としては面白みは薄いですが女同士の闘いとしては最後まで目が離せない映画だと思います。
昔はこうだったのか
弁護士の女先生が、夜に前科持ちの男を家に入れたり、今じゃ考えられない事が法廷でも起きるし、昔は緩くてそういうのもありだったのかと驚く。そして昔懐かしい俳優さん達が沢山出て来た。球磨子(桃井かおり)が熊本県の天草出身で、先日観た映画『霧の旗』も倍賞千恵子が熊本市出身だったな。弁護士役の岩下志麻、男から金を得て生きていこうとする桃井かおり、生き方はまるで違うけど2人の共通点は前だけをみて潔く生きていく。最後のお酒のシーンは思わず声が出てしまった。とても面白い映画だった。最後にチラッと姿を見せた真野響子、色んな意味で対照的な3人の女の生き方をこの映画は見せているのだと思った。
岩下志麻の映画だった
私は原作を読んでいるのでストーリー展開が遅すぎて退屈で見ていられなかった。原作も大して面白くなかったし。もう限界だから見るのやめよう・・と思ったその時、岩下志麻が出てきた。それは原作にはない設定で映画のために作られたものだった。その後の展開がとても映画的で素晴らしく上手くできていたと思う。どうでもいいようなくだらないシーンがいくつか入っていて時間稼ぎをしているが全体のムードを盛り上げるためと思えばそれも良かったと言える。事件を解決した主人公の頑張りとか実力とか人格というものが魅力となって輝いてる。
難を言うと人間ドラマに実がない。少年の部分がクライマックスになっているわけだがそれであの少年が成長してるようにも見えない。クライマックスの盛り上がりとして成功しているだけで人間ドラマとしては何か突き抜けたものがない。作者もそれを感じたのだろう・・実にするために主人公の娘の話が挿入されていたりクライマックスが終わってからごちゃごちゃ何かやっている訳だがどう見ても実になっていない。
ところで、この映画が作られたのは1982年。俳優たちを見ていて、この頃までは映画と言える演技をしているなあと思っていた。そしたらちょい役で山田五十鈴が出てきた。あのシーンには圧倒された。映画の全盛期の俳優の実力というものに。この映画がとられてから40年経って今の俳優はみんな学芸会レベルになってしまった。日本の映画を取り巻く事情からして、もう復活することはないだろう。残念なことだ。
とか、難は言ってみたものの映画はやっぱりスターが命。実なんかいらない。勝った負けただけで十分。それだけの方がむしろ面白いのかもしれない。そしてスターの魅力さえ伝われば良いのだ。幸い私はだいぶ年をとってきて熟女の魅力が存分に分かるようになった。この作品は岩下志麻の魅力がビンビン伝わってくる映画だった。岩下志麻は秋刀魚の味だけだと思っていたけどそうでなくてとても嬉しい。
見ごたえあり
作品を鑑賞しながら、監督は野村芳太郎さんかな、と推測したら当たりでした。なんか監督の癖みたいなものが出るんですね。洋画についてはそこまでの推測はできませんが、邦画は時々あたります。
岩下志麻さんも桃井かおりさんもハマり役で、見応えがありました。今の時代に設定を変えてリメイクしても面白いと思います。
おもろすぎるがな
この年代の映画は初めてみたけど、おもしろすぎるがなぁ。
桃井さんの生まかしさとか岩下さんの凛々しさとか、出演者の魅力がとんでもなくてもう一瞬でファンになりました。すんごい引き込まれる。
球磨子が犯人なのか、そうでないのか、真相がなかなか読めない中、朝廷で筋の通った展開がさくさく進んでいくので観やすかったです。
はーひさびさにこれやべー!って映画だった!
岩下志麻は桃井かおりの国選弁護士。 今よりもずっと若くてかっこいい。 誰がどう見ても桃井かおりの有罪は確実と思われていたのだが、岩下志麻がこの難局をどう乗り越えたのか?
動画配信で映画「疑惑」を見た。
劇場公開日 1982年9月18日
1982年製作/127分/日本
原題:Suspicion
配給:松竹=富士映画
桃井かおり30才
岩下志麻41才
鹿賀丈史32才
柄本明34才
仲谷昇53才
森田健作33才
野村芳太郎監督
松本清張原作なのだから面白いに決まってる。
オレはこの映画を40年前に劇場で見ている。
もう内容もすっかり忘れてしまっていたのだが、
というかすっかり忘れてしまっていたからこそまた面白く見ることができた。
桃井かおりは夫の仲谷昇を自動車事故を装って殺した容疑で逮捕された。
鹿賀丈史は桃井かおりの昔の男。
この二人のいかにもなワルい感じが可笑しかった。
岩下志麻は桃井かおりの国選弁護士。
今よりもずっと若くてかっこいい。
誰がどう見ても桃井かおりの有罪は確実と思われていたのだが、
岩下志麻がこの難局をどう乗り越えたのか?
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
永久保存版🙆♂️
桃井かおりと岩下志麻の演技力に圧倒される作品。ストーリーは単純だが、グイグイ引き込まれる。これぞ名作。
アイドルとか芸人とかを客寄せパンダ的に役者として使いたがる最近の邦画製作陣はこの作品を観て色々と考えて欲しい。
保険金殺人で起訴された被告人と女性弁護士の駆け引きは見応えがある。...
保険金殺人で起訴された被告人と女性弁護士の駆け引きは見応えがある。
被告人役の桃井かおりが相当にふてぶてしく、憎たらしい。
これで本当に殺人を犯していたら、まさにそのままのイメージなので、おもしろくない。
おそらくは無罪なのだろうなという推測は成り立つが、どうやって?
法廷でのシーンがかなり長く、引き込まれた。
出演者は錚々たる顔ぶれだったが、1982年の作品なので、皆かなり若いというところも見もの。
法廷ドラマでの桃井かおりと岩下志麻の熱演。
2時間ずっと目が離せず、とても面白かった法廷ドラマ。海に飛び込んだ車から桃井かおりだけが助かる。財産目当てといわれた夫殺しの疑い。
桃井かおりのふてぶてしい態度や過去の醜態。そこから、さまざまな憶測や警察、マスコミの誘導、過去の記録、交友関係などなどが飛び交い、次々と新しい要素が明るみになる。どちらに転んでいくのか目が離せない。
桃井かおりの熱演はこの役にとてもハマっており、また弁護士の岩下志麻も冷徹な感じがよく出ている。キャスティングがよく、とても堪能した。
1982(昭和57)年 野村芳太郎監督、出演/桃井かおり、岩下志麻、鹿賀丈史、柄本 明。松本清張の同名小説の映画化。
広島国際映画祭2021@広島市映像文化ライブラリーにて。
野村芳太郎監督の実力がいかんなく発揮された傑作中の傑作です 私達観客は、もうただただ圧倒的な映画体験に感激するしかないのです
2021年の夏、もの凄い猛暑
もう集中力が持続しない
そんな今年の夏でも本作なら大丈夫
少し観始めたなら、あっという間にラストシーンにまで連れて行ってくれます
それ程面白い映画です
いくら暑くても集中力は途切れる心配はありません
まず松本清張の原作を新聞記者を主人公からはずして、被疑者鬼塚球磨子と弁護士佐原律子の対立構造にしたところがさすが!
しかも、佐原律子は後妻に敗れる二重構造も見事
桃井かおりと岩下志麻の配役が、何よりも本作を成功に導いています
この二人でなければこれほどの成功は有り得ないでしょう!
桃井かおり31歳、岩下志麻41歳
本当に惚れ惚れするような配役です
野村芳太郎監督の実力がいかんなく発揮された傑作中の傑作です
エピローグのラウンジのシーンは、恐らく富山の繁華街総曲輪の店と思われます
金沢の兼六園と覚しきところで後妻の咲江に夫だけでなく、娘までもとられて女としては完膚なきまでに敗北した律子
そして裁判に完全勝利した球磨子
彼女は女を武器にさらに戦い勝利すると敗者に向かって宣言し、律子の白いスーツに赤ワインを注ぎかけるのです
もう目の覚めるような永遠の名シーンです
日本映画のレジェンドと言っても良いシーンでしょう!
そして富山駅の特急加越のラストシーン
米原で新幹線に乗り換えて東京に戻るのでしょう
今は北陸新幹線でそれこそ腰を抜かすほど東京とは近くなりましたが、それまでは丹波哲郎の演じる岡村弁護士が飛行機で富山入りしたように本当に遠い遠い北国でした
球磨子を認めて好奇の視線を送るホームの人々
発車した車内でザマーと薄ら笑いを浮かべる球磨子、そしてエンドマーク
私達観客は、もうただただ圧倒的な映画体験に感激するしかないのです
柄本明が演じる新聞記者の秋山が、証人役の鹿賀丈史を案内した旅館は加賀屋でした
能登半島の先の和倉温泉の超有名旅館です
プロが選ぶ旅館の日本一を1977年から36年も連続受賞した旅館として海外にまで有名な所です
近年は海外の某国人ばかりとのことで評判を落としたと噂を聴きましたが、コロナ禍が収まったならぜひ一度は泊まりたい憧れの宿です
これは名作
目の前に見えている景色が、時間が立つに連れてどんどん変化していき、最後の最後に前半で仕掛けられた伏線を見事に回収して驚かされる。
そして人間、いや女としてのそれぞれの生き様を見せつけられる桃井かおりと岩下志麻の演技力に感嘆した。
これは名作中の名作★
桃井かおりさんと岩下志麻さんの演技に圧倒されました
Amazon Primeで視聴。
桃井かおりさんの演技が凄い。演技なのか、素なのかが分からない程だ。岩下志麻さんも凄い。最後の2人の掛け合いはカッコいいし、この物語の全てを表している。
2人が名女優と呼ばれる理由がよく分かります。
松本清張の映画の独特な緊張感。ゾクゾクします。
法廷心理劇
被疑者及び弁護士と検察の争いではなく、被疑者・桃井かおりvs弁護士・岩下志麻との対決という構図の法廷心理劇だった。
悪女が活躍していた時代。女が男を操ってなんぼの時代だったのだと思います。過去を引きずってどことなく陰があるが、ぶちきれる性格の桃井かおり。そして、演技は極妻と変わらないほど冷たい表情の岩下志麻。前科4犯というだけで犯人扱いされ、遺族、マスコミ、警察全てを敵に回しているので、顧問弁護士だって辞任してしまう始末。そんな中、国選弁護人として岩下志麻が接見する・・・
ストーリーの構成も桃井かおりが白か黒かをはっきりさせるだけの単純なものであるのに、どこかに嘘がある被疑者や証人たち。神聖な法廷であるにも拘わらず、ふてぶてしい態度や野次や恫喝で証言を中断させたりする面白さ。拘置所で六法全書を読み漁って法律知識を身につけたはずなのに、腹が立つと見境がつかなくなる役は桃井のキャラにぴたりとはまっていました。
テレビ放映されたときに見てるのに、スクリーンで改めて観ると地元のロケ地ばかりに目が行ってしまいました。中心は富山県ですが、石川県も千里浜、和倉の加賀屋(『ゼロの焦点』のときからは建て替えられて綺麗になっていた)、兼六園等々のロケがあったようで、舞台は富山と石川の往復が激しかったです。昨年の『8月のクリスマス』では高岡と金沢がまるでご近所のように扱われていましたが、この映画では富山・石川がとても近くのようでした。岩下志麻が事故を起こしそうになったのは南新保の交差点。空き缶は車の足元に置かないようにしなければいけません・・・一度怖い経験しましたよ・・・
コミカルな部分もあるし、キャラクターのユニークさ、本当はどっちなんだ?と推理する面白さによって、『ゼロの焦点』のような北陸の暗さは全く感じられません。だけど、田舎ということを強調してたような・・・「富山は田舎じゃない!」という台詞が頭から離れません・・・
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