劇場公開日 1982年9月18日

「野村芳太郎監督の実力がいかんなく発揮された傑作中の傑作です 私達観客は、もうただただ圧倒的な映画体験に感激するしかないのです」疑惑 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0野村芳太郎監督の実力がいかんなく発揮された傑作中の傑作です 私達観客は、もうただただ圧倒的な映画体験に感激するしかないのです

2021年7月31日
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鑑賞方法:VOD

2021年の夏、もの凄い猛暑
もう集中力が持続しない
そんな今年の夏でも本作なら大丈夫
少し観始めたなら、あっという間にラストシーンにまで連れて行ってくれます

それ程面白い映画です
いくら暑くても集中力は途切れる心配はありません

まず松本清張の原作を新聞記者を主人公からはずして、被疑者鬼塚球磨子と弁護士佐原律子の対立構造にしたところがさすが!
しかも、佐原律子は後妻に敗れる二重構造も見事

桃井かおりと岩下志麻の配役が、何よりも本作を成功に導いています
この二人でなければこれほどの成功は有り得ないでしょう!

桃井かおり31歳、岩下志麻41歳
本当に惚れ惚れするような配役です
野村芳太郎監督の実力がいかんなく発揮された傑作中の傑作です

エピローグのラウンジのシーンは、恐らく富山の繁華街総曲輪の店と思われます

金沢の兼六園と覚しきところで後妻の咲江に夫だけでなく、娘までもとられて女としては完膚なきまでに敗北した律子
そして裁判に完全勝利した球磨子
彼女は女を武器にさらに戦い勝利すると敗者に向かって宣言し、律子の白いスーツに赤ワインを注ぎかけるのです

もう目の覚めるような永遠の名シーンです
日本映画のレジェンドと言っても良いシーンでしょう!

そして富山駅の特急加越のラストシーン
米原で新幹線に乗り換えて東京に戻るのでしょう

今は北陸新幹線でそれこそ腰を抜かすほど東京とは近くなりましたが、それまでは丹波哲郎の演じる岡村弁護士が飛行機で富山入りしたように本当に遠い遠い北国でした

球磨子を認めて好奇の視線を送るホームの人々
発車した車内でザマーと薄ら笑いを浮かべる球磨子、そしてエンドマーク

私達観客は、もうただただ圧倒的な映画体験に感激するしかないのです

柄本明が演じる新聞記者の秋山が、証人役の鹿賀丈史を案内した旅館は加賀屋でした

能登半島の先の和倉温泉の超有名旅館です
プロが選ぶ旅館の日本一を1977年から36年も連続受賞した旅館として海外にまで有名な所です
近年は海外の某国人ばかりとのことで評判を落としたと噂を聴きましたが、コロナ禍が収まったならぜひ一度は泊まりたい憧れの宿です

あき240
あき240さんのコメント
2021年7月31日

羨ましい!

あき240
kossyさんのコメント
2021年7月31日

昨年初めて泊まりました。
ゴージャスでリッチな気分にさせてくれました。
仲居さんの接遇がやっぱり最高でした

kossy