霧の中の男

劇場公開日:

解説

「錆びたナイフ」の石原慎太郎の原作・脚本を、「俺は待ってるぜ」の蔵原惟繕が監督し、「白い悪魔」の横山実が撮影したギャング映画。「佳人」の葉山良二が初のギャング役を演じるほか「春泥尼」の左幸子、「非常線(1958)」の菅井一郎、「暗黒街の美女」の二谷英明、白木マリ、「錆びたナイフ」の小林旭らが出演する。

1958年製作/92分/日本
原題または英題:A Man in the Fog
配給:日活
劇場公開日:1958年4月8日

ストーリー

霧の深いある真夜中のスタンド、死にひんした水原は、自分の怪奇な運命を思い起すのだった。--敗戦、水原は戦友の三村と一緒に捕虜収容所に入れられた。間もなく、三村は逃亡を企て成功した。水原は逃亡の手助けをしたと見なされ、坑道に押しこめられた。彼はこの時から人間としての感情を失くしたのだ。やがて帰国、そして賭博場荒しというすさんだ生活を送るようになった。彼はそこで三村と出会った。三村は山形という男の下で働いていた。水原も山形の下で働くようになった。水原はそこでエマという女を知った。エマは三村の情婦であり、山形の秘書でもあった。三村はエマとの結婚のために、この世界から足を洗いたいと思っていた。山形は三村を殺すことを、水原に命じた。水原は冷酷に射殺した。その頃から水原の生活はさらに荒れていった。憎しみも愛もなく、ただ山形の命令だけでつぎつぎと人を殺した。相棒は中村という男に変っていた。ある日、中年夫婦の殺人を山形から命じられた。無造作に惨殺をし終えた水原と中村は、待たせておいたセダンに乗りこんだ。だが、水原は車にエマがいたことや、中村の挙動の不審さから自分も三村の立場におかれていることを悟った。車が故障していたので、三人はタクシーを拾って町へ向ったが、ガソリンがきれた。水原はエマからガソリンスタンドの所在を聞くと、エマを連れてスタンドに向った。そこに三村という青年と恋人の幸子がいた。青年は三村の弟だった。水原は拳銃を渡したが、三村の弟はなぜか水原を射つことができなかった。が、この時銃声が轟いて水原は倒れた。エマが射ったのだ。エマは「いつかは山形に殺されるあなたを、誰の手でもなく私の手で射ってあげたかったのよ」としゃべった。この声を聞きながら、水原の怪奇な運命も脳裡から消えていった。

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