切られ与三郎のレビュー・感想・評価
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セクシーすぎて惚れられまくる雷蔵
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大好物!(結末以外は)いやはや。
歌舞伎の有名な演目「世話情浮名横櫛(よはなさけうきなのよこぐし)」をベースにしているが、ヒロインがすげ替えられ、主題はソックリ違うものになっている。
歌舞伎の方では与三郎とお富の純愛がメイン。見たのが玉三郎のお富だったので余計に純な感じがしたかも。
しかしこちらのお富、淡路恵子の異様なほどの色香と悪女のオーラには、出た瞬間から悪い予感しかしない。
それに対するはため息が出る色男ぶりの雷蔵。世を拗ねた態度をとりつつ、根は世間知らずのボンな与三郎(雷蔵)。お富との出会いはこれから起きる地獄めぐりの序章であった。
蟻地獄へ引き込まれるように、苦界の女達の不幸に巻き込まれる、徹底的に不遇な色男の与三郎。
不幸な女が他人の方へとしわ寄せしていって、自分の安楽をもぎ取ろうとする浅ましい刹那的なシチュエーションが異様でクールで、盛り上がった。が、それもラストの純愛のための前振りかと思うと、ちょっと白けたかも。
ともかく淡路恵子の悪い女ぶりと、雷蔵の不遇で不器用な美男役はハマり役で、歓喜の身震いをした。もっと悪く、もっと不幸になって欲しいと思ってしまった。フィルムノワール的部分が最高にイケてる映画でした。
死んだはずだよお富さん♪
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木更津のエピソードまできて、春日八郎の「お富さん」の歌の話であることに気付く。そうなると、お富との再会がいつやってくるのか気になって仕方がない。
川島雄三「幕末太陽傳」でも言及される木更津は、よほど柄の良くない土地だったのかとおもう。
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