教祖誕生のレビュー・感想・評価
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新興宗教の布教活動に面白半分に参加した青年が教祖に祭り上げられる。...
このころはブーム
教祖だってクビになる!
初代教祖は浮浪者だった爺さんを教祖に仕立てあげ、電気を通して手かざしで病気を治すのがパフォーマンスだった。この初代の教祖は下絛正巳。『男はつらいよ』シリーズの二代目おやっさんだ。
祀り上げられると、普通の人間でも徐々に自分が神に仕える者だとのぼせあがり、勝手な行動を取ってしまう。初代教祖はこのため司馬(ビートたけし)によってクビになるが、二代目の和夫も次第に変わってゆく。
新興宗教というものの本質をとらえたかのような風刺映画ではあるが、物語にするには起承転結がはっきりしない(クライマックスがない)。金儲けばかり考えている司馬に腹を立ててケンカとなり、ナイフを持った駒村(玉置)を逆に殺してしまったという展開。しかし、5年後の映像として司馬がまた新たな宗教を立ち上げてるという面白さ。ただ、映画全体としてはショートストーリーで十分なくらいの内容。これがオウムの一連の事件後に作られていたら、もっと凄い映画になったのかも(笑)
色あせないなぁ
嘘から出たまこと、だから詐欺師との溝が滑稽
総合:65点
ストーリー: 60
キャスト: 65
演出: 70
ビジュアル: 65
音楽: 65
適当に始めたことだが、きっかけはともかくとしてそれにのめり込んで本物になるなんてことは良くあることだろう。本物の宗教家になっていく人々と、何があろうが初志貫徹して金儲けしか頭にない詐欺師の北野武との溝が皮肉的に描かれていて滑稽だし、この映画の中心部分はここだろう。金のためには感情的になって怒鳴り散らす彼の性根が、徹底して腐りきっているのが本当に潔い。
でもこんなにも胡散臭い宗教がこれほど拡大して大きくなるというのが現実的ではなくて、救いを求める信者たちのこともおざなりになって殆ど描かれることもないから、余計に宗教としての成長がわからない。そこがないから何故最初の詐欺師たちが本物の宗教家になっていったのかを理解出来ない。そのあたりは手を抜かれ過ぎていると思う。
なぜ、教祖になるとみんな本気になっちゃうんだろうな~
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